両親とパートナーが対面した日
2007年の12月に両親にレズビアンとしてカミングアウトをした、
帝(てい)さんのカミングアウトのプロセスを記したエッセイの第11回目です。
両親へのカミングアウトから1年経った節目として、
2008年12月に帝さんが書かれた文書から、
今回は、「両親とパートナーが対面した日」のエピソードを紹介します。
●親へのカムアウトから1年を経て〜カミングアウト・プロセス(帝)
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パートナーと家族が対面する当日は、
雰囲気が軽めな和食店を選び、昼の時間を設定。陽射しの爽やかな席について、笑顔で4人挨拶。
さりげなくきっちりお洒落してきた両親、
母の手には、差し入れに煮豆の入ったタッパーと、
「来る前に2人で一緒に見たよ、良かった。」との感想と共に、
私が渡しておいたビデオや手紙の資料の返却物。
とりあえず、彼女には父の酒に付き合ってもらいました。
この日の中心はもちろん、
「初対面の父」だったのですが、
当人は、ちゃっかりと彼女を「○○ちゃん」と呼び、
予想に反して御機嫌トーク。
彼女は、がんばって応対、
がんばってお酒、
がんばって食事(笑)。
それを横目に、
ホッとしながら食後のコーヒーとあんみつを注文する、
私と母。
一足先に彼女に会っていた母も、
どうやら、父の様子に安心した表情でした。
店の中や、窓際の陽射しが暖かかったせいか、
私が、自分で思うより上気していたのか、
目の前の両親と彼女の和やかなシーンを、
一瞬、ぼうっと夢のように感じたり、
これまでの月日を思い出し、感慨に浸ってしまいました。
そんな具合に、第一段階を終了。
(帝/2008年12月)【続く】