福岡市と東京都が名乗りを挙げた2016年夏季五輪の国内立候補都市につ
いて、日本オリンピック委員会は30日午後、東京都内のホテルで選定委員
会を開き、東京都を立候補都市に決定した。55人の委員による投票の結果、
東京都が33票を集め、過半数を超える支持を得た。東京は1964年大会
以来、2度目の五輪開催を目指して海外の立候補都市との争いに臨む。選定
委員会では両都市によるプレゼンテーションと質疑応答を行った後に、JO
C理事25人と各競技団体代表者30人の委員が無記名投票。有効投票数5
5のうち、東京33票、福岡22票だった。

 

東京と福岡の争いは、国際的な知名度の高さがやはり押されたのか、それな
りの支持を集め順当に東京に決まったようだ。むろん、これはあくまで国内
の話であってまだ五輪招致に向けての入り口にようやく立ったと言うレベル
でしかない。2008年の夏季五輪大阪市が誘致に名乗りをあげて、結果
大惨敗したのも記憶に新しく、東京に決まった以上はいかに五輪を招致出来
るか教訓を糧に海外の立候補都市と戦い抜かねばならないだろう。すでに我
が国で東京五輪が開催されてから、42年の月日が流れ、その記憶もほとん
ど薄れてしまった。高度成長の弾みとして、我が国が経済大国へと進むのに
大きく影響したのは歴史的に見ても間違いは無い。

 

2008年の北京五輪国威発揚に利用されることが懸念されているが、確
かに商業主義がここまで五輪を侵食してしまうと、本来のスポーツの祭典と
しての意義が薄れてしまい、単にテレビ中継を意識したどでかいスポーツイ
ベントをやるだけ、と言う状態に今後もなってしまうだろう。それにいつか
歯止めをかける意味でも、北京五輪は難しいとしても次のロンドン五輪でそ
の流れを作っていくべきではないか。理想だけで票を集めるのは難しいであ
ろうが無駄を極力減らしたコンパクトさも評価される時期がきて欲しい。