映画業界紙の文化通信によると、日本国内主要配給会社13社の1〜10
月まで累計の興行収入が、1578億8000万円になった。これは、昨
年の同時期と比べて、97.7%。1〜9月累計では昨年比99%台だっ
たので、10月の落ち込みが昨年比を下げた恰好だ。

 

好調とされる邦画の勢いも昨年と同様とまではいかなかったようだ。洋画
では大作の続編ものが次々と公開されたこともあって、かなり好調だった
ようだが、結局は続編もの頼みになってしまっている現状は打開出来ては
いないようだ。本場のハリウッドでも続編だけで無く、外国でヒットした
映画のリメイク作品も目立ち、映画のネタそのものが枯渇してしまったか
のような惨憺たる有様である。

 

邦画が好調な理由は、泣ける系の作品が次々に大ヒットしたのも一つであ
ろうし、何よりもアニメの強さが光るのではなかろうか。それだけに当た
るアニメが無ければ興行収入はそれなりに減少してしまうであろうし、特
スタジオジブリの作品が公開される年は、その影響をモロに受ける。と
もかく邦画が好調好調と浮かれて粗製乱造となる失敗だけはして欲しくは
無いものだ。一度失った信頼を取り戻すのは容易なことでは無いのだから。