■
この日聴いていた音盤たち。
細野さんは『銀河鉄道の夜』以来のサントラだそうです。
二枚組だったので驚いた。園まりのオリジナルがとても響いた。
一枚目ばかり聴いています。これも新しい音で懐かしい響き。
空気公団の山崎ゆかりさんの別ユニットaoは、
"シティポップス"という言葉が見事に浮かんできた。
曲によって空気公団から離れたり近づいたり。
それでもやっぱり「悠遠」なんて近い雰囲気の曲が好いと想う。
リトルクリーチャーズの最新アルバムは、
青柳さんの歌がとても好かった。この人こんなに情感溢れる歌い方だったっけか?
1stからずっと英語で歌ってるんだよなぁ。
『VISITA』を聴いた時のすげぇ!すげえ〜って感動を憶い出して、
甘酸っぱい気分まで甦った...とても好い想い出。
cinnabonをもじったcinnabom。
sugar plantの歌声のイメエジしかないから、これはかなり違和感あったなぁ。
「dryfruit」なんて曲もあったりして、この曲は意識的にか名残がある...。
英語で歌ってるせいかもしれないが、ホッとする。
それでも何度か聴いているうちに日本語の歌も沁みてきた。
ガットギターのリフレインが心地好い。
SAKANAのpocopenさんも讃えています。
■
読了
「狂気は個人にあっては稀有なことである。
しかし、集団、党派、民族、時代においては通例である。」とは、ニーチェの言葉*1。
断片的に...。
ここにエロスを求めるのは酷な気もするし、自分が惹かれたのは、
やはりくっきりと描かれた憧憬として映る非日常の光景だった。
まだ一冊も読んでない頃の小川洋子のイメエジは、
まさにこの小説で目眩くまでに展開される、淡々としてどこか冷たさを残しながらも、
読手のなかへ濃く沁み込ませる文学世界。
この作品を極点にして、あらすじだけ眺めてきた他の作品もおそらくは、
どこか終始あたたかな陽射しが感じられる『博士の〜』に比べたら、
このような雰囲気を漂わせているのかもしれない。
しかし、読ませるなぁ。
過激で痛々しい描写も、文章が美しくいちいち切ないほどで、
下世話な気分にずれていかない。小川洋子を崩すことがない(と想う。)
最後に受ける虚無感がスローモーションで絵が広がっていった。
また詳しい地名や地域性を出さないところが、寓話的で好い。
マリを感じ、翻訳家を感じ、不思議と翻訳家の甥には感じ入れなかった。
男性で面白いと想う人は少ないような気がするけど、
鄙びた町の古めかしいホテルへふらふらと旅に逃げてみたい衝動に駆られた...。
結局、それかよ...。