フェルミ粒子

http://d.hatena.ne.jp/nuc/20080406/p27の「ボソン - 白のカピバラの逆極限 S144-3」を読んで、似たようなことを思い出しました。


友人はボーズ粒子で複数でも存在可能だが、恋人はフェルミ粒子なので排他的である。*1

*1:でもフェルミ粒子だとしたら、状態が違えば複数存在できるのかも。

運動量

http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080406の「隠れて物理を勉強する - hiroyukikojimaの日記」とそれに言及しているhttp://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080407/1207534244の「F=maだけど - finalventの日記」に関して。

 たとえば、しょっぱなに、運動方程式「ma=F」について、こんな風に書いてある。

この式は、「質量に加速度を掛けたものが力である」ということを表しているのでは決してない。この式は「物体mに力Fを加えられたならば、その結果として加速度aが生じる」という因果関係(原因・結果関係)を表しているのである。右辺と左辺が等しいというのは量的関係だけで、概念的意味内容としては右辺と左辺は異なる。つまり右辺は運動の変化の原因としての加えられた力であり、それは単なる数学的定義に帰し得ない実体的起源をもつ。他方、左辺はその結果として生じた運動の変化の割合を表している。(中略) 。運動方程式はあくまでも物理的な因果関係を表しているのであり、力の定義式では決してない。

http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080406

否定はしないけど。

ちなみに、F=maというのは、質量の定義と考えたほうがいいと私は思っている。

 日常体験としては、質量というのは、重さなわけだけど。

 たとえば、無重力空間にいるとする。そこで重さはゼロになる。では質量はどのように考えられるかというと。m=F/aとなる。

ここで仮にaを一定とすると、Fがmに比例する。

 つまり、無重力空間では、ふわんとした物体に同一の運動を与えるための力の差として質量がわかるということ。

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080407/1207534244


解釈については、色々な角度から考えることが理解を深めるのに役立つので良いことだと思います。しかし先に進んだ場合のことを考えると、それにあわせた説明がわかりやすいのかなとも思います。

光の速さで移動している物体に、進行方向と同じ向きに力をかけた場合には速度は変化しません。光速度よりも速くなりようがないからです。では、その力によって伝えられたエネルギーはどうなるのでしょう。エネルギー保存の法則が成立するならば力によって加わったエネルギーは消えてなくなることは無いので、なんらかの形で存在するわけです。そして速度の増加が起こらなかった場合に、他にも条件はあるのですがその辺を満たしているとすると残るは質量だけなので質量が増加すると解釈できます。加わったエネルギーに相当する分だけ質量が増えるのですが、その変換式がE=mc^2となるわけです。
なんでそうなるのかという説明は出来ないのですが、それはおそらく最初のエントリーで紹介されている『新・物理入門』に書かれていると思います。

 最も印象に残った雑談は、完全に思考実験の計算から、例の「E=mc2」を導出したものであった。当時、ぼくは、このアインシュタインの法則は、完全なる「経験的事実」とか「実験的事実」だと思いこんでいたので、まさか、自分の知っているいくつかの物理法則(具体的には、相対性の原理、光速度不変の法則、運動量保存則、電磁波の運動量とエネルギー)を組み合わせただけで演繹できるとは思わなかったから、その日は眠れないほど興奮したのを今でも覚えている。

http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080406


それを踏まえて最初の運動方程式の説明では力が原因で加速度が結果だと書かれているのでしょう。同じ考え方によって、力を原因として質量の増加が結果だという説明ができるからです。*1

ただ速度が光速に近づくにつれて質量が増加するというのも、相対性理論の一解釈にすぎないというのも読んだことがあります。だから最近はあまりそういう説明はしないのだとも。あと、力についても相対性理論を適用するといつでも一定というわけでなく、観測者によって変化するようです。直角梃子のパラドックスの説明で読んだ記憶があります。


ちなみに運動量というのは質量と速度の積で表される物理量ですが、どうも運動量の方が質量や速度よりも基本的な物理量だというのも何かで読んだことがあります。運動量保存の法則は、エネルギー保存の法則などのように基本的な原理だということです。なんでそうなのかについてはよくわかりません。


(追記)
質量とは何ぞやという疑問に対して明確に答えるのはかなり難しいかもしれません。SI単位系でも質量はキログラム原器というで定義しているくらいです。このキログラム原器に代わる新い基準として、ワットバランスや超伝導磁気浮上式といった方法も研究されているようです。これらは電磁気学的な測定と力学的測定を組み合わせた物のようです。そうしてみると、そう遠くない未来に質量の基準が力によって定められるなんてこともあるのかもしれません。


参考リンク
http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/FAQphotonmass.html
http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/mass.html

*1:言い切っているけど、自分では説明できないので多分そうなんだろうという推測です。