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日々徒然

2005-11-19 コラム:第19回

冷酷無比な東武鉄道よ

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exciteニュース東武運転士懲戒解雇 大半同情でも「十分調査」』[ 11月16日 11時14分 ] 共同通信*1


東武野田線埼玉千葉県境の1駅間を、運転士が運転室に3歳の長男を入れたまま運行した問題で、東武鉄道は14日付で運転士懲戒解雇処分にしていたことが16日、分かった。

同社は「第三者を運転室に入れることは服務規定で厳しく禁じられている。多数の意見を頂いたが、十分な調査を行った上の処分だ」としている。

同社には解雇方針が明らかになった直後から15日までに、電話メールで約2000件の意見が寄せられた。大半は「処分が厳しすぎる」「自分のせいで父親が解雇になったと知ったら、子供がかわいそうだ」などと同情的だった。解雇を支持する意見は120件程度にすぎなかったという。

結局運転士解雇されてしまいました。この運転士一家に深い同情の念を禁じ得ません。一般的に考えて、彼が鉄道業界他社に再就職することは不可能に近いと思います。それどころか、このデフレ時世において、退職金も得られずに職を失ってしまいました。「2ちゃんねる掲示板で見かけた意見ですが、この運転士が仮に自殺したら、遺族は東武鉄道を必ず訴えるでしょう――無論、そうなっては手遅れなのですが。

私は処分に反対しているのではなく、解雇に反対していることを改めて明らかにしておきます。重すぎます。理由はただその一言に尽きます。

「amai_mikan」さんは懲戒解雇ってのは最高レベルの処分なんだから、重大な違反であっても結果的に重大事故に至っていない(かつ、同様の前科がない)今回のようなケースでは不適当なのではないかと思う」*2と述べています。私は、この処分が、被雇用者のことを顧みていない、あまりに安易安直なものだと断じます。今年3月に踏切事故で4人の死者を出した同社が体面を保つために、英断を下した、と言われたかっただけなのではないでしょうか。

同じく「amai_mikan」さんによると、東武鉄道労働組合「超強力」*3だそうです。福知山線事故の際には飛び出て来たJR西日本労組でしたが、ならば東武労組が出てこないはずはないと思います。「実は東武解雇→関連会社で再雇用*4という会社労組の裏交渉があったから労組が動かなかったのか、はたまた東武鉄道根津氏一族による経営なので「普段から労働組合は全うに機能せず、問題が起これば上層部はすぐ保身に走り、といった歪んだ構造」*5により、労組が動かなかったのか……私には事実を知る術はありません。

(追記)寧ろ「amai_mikan」さんの仰る通り、「今回の件で運転士解雇するなら、役員は踏み切り事故で引責辞任」*6すべきだと思います。数多の解雇賛成論者*7はどう考えるのでしょうか。

(05年11月20日 追記)

*1http://www.excite.co.jp/News/society/20051116111406/Kyodo_20051116a495010s20051116111408.htmlより引用(09年2月12日現在、確認不可)。

*2:amai_mikan 『起て万国の労働者よ : sweetorange』より引用

*3:同前。

*4:同前。

*5http://msz006.air-nifty.com/blog/2005/11/post_68f3.htmlより引用(09年2月12日現在、確認不可)。

*6:amai_mikan、前掲。

*7:例えば「りゅうちゃんミストラル」さんは『東武運転士懲戒解雇で賛否両論 | りゅうちゃんミストラル - 楽天ブログ』で多くのブログから解雇賛成、反対の両意見を引き、自身は賛成の立場を取っています。私の寡聞によればこの事件について最も十分に考察しているブログの1つだと思います。彼の論拠は尤もだと思うのですが、労働者解雇された運転手の側からの視点が欠けていると思います。私は、事故が起こらなかったから、運転士解雇されなくてもよいと考えます。