内田樹著書 ふたたび

もう12月も中頃か…。
来週は台湾行なので、今年の仕事も今週で終わりですな。いや正月もやんなきゃいけないんだろうけど、新婚だし、のんびりしたいところです。

図書館から借り出した内田樹の著書の感想を書いておきます。

街場の現代思想 (文春文庫)

街場の現代思想 (文春文庫)

『街場の現代思想』。現代思想つっても、著者の専門であるレヴィナスと、あと追加でレヴィ・ストロースあたりが出てくるのみで、むしろ内田氏主張す、といったところでしょうか。
ま、主張自体は論理的で倫理的なんで普通に首肯しますが。いやほんと、頭の悪いガキばっかで困るわ。

それにしても、昔に比べて最近はガキばっかだ、というのは、別に昔からそうなんじゃないの、としか思われません。日比谷高校(こだわるね)にいく家庭の子の環境は、一般論では語れませんよ。あと、バカ私立の学生さんでもみんなそれなりに常識はあります。「いや、ちょっとまてや」、みたいに言いたくなることもあるけど、そりゃ東大生と話したってそうだし。

教養のある天才と、頑張った秀才の越え難い壁ってのもいつもの話だし。日本が階層化してるのは、わかる気がするけど、むしろ戦後の行動成長がもたらした「無限の未来」幻想が生み出したものであって、戦間期とかに売り払われた農村の子供と当時の帝大生とかの差見たいのが復活するにはかなりかかるんじゃないですかね。

最近の内田氏のブログにもあったような気がするけど、若い人と話すには話題の取り上げ方が重要ってだけな気がします。だって、世代間格差って、国籍とか地域差よりも大きい場合がたびたびですからね。

ま、たぬきにゃ関係ないっこってす。

読書メモ(中途)

現在読んでいる本。先週木曜で中断しっぱなしだなー。
読んだところまでメモを残します。

比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)

比較経済発展論―歴史的アプローチ (一橋大学経済研究叢書)

第一章:生活水準の比較史
 最近はやりの比較経済史(ポメランツとか)
 →マルサスの昔から。その回顧。
 →問題は「大分岐」の実際! 「近世」に鍵

第二章:分業と市場と成長
 マルサス的な人口増加=貧困=人口調整ではなく、人口の増加は分業をもたらし、さらに経済発展をもたらすという見取り図。
  

第三章:生活水準の異文化間比較
 一人当たりGDP、実質賃金。
 結論はロンドン(+アムステルダム)だけは特別。それ以外はそれほど目立つ差異があるわけではない。

※ここまでの感想
 人口増加→貧困というのは、食糧生産がすべて、という前提の場合。食糧供給が外部条件になれば、スミス的分業論になるというのはわかるが、条件が変容しているのがミソでは?
 あと、実質賃金の多寡を洋の東西でうんぬんしてもあまり意味がないような気がする。絶対量で比較するのは無理だわ。ただし、それぞれの変動を見るのには極めて有益な気がします。ロンドンすごい、というのは賛成。
 
ところで、途中までしか読んでいないのにアレなんですが、この本は梶谷先生のブログで見たんですけど、外部に巨大な需要があれば、中間材製造に関わらず、利益率(あるいは生産性さえ)を限界ギリギリまで削って、競争を繰り広げていくというのは、結構当たり前の結論のような気がします。ま、大事なのは莫大な外部需要があるという前提で、国内需要をアテにした開発主義の時代と時代が違うというのは間違いないのでしょうなあ。
しかし、日本の高度成長は莫大な対外黒字の成長と同歩だったんだと思います。その意味で、今の中国の産業はやっぱり日本が昔来た道、ということなのかもしれないですね。

全く話は変わりますが、今や日本は技術大国・イノベーションしまくりなイメージですが、これっていつ頃からなんですかねえ。そんなに昔の話ではない気がしますけど。戦後長らく、日本製品はやっぱり安い(その割にしっかり)のイメージだったはずです。これは日本経済の自画像の在り方にもかかわるんだと思いますが。

続きは木曜まで読めないかなー。

思ひ出

たぬきには昔、可愛い弟がおりました。
黒くてデッカイ黒ラブでした。兄によく似てバカでした…。

彼はもう七年も前に、七歳で皮膚の腫瘍から転移したと思しいガン(リンパ腫?)で死んでしまいました。
最後の瞬間をよく覚えています。早朝、虫の息の彼の隣りで、力尽きていた私と母に最後の力であいさつをして、逝きました。

BSテレ東で、何日か前に黄ラブの(故)まさ夫の映像を流していました。うちの弟が思い出されて、泣きそうになりました。

あと、我が家においてあった「ベルナ物語」という本をパラパラみて、やはり泣きそうになりました。あかん、犬が死ぬ話はあかん!『存在の耐えられない軽さ』も、犬が死ぬ話としてしかレコグナイズしとらんのや!(あれ、恋愛小説なん…?)

盲導犬ベルナ物語

盲導犬ベルナ物語

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)



だめな兄貴だったなあ…。ごめんね、るー。
森羅万象死んだら終わりや、と信じていますし、この世の関係はこの世だけとわかっちゃいますが、それでも死後の世界があって、彼の耳の後ろをガシガシしてやりたい、と思います。

…ごめん、父さん、犬が先だわ(笑)