蜜柑のプロジェクト【The_Project_of_MIKAN:MIKAN_is_orange_and_”incomplate”】(読書ネタ)

2007-11-02

[][]佐藤卓巳『「キング」の時代』岩波書店


『キング』の時代―国民大衆雑誌の公共性

『キング』の時代―国民大衆雑誌の公共性



読みますた・・・。

雑誌的なるものがラジオ的性格とトーキー的性格を包摂し、日本全国にリゾ

ーム状に広がって行き、国民を統合・動員していったさまについて。

戦前、戦中においても公共的なものはあったとする。


戦前と戦後の断絶はメディア論的にはない。

メディア環境における断絶がないからなのだ。



■まとめ

『キング』(1925-1957年)の時代は、まさにラジオとトーキーとともに大

衆雑誌が国民文化を担った「雑誌の黄金時代」に担当する。それはまた、高

度国防国家から高度経済成長まで続く「総力戦と現代化」の時代であった。

ラジオ的かつトーキー的な国民雑誌は、読者の「階級」「世代」「性差」に

よる利害対立を「国民」という抽象性の高い次元で解消し、個人の主体性

自主性をシステム資源として動員することを可能にした。この帰結というべ

きだろう、総力戦を通じて「大衆の国民化」を達成したシステム社会の国民

的公共圏で、雑誌メディアの機能は大きく変化したそれまで同調機能を期待

されていた大衆雑誌は、社会の絶え間ない流動化を維持する細分化機能を全

開させればよくなったのである。すなわち、大衆雑誌は「雑誌的メディア

のままでよく、「ラジオ的・トーキー的国民雑誌」である必要なもはやなか

ったのである。

(p.426)

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