水について。まだまだ一般常識の範疇。
水の状態変化と潜熱
水の状態変化の名称
潜熱と顕熱
- 潜熱:水が氷、水、水蒸気と相変化するためには温度変化以外の熱が別途必要となる。これを潜熱と呼ぶ。
- 値:厳密には物体の温度により変化するが、気象学の範囲では0℃の値で代用しても差し支えはない。1kgの水について、融解熱は0.3×10^6J、蒸発熱は2.5×10^6J、昇華熱は2.8×10^6J。
- 顕熱:温度変化にかかわる熱を顕熱と呼ぶ。
- 総潜熱量を定圧比熱と大気質量の積で割ることで昇温量が分かる。
大気中の水分量の表現方法
水蒸気密度
ある気温の単位体積大気中に含むことの出来る水蒸気の質量を飽和水蒸気密度と呼ぶ。
飽和水蒸気密度に対する現在の水蒸気密度の比を相対湿度と呼ぶ。
混合比
湿潤空気に含まれる水蒸気質量と乾燥空気質量の比。
近似的に求める方法として、水蒸気圧をe、湿潤空気の圧力をPとして、
というものがある。0.622は水蒸気の分子量と乾燥空気の分子量の比である。
混合比は潜熱の発生・吸収を伴わない断熱変化では保存される。例えば、風船を上空へ持ち上げると大気圧が下がるので膨らむが、風船内部の空気と水蒸気の質量比は変わらないので混合比は一定に保たれている。
比湿
湿潤空気に含まれる水蒸気量と湿潤空気質量の比。
混合比とほとんど変わらないが、比湿をq、混合比をrとして
の関係にある。
露点温度
圧力一定の元で未飽和の湿潤空気を冷やしていった時に結露を始める温度。
定圧の状態では露点温度は変化しないが、気圧が下がると飽和水蒸気圧が少し下がるため露点温度もやや降下する。
湿数
気温と露点温度の差。
気象学では湿数3℃未満の空気を「湿潤域」と呼び、湿った空気の目安とする。