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Mozilla Flux RSSフィード

2009-11-11

Webブラウザのセキュリティ問題を考える上での鉄則

ITmedia エンタープライズ『脆弱性が最多のブラウザはFirefox――Cenzic報告書』に注目が集まっているようだが、脆弱性の数だけを問題にする風潮には違和感を覚えるので、基本的な点をおさらいしておこう。

まず、Webブラウザの脆弱性は、公開されてはじめてカウントされる。公開するのは、開発元のこともあれば、外部のセキュリティ研究者のこともあるが、コードをよく知っている開発元が積極的に脆弱性について調査・公表すれば、カウントは増える。逆に、外部から指摘されるまで公開しない開発元の場合、脆弱性の数は見かけ上減る。しかし、それは潜在的な危険性の低さを何ら意味しない。

次に、Webブラウザの脆弱性は、危険度の高いものから低いものまでさまざまだ。脆弱性の数が少なくても、危険度の高いものが繰り返し発表されるなら、設計のどこかに大きな欠陥があるのかもしれない。他方、危険度の低い脆弱性が多いのであれば、数の見かけほどは脅威でないことになる。

それから、Webブラウザの脆弱性は、公開から修正までどの程度の時間がかかったかも考慮しなければ、正しく評価できない。パッチが出るまで数か月も放置されるようでは、脆弱性を悪用するコードが出回るのを許すことになり、ユーザーにとって危険極まりない。また、パッチの提供ルートも重要だ。自動アップデートが行われるならいいが、ユーザーがファイルをダウンロードしてパッチを当てるとなると、実行しない人もたくさん出てくるだろう。安全性の面からは、もちろん自動アップデートが望ましい。

最後に、Webブラウザの脆弱性は、シェアの高いブラウザほど攻撃の標的になりやすいこともあり、研究者を含めた第三者から脆弱性を発見されやすい。ユーザーが多いほど脆弱性を突いて攻撃したときの効果も上がりやすいわけで、こうした事態は避けがたい。

Firefoxに関していえば、Mozillaが脆弱性を精査して積極的に公開しており、約25%のシェアを有しているので第三者のチェックも厳しい。重大な脆弱性が発見された場合は、特別のスケジュールを組んで、数週間以内にセキュリティアップデートを実施しており、もちろん自動アップデートで差分が提供される。

その意味で、安全性にきちんと配慮されていることは疑いがない。あとは、危険性の高低の問題だが、これはそれこそ専門の研究者が評価すべき点だろう。報告を出したCenzicは、企業向けのセキュリティサービスを手がける米国の会社らしいが、脆弱性の数に危険度を掛け合わせた総合評価をなぜ発表しなかったのか。セキュリティ問題を考える上での鉄則を踏まえないようでは、報告の信憑性にもかかわるというべきだ。

fcpfcp 2009/11/11 07:57 「どのブラウザーが安全か」という問いにはいろいろな要素が絡んでいて簡単には答えを出せないものです。公表された脆弱性の個数から安全性について何か判断できると思うのはよくわかっていない人だけでしょう。脆弱性の個数を数えて「Mozilla Firefox Found Most Vulnerable Web Browser」とか言っちゃう人がいるのは困りますね。

>もちろん自動アップデートで差分が提供される
Firefox の場合、実行ファイルのあるディレクトリーに書き込む権限のあるアカウントで Firefox を起動しないと更新は適用されないし、更新があること自体通知もされません (bug 318855 と bug 407875)。ご注意を。
Firefox の現在の自動更新の仕組みは、ユーザーがどう使うことを想定しているのか、僕には理解できません。僕は普段 Windows を標準ユーザー (Program Files 以下には書き込めない) で使っていて、メーリングリストで更新の情報が送られてきたら管理者権限で Firefox を起動して更新していますが、こんなことを多くのユーザーがしているとはちょっと思えません。

masamasa 2009/11/11 13:26 マイクロソフトは、DoSと同等の影響しか与えないような性質の任意単なるcrashを「安定性の問題」と呼んでセキュリティバグと区別している点にも注意が必要ですね

RockridgeRockridge 2009/11/15 00:38 コメントありがとうございます。

fcpさん

> Firefox の場合、実行ファイルのあるディレクトリーに書き込む権限のあるアカウントで Firefox を起動しないと更新は適用されないし、更新があること自体通知もされません

Bug 318855のコメントを見ると、Opera 10は管理者権限がなくてもアップデートできるようですね。Firefoxでもそうした形になることが望ましいことはいうまでもありませんが、修正は簡単ではないようなので、Firefox 3.7を待ちましょう。

masaさん

> マイクロソフトは、DoSと同等の影響しか与えないような性質の単なるcrashを「安定性の問題」と呼んでセキュリティバグと区別している

そんなことをしているとは……。脆弱性を少なく見せようとしていると思われても仕方ない振る舞いです。

masamasa 2009/11/15 19:36 あと、IEでは「機能自体が無い」という理由でセキュリティバグが無い箇所もかなり多いです。あと、単なるcrashはFirefoxでも場合によってはセキュリティバグと別扱いですね(3.5.5とか)

RockridgeRockridge 2009/11/15 22:53 > 単なるcrashはFirefoxでも場合によってはセキュリティバグと別扱いですね

そうですね。それでも、影響が大きければ緊急でアップデートするわけですが。

最初にいただいたコメントは、第三者がWebページに意図的にクラッシュを引き起こす何かを仕込んである場合に、実際にクラッシュが起きても、Microsoftはセキュリティホールとは認めないという趣旨だと理解しました。それはさすがにまずいと思うんです。

fcpfcp 2009/11/20 09:00 お返事ありがとうございます。管理者権限なしで更新できるのが本当に良いかどうか、実はよくわからないのですが、何らかの対処は必要だと思います。おっしゃる通り、 Firefox 3.7 で対処されることに期待ですね。

ところで、驚いたことに、長らく動きがなかった bug 407875 (管理者権限がないと更新の存在が通知されない件) について、ここ 2、 3 日で動きがあって、 Firefox 3.6 で修正されるようです。
それ自体は歓迎したいのですが、どう修正しても誰かが不幸になるのが問題だったはずなのに (例えば会社内の IT 部門の方針によっては、管理者パスワードを知らない人に更新がある旨知らせても邪魔なだけで役に立たないとか)、リリース前のこの時期にいきなり修正を入れてしまって本当に大丈夫なのか、逆に心配になっています。
どう修正されたのかまだ理解していないので、杞憂かもしれませんが。

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