2012-01-01
Firefox 12・13でシステム要件の見直しへ
mozilla.dev.apps.firefoxのスレッド『Firefox Support for Windows 2000 Coming to an End』において、Firefox 13から、Windows版に関し本文に記したとおりシステム要件の変更を行うと発表された。Firefox 12での変更は見送られた形だ。Mozillaの調べによると、この変更で影響を受けるユーザーは全体の0.4%だという。なお、Firefox 13 Nightlyは当初からMicrosoft Visual C++ 2010でビルドしたものが提供される予定である。
Firefox 12あるいは13でシステム要件が見直され、Windows版ではWindows XP Service Pack 2以降が対象になりそうだ。また、Mac版でもMac OS X v10.6(Snow Leopard)以降を対象とする方向で話が進んでいる。Firefox 9のシステム要件と比較すると、Windows 2000、XP無印、XP SP1そしてMac OS X v10.5(Leopard)が対象から外れることになる。
Windows版はFirefox 12からの見通し
先に要件が変更されるのはWindows版で、Firefox 12(2012年4月24日ころリリース予定)から実施される可能性が高い。実はこの話題、当ブログで2年半以上も前に『Firefox.nextのサポート対象はXP SP2以降となる見とおし』という記事として取り上げたことがある。その後、Firefox 4でも要件が維持される一方、XP SP2のサポート提供が終了した。ただ、今回の変更では、XP SP1以前ではFirefoxの起動すらできなくなる点に注意が必要だ。
Windows版のシステム要件が変わるのは、ビルド環境がMicrosoft Visual C++ 2010に移行するためである(Bug 563318)。Microsoft提供の文書によると、Visual C++ 2010 C/C++のランタイムはWindows XP SP2で導入されたAPIに依拠しているため、このランタイムを使用するプログラムはXP SP1以前のOSでは動作しない。
それでも、2011年12月下旬、MozillaでPlatform Engineering部門のDirectorを務めるJP Rosevear氏が、Firefox 12からビルド環境をVisual C++ 2010に移行してはどうかと提案しているところをみると、メリットのほうが大きいとの判断があるのだろう。そのメリットの1つはパフォーマンスアップである。他にも64bit環境にインストールすることで4GBの仮想メモリにアクセスできるようになるとか、従来のVisual C++ 2005に合わせた修正が不要になるといった消極的なメリットもある。
上記の提案の裏で、準備は着々と進行中だ。2011年11月下旬の時点で、既に基本的なテストは終えた。また、同年12月上旬には、アップデート機能を利用する際、OSのサービスパックのバージョンをチェックする仕組みがFirefox 9に投入された(Bug 668436)。あとはコンセンサスが形成されるのを待つばかりだ。
影響を受けるユーザーの数はさほど多くないとみられるが、該当する場合、ユーザー側の対策については悩ましい問題がある。Firefox 12でシステム要件の変更が実施されると、Firefox 11に対するアップデートが提供されなくなるわけだが、企業ユーザー向けの延長サポートリリース版(ESR版)を使用するにしても、現在のところ最初のESR版はFirefox 10がベースになる見込みだ。つまり、Firefox 11が登場した時点(2012年3月13日ころリリース予定)で、ESR版に切り替えるのか、それともいったんアップデートした後でダウングレードするのかを決めねばならない。検討の猶予はあまり残されていない。
Mac版はFirefox 13からの見通し
Mac版のシステム要件の見直しは、mozilla.dev.planning『Discussing Mac OS X 10.5 Support Plans』で議論されている。MozillaのJosh Aas氏は、Firefox 13(2012年6月5日ころリリース予定)でMac OS X v10.5(Leopard)をサポートから外すことを提案している。
その理由は、Mac OS Xユーザーのうち10.5ユーザーの占める割合が2011年11月8日現在24%で、毎月1〜2%ずつ減少していること、Appleが比較的迅速に新バージョンをリリースしている上、各バージョンで変更された部分も大きいのでサポートコストを抑える必要があること、10.5ユーザーは既にWebGLなどFirefoxの機能の一部を使えない状態にあること、そしてAppleが10.5のサポートを停止したことの4点だ。
Aas氏の提案に対しては当然反対意見も出ているが、説得力のある根拠が示されない限りこの提案が通ると思われる。かつて当ブログで『Firefox.nextはMac OS X 10.4もサポートから外す方針』という記事を書いた。Firefox 3.5の次のバージョンでMac OS X 10.4をサポートから外すという話題で、このときもAas氏の提案が発端になっていた。結局10.4をサポートしなくなったのはFirefox 4からであり、3.6ではなかったものの、高速リリースサイクルを採用して新機能をスピーディーに提供する方向にシフトしたMozillaは、どういう選択をするだろう。最新版のサポートコストは減らして、そこから生じる問題はESR版で解決しようとするのではないか。
影響を受けるユーザーの対策については、Windows版と同様の問題がある。ESR版との差がより開く分、Firefox 11がリリースされたときの判断はより難しいものとなろう。
2011-11-20
アドオンの互換性チェックを原則廃止するFirefox 10
Mozilla Add-ons Blogにて予定どおりFirefox 10からこの措置が実施されるとの発表があった(『Add-on Compatibility for Firefox 11』)。対象となるのはFirefox 4以降に対応した拡張機能で、バイナリコンポーネントを含むアドオンや、テーマ、辞書、言語パックは対象外となる。
Firefoxの高速リリースサイクルに対する一般ユーザーの不満で最大のものは、バージョンアップ時にアドオンが使えなくなることだろう。Mozilla Add-ons(AMO)が登録されているアドオンをチェックし、互換バージョンを自動的に更新するなど、ある程度の対策は施されているが、更新の対象にならない登録済みアドオンも当然存在する。そして、未登録のアドオンに対してはAMOも手の打ちようがない。
Firefoxユーザーの85%が何らかのアドオンをインストールしているという。そのユーザーのうち何割かが、アドオンの互換性がないことを嫌ってバージョンアップをしなかったり、いつまでも互換性を得られないことに失望してFirefoxの利用をやめたりすれば、定着しつつある高速リリースサイクルを根底から揺るがしかねない。
そこで、Mozillaは、原則としてFirefoxによるアドオンの互換性チェックをなくすことにした。Blair’s Brain『Solving Firefox’s add-on compatibility problem』とMozillaWikiのFeatures/Add-ons/Add-ons Default to Compatibleに詳細が記されている。具体的には、Firefox 10(2012/01/31リリース予定)から、extensions.strictCompatibilityのデフォルト値がfalseになり、メジャーバージョンが上がっても、原則としてアドオンが自動的に無効化されることはなくなる。
もちろん、一切の例外なく互換性のチェックを外してしまうと、Firefoxの動作の安定性を保てないし、アドオン作者の意思に反する場合も出てくる。なのでいくつかの例外を置き、該当する場合は従来どおりアドオンを無効にすることになった。現在設定されている例外の内容は次のとおりである。
- アドオン作者がアドオンのinstall.rdfにおいて従来どおりの互換性チェックを求める設定をしたとき
- AMOのテストで互換性なしと判断されたとき
- アドオンがバイナリコンポーネントを使用しているとき
- アドオンが非常に長期にわたってアップデートされていないとき(Firefox 4またはToolkit 2.0と互換性があるかどうかがその基準)
- アドオンが将来のバージョンのFirefoxとのみ互換性があると宣言しているとき
残念ながら、Firefox 3.6までにしか対応していないアドオンは上記の例外に当てはまる。とはいえ、絶対数は多くないはずだ。また、バイナリコンポーネントを使用するアドオンの代表格として、セキュリティスイート(ウィルス対策ソフト)に付属するツールバーが挙げられる。しかし、これも企業が提供しているアドオンであれば、新バージョンのリリース時期に合わせて更新される可能性が非常に高い。Firefoxのシェアを考慮すれば、ユーザーが競合製品に流れないようにするのが、メーカーにとって合理的な行動になるからだ。
おそらく、今後AuroraチャンネルやBetaチャンネルで議論になるのは、「AMOのテストで互換性なしと判断されたとき」というケースだろう。今回の新機能を実装済みのNightlyビルドで試してみたところ、筆者が常用している15のアドオンのうち、5つが無効のままだった。クラッシュなどを避けるため必要な措置ではあるのだが、ユーザーに中途半端な印象を与えることも確かだ。
ユーザーの不満への対処として、また、(Google Chromeのような)自動アップデート採用に向けた布石として、今回の新機能は評価できる。しかし、大々的に宣伝してユーザーに過剰な期待をもたせるのは避けたほうが賢明だろう。
2010-01-22
Firefox 3.6正式版がリリース
当初の予定からすると2か月以上の遅れではあるが、ついにFirefox 3.6正式版がリリースされた。Mozilla JapanのWebサイトからワンクリックでパッケージをダウンロードできるようになっているほか、各国語版と各OS対応版のダウンロードに関しても、ローカライズされたページが用意されている。
リリースノートによれば、コンテンツの表示速度、動作の軽快さ、安定性、セキュリティなど、すべての面でグレードアップしており、総合的に評価して過去最高のFirefoxであることは間違いない。とくに、随所に動作の軽快さを高める改良が施されている点は特筆に値するだろう。
世界規模では、Real-Time Firefox Download Statsによれば本記事執筆時点で既に150万件以上のダウンロードが行われている。これを読まれているあなたも、ぜひ。
2010-01-21
Video: "What's New in Firefox 3.6"
Mozilla Links『Firefox 3.6 in 2 minutes video, by Beltzner』より。開発総責任者のMike Beltzner氏が、2分10秒のビデオでFirefox 3.6の新機能などについて語るもの。全編英語だが、絵を見ているだけでも楽しめると思う。
2010-01-20
Firefox 3.6のリリースは日本時間の1月22日2:00AMを予定
Releases/Firefox 3.6 - MozillaWikiより。いよいよ、Firefox 3.6が正式版になる。米国太平洋標準時(PST)で1月21日9:00AMというから、日本時間だと1月22日2:00AMだ。
RC2がリリースされてからわずか4日。正式版への移行を阻むバグは見当たらなかったらしい。正式版とRC2の中身は同一だが、アップデートのチャンネル設定には注意されたい。
MozillaがFirefox 3.7 Alphaのスケジュールを検討中
Platform/2010-01-19 - MozillaWikiより。Mozillaは、「When do we need a 3.7 alpha?
」として、Firefox 3.7 Alpha版がリリースされることを前提に、そのスケジュールを検討している。
マイコミジャーナル『Firefox 3.7を撤回、マイナーアップデートで繰り返し機能追加』との報道もあるが、Firefox 3.7はなくなっていない。ちなみに、MozillaのAlexander Limi氏は、Firefox 3.7のスケジュールに言及したCNET Japan『「Firefox 3.6」と「Lorentz」--モジラの新たなリリース戦略』の原文に対し、「gets it right」(状況を正しく理解している)と評価している。
速報:Firefox 3.6のリリース予定日が前倒し
Platform/2010-01-19 - MozillaWikiより。Mozillaは、米国時間の1月21日または1月25日をFirefox 3.6正式版の新たなリリース予定日とした。従来は26日だったから、多少の前倒しになる。
Blockerバグ候補のレビューは毎日行っているとのことだが、それでも前倒しということは、RC2の製品としてのクオリティに自信があるのだろう。




