2011-09-14
議論に強い人の3つの特徴/あいつは幼稚だと言われないために。
冗語 | |
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議論の目的は「勝つ」ことではない。
相手を言い負かして自論を押し通すなんて、そんなのただのワガママだ。ゲームじゃないんだから、議論に勝ち負けなんてない。
では、議論の目的とは何だろう。
それは、知見を深めることだ。お互いの持っている知識を開示して、交換すること。お互いの不備を指摘しあって、双方が納得できる「真実」にたどりつくこと。それが議論の目的だ。これは金銭的な利害が絡む場合でも同じだ。お互いの妥協点を見つけるのが目的であって、言葉を武器に相手の息の根を止めることではない。
したがって、相手を論破するだけでは議論に「強い」とは言えない。ほんとうに議論に強い人とは、お互いの利害を勘案した「最適解」を見つけられる人のことだ。
そういう「真に強い人」には、どんな資質が必要だろう。
少し考えてみたい。
◆ ◆ ◆
1.好奇心があること
議論に必要なのは、相手の主張をいったんは受け入れる心の広さだ。議論とは、お互いの知識を開示しあう行為である。相手がどんな意見を出してくるのか、わくわくしながら待ち構える。そんな知的好奇心が必要になる。
先日、近所のマクドナルドでお昼ごはんを食べていたら、隣席にカップルが座った。彼らの会話がすさまじくて、私は思わずマックシェイクを鼻から噴き出しそうになった。
「最近、あたし『美男ですね』にハマってるんだ」
「なに、それ」
「韓流ドラマなんやけど――」
「知っとる? 韓流ブームってフジテレビの陰謀なんやで」
「は?」
「フジテレビの株主には韓国の資本がいっぱいいてな……」
「ち、ちょっと待って。××くん、韓流ドラマは見たことあるん?」
「なんや、俺の言うこと信じられへんのか」
「せやなくて……」
「まあ、○○(彼女の名前)は専門卒やからな、こういう話は苦手やろうけど(以下略」
そのままケンカに発展したのは言うまでもない。最終的には男の子のほうが席を立ち、さっさと店を出て行ってしまった。「もう、なんやの!」と言いつつ彼を追いかける女の子の姿が印象的だった(というか、まるで××くんの母親のように見えた)。
たぶん女の子のほうは、自分の好きなコンテンツについて共感を求めたかっただけなのだと思うし、「面白いコンテンツとはなにか」「どうしてラブコメが流行るのか」などの論点から「議論」することもできただろう。議論は何も科学や政治の世界にだけ許されたものではない。私たちの日常会話の様々なところに「議論」は顔をのぞかせる。自分の発言をちょっとだけ注意してみて。きっとあなたも「議論」をしているから。
ここでは男の子にあと少しの好奇心があれば、きっと議論が噛み合って、もっとお互いについて知ることができたはずだ。××くんは自分の興味はいったん脇において、彼女が好きだという韓流ドラマに好奇心を示すべきだった。知的好奇心が足りないと、文字通り「議論にならない」
2.感情的にならないこと
反論されると、誰だって多少は腹が立つ。自分の人間性まで傷つけられた気分になるからだ。もちろん人格攻撃はもってのほかだし、冷静で知的な反論ならば、あなたを傷つける意図は無いはずだ。相手の言葉にいちいち感情を高ぶらせる人は、やはり議論ができない。
先ほどのカップルの会話は、その点でもいい実例になる。
「ち、ちょっと待って。××くん、韓流ドラマは見たことあるん?」
「なんや、俺の言うこと信じられへんのか」
この部分。彼女は現状確認をしているだけだ。韓流ドラマを見たことがあるのか、ないのか。事実の確認を取ろうとしているにすぎない。
ところが彼氏の側は、それを反論だと捉えてしまったのだな。「見たこともないコンテンツにケチをつけるな」という裏の意図があるのだと、勝手に勘違いした。行間を読みすぎである。その結果、感情的な返事をしてしまった。
当たり前だけど、すぐに感情的になる人は議論に弱い。本当に強くなりたいのなら、紳士的な態度を心がけたい。
3.どんな人の意見も等しく尊重できること
何か「意見」を聞いたとき、私たちは意見の内容よりも、それを「誰が言ったのか」に心を奪われがちだ。えらい大学の先生の意見なら、ろくに正しさを検証せずに信じてしまう。一方、なんだか「いやなヤツ」が言ったセリフは信じられないし信じたくない。そんな単純な心理を私たちは持っている。
しかし、幼い子供がするどい意見を言うなんてのは、よくある話。あなたが取るに足らないと思っている人が、思わぬ金言を漏らすかも知れない。意見や主張は「内容」で判断するべきで、発言者の属性とは切り離したほうがいい。
先述のカップルの会話では、男の子はこの部分でも間違いを犯している。
「まあ、○○(彼女の名前)は専門卒やからな、こういう話は苦手やろうけど」
学歴による決めつけだ。そりゃあケンカになって当たり前だよなあ。
ただ、発言と発言者の属性とを切り離して考えるのは、人間という生き物にとって本当に難しいことのようだ。あなたも一度は耳にしたことがあるんじゃないかな。「ガキのくせに」「女のくせに」なんて枕詞(まくらことば)、このあとには「生意気なことを言うな」と続く。私の場合、とくに初めて「女のくせに」という言葉を聞いた時はのけぞった。高校生のころだ。そんなセリフを吐く人が実在するのか! と、ただ目を丸くしていた。
社会人になった今なら、そういう人は意外に多いと知っているけどね。
◆ ◆ ◆
議論の目的は、相手を言い負かすことではない。ワガママを押し通すことでもない。お互いの知識を出しあって、間違いを指摘しあい、正しい意見を受け入れて、まだ見ぬ「真実」に到達することだ。それが議論をすることの意義だ。
つまり「議論に強い人」とは、相手を論破できる人のことではない。もちろん論破しても構わないんだけど、大事なのはその後、その後。お互いの利害関係を整理して、双方の納得できる最適解を見つけ出せる人。それが真の意味で「議論に強い人」である。
議論に強い人には、三つの資質がある。
1.好奇心があること
2.感情的にならないこと
3.どんな人の意見も等しく尊重できること
要するに一言でいえば「大人になれ」ってことなのだろう。ずぅっと子供でいたいピーターパン症候群患者の私だけど、こういう部分だけは大人でありたいな。
フィンランドの5年生がまとめた議論のルールが凄い -タケルンバ卿日記
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20081028/p1
空気読みで成り立つ国では無用の論理弁証能力 -狐の王国
http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20081022/1224630401
ディベートは 楽しくするもの したいもの -Life is beautiful
http://satoshi.blogs.com/life/2005/12/post_9.html
ドイツ人「日本人はエリート大学生でも議論ができない。主体性が無い。終わってるわこの国」 -秒速ニューろぐ
http://newslog2ch.blog8.fc2.com/blog-entry-1036.html
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議論に際してはこれこれのことに気を付けるべし、というふうにスタティックな情報として伝達できる種類のことがらではない。
スポーツの練習に先立ち「歩くこと」を知ってるか?というようなもので、身についてる人は意識するまでもないし、そうでない人に「歩くこと」の辞書的な定義を言って聞かせても意味がない。また泥縄で身に着けられるようなことでもない。
ところで「3.どんな人の意見も等しく尊重できること」とはつまり「知的好奇心に乏しく」「すぐ感情的になり」「ただ『議論』に勝ちたいがために」「他人の意見は尊重せずに」迫ってくる人とでも、メセンを合わせてお話できるということだ。
徒手空拳で、ただ対話を通して相手のレベルを引き上げてやれるということである。その気になれば天下をとれる能力だろう。
それから、利害関係を調整して云々というのはここでいう「議論」とは違う、ネゴというもんで、まったく話が混乱している。属人性を排除した利害交渉なんかあるわけないじゃん。