2007-11-11 (Sun)
ツールドおきなわ市民200 レースレポート
レース |
1年前の市民200は10位でフィニッシュ。二度目の普久川ダムの上りで自分が入れなかった先頭集団との実力差は大きかった。けど一方1年間かけても埋まらない差だとは決して思わなかった。必ずこのレースでいつか勝ちたい、いや勝つ、と決心した。
そして2007年、ゴールまで5kmを切って後続とは1分15秒差で勝利を確信。ゴールが近づいてくる。道路は全面交通封鎖で沿道にはかなりの数の観客。優勝シーンで目立つように、とウェアサプライヤーの2XU のロゴが胸に大きく入ったジャージを着た甲斐があった。ずっと続けばいい、と思える至高の瞬間は長くはなかったが、この瞬間の為に1年間がんばるに十分値する、本当に素晴らしい瞬間だった。
ヒルクライムレース、ロードレースは日本全国で年間かなりの数が開催される。カテゴリー分けが明確にあるわけではないが、勝手にヒルクライムなら『乗鞍』、ロードレースなら『おきなわ』こそが最高峰であり、そこで勝つのが一番カッコイイと信じている。だからこのレースに対する思い入れは半端ではなかった。夏以降いくつかのレースに参戦し徐々にコンディションが上がっていき、レースに向けて集中力も高まってきた。レース前は(自己暗示の意味もあり)『絶好調だ』と言えるまでになり、自信もついた。自分にも勝つチャンスは必ずあると思いスタートラインへ。
(おそらく)参加人数最多であろうチームO-vestが序盤から仕掛けるらしいという話があり、そのBossである西谷選手を逃がして後悔したくなかったので半島を周る序盤の動きにも神経を使いチェックする。その為に190kmのレースにもかかわらず20分近くウォーミングアップをしていた。
極力無駄脚を使いたくないので有力どころが複数名入ったのを確認してはダッシュして追いついた。自然とその逃げが決まれば便乗するが、自分としては後半で勝負と思っていたので積極的には逃げたいわけではない。そんななかスタート後1時間くらいでようやく4名の逃げが決まる。要注意人物の島田選手(O-vest)が入っていたが、最後まで逃げ切れる面子ではないと思ったので、見送る。ここまでにできるだけ固形物の補給食を食べて後半備える(パワーバー1.5本)。
向かい風の中差はあっという間に4分台に開き一回目の普久川ダムの上りに突入。やはり西谷選手、昨年優勝の武井選手(FORZA!)、2004年優勝の白石選手(シマノドリンキング)が強い。かなりきついながらもぎりぎり遅れないで頂上を通過。
他の強豪選手を振り切って自分が優勝する、と思い描いていたシナリオはここで完全に崩壊。ライバル達は自分が想像していた以上に強く自分はそれに対して攻撃するどころか着いていくのが精一杯だった。しかし今回は色々な人に応援してもらって、自分でやると決めたはっきりした目標を持って練習してきたんだから諦めるわけにはいかない。我慢して我慢して集中して集中して、絶対に諦めなければチャンスは訪れると信じて弱気の虫を封じ込める。
頂上では10人ほどに絞られたが、奥に向かう下りでどんどん集団はふくらみ50人ほど(?)の大集団に。そこから二度目の普久川ダムの上りまではまったりと進む。上りではインナーギアにして集団中ほどに紛れて脚を貯める。先頭島田選手は独走になっており、さすがに強風の中ペースは落ちたようだ。まったりと進む大集団との差が縮みだしたのでこれで少し安心。さらに固形の補給食を食べ後半に備える(パワーバー0.5本)。きついきついラスト70kmの勝負区間ではゼリーを摂るくらいにしておかないと。
二度目の普久川ダムの上りも1周目と同様にペースが上がり人数が減っていく。1周目よりも慎重にしかし絶対に先頭から遅れないように我慢の走り。ペースを上げて揺さぶりをかけるのは西谷選手、武井選手、白石選手の歴代優勝者3名。頂上では8名に。島田選手は1周目と2周目の分岐点過ぎで吸収。いよいよ私が昨年入れなかった"強者集団"の勝負に。ここで再びまったりとさせたくなかったので、下りでガンガン飛ばす(ブレーキ使わず脚使わず)。下りきったところで自分含む3名と後ろとの間に2-3秒の差が開く。二度目の普久川ダムを超えてきつくない選手なんているわけがない、ここで緩めずきついきつい勝負に持っていこう、と冷静に考えたわけではないが身体が勝手に動いたのは"ロードレーサー"の本能か。高江までのアップダウン区間の最初の一番きつい上りに速いペースで突入。頂上まで緩めずアウターを踏み続けると6人に絞られる。優勝経験者3名、武末選手(オッティモ)、岡崎選手(トラクター)、自分。(※結局この6名が6位まででゴール。)
ここからが本当の勝負のアップダウン区間。非常に分かりやすい展開。がんがんペースを上げたい優勝経験者3名とそれになんとか食いつく未経験者3名。ペースが安定せず非常にきつい。白石選手、西谷選手、武井選手の波状攻撃に自分が一番ピンチ。毎回少し遅れてしまうが上りは長く続かないし、集団もアタックのスピードが続かないで必ず緩むのでなんとか後ろにくっつく。もう限界の走りでついには先頭交替も何度かスキップ。このままアタックが続くと間違いなくどこかの時点でついていけなくなるので、上りでアウターギアで自分のペースを作り、ペースダウン&アタックを防ぐ。不思議と一番きついところで守り・弱気にならない自分がいた。
高江を過ぎ、下り基調アップダウンの中ちょっとした上りでももとにかくペースを落とさないようにアタックのかからないだろうスピードで先頭を引いた。すると少し後ろが離れる。ここで後ろを待ったら意味がない。自分のペースで上りをクリア。後続5名はお見合いをしているようなので迷わず踏み続ける。すぐに後続が米粒ほどの大きさになる。後でPOLARで解析した結果、ゴールまで約38kmくらいの地点だった。逃げ切れる可能性なんて考えていなかったが、無理したアタックで飛び出したわけではないので、無理のないギリギリのペースで集中して走る。移動審判車が逐次後続とのタイム差をホワイトボードで教えてくれるのでとても助かる。・・・ってことは後続集団も常に自分とのタイム差を見ながら追走しているのか。。。
海岸線に出て、スプリントポイントを通過して、タイム差は18秒前後。完全に泳がされているが、集団に戻ってのアタック合戦は避けたい。どうせ集団に戻ってもどこかで飛び出しを狙う事になるので、だったら自分から集団に戻るなんて意味がない。『自分が走り続けられるギリギリのペース』で淡々と進む。平地の合間にあるちょっとした上りが難しい。ギリギリで走っているのでもちろん上りを一気に駆け上がるなんてできない。勾配に比して正直にスピードが落ちる。しかし後続との差はむしろ広がっていたので、幸運にもかなり牽制しあっているのかもしれない、と思いひたすら自分を信じて踏み続ける。後で聞いた話、後ろも自分以上にちょっとした上りでペースダウンしていたらしい。やっぱり皆相当脚にきていたようだ。
最後の補給所の上りでは30秒台まで差が広がっている。後は源河だけだ。2日前の試走で決めたとおり48x21T→19Tを踏み通す。上りが長い方が完全に上りの走法に切り替えることができるので、短い上りより走りやすい。上りながら差が40秒、50秒と開いていく。源河を失速せずにクリアできたらもしかしたら逃げ切れるかもしれない、とここで初めて逃げ切りを意識した。そんな希望を抱いてから少しがんばりすぎてしまったのか、頂上300mほど手前でやや失速。ここでさすがに"ギリギリ"を超えてしまい、下りでハムストリングスが攣りそうになり踏めない。まずい。海岸に抜けるまでのちょっとした上り返しでは大失速。上りでは70秒くらいまで開いた差が最後の海岸線で一時52秒まで縮まった。けどもうチョイスはない。ゴールまで全力を出し切るだけ。
幸い"アスリートソルト"を前半から摂取し続けたおかげか、足が完全に攣ることはなかった。10月に変えた深曲がりハンドルのドロップ部をずーっと握り一定のペースで踏み続ける。予想通り風はいい方向。サドルの先端に乗っかることなく腰も安定して48x12-13を回し続ける。ゴール前5kmの最後の上り坂が目に入った時、ようやく勝ったと思った。それも最高の勝ち方で。
ゴール後に聞いたが、西谷選手以外は私を"危険選手"と見てくれていなかったようだ。そんな『ノーマーク選手の無謀な逃げ』にプレゼントされた数十秒の"微妙な"アドバンテージがレースを面白くした。連覇の夢破れた武井選手も毎年優勝争いに絡む西谷選手も、勝利を逃した今年のレースを『面白いレースだった』と言ってくれたのもとても嬉しい。
こんなに全てがうまくいくことは滅多にないが、こんな奇跡みたいな運を呼び寄せるには日頃の努力は欠かせないと思う。自分のしてきた努力はその奇跡を享受するに値したようだ。
同条件でもう一度レースをやってもう一度自分が勝てるとは思わない。西谷選手の強さは普段一緒に練習させてもらう時や実業団小川村優勝でイヤというほど知っていたし、武井選手、白石選手のアタックに何度も勝利を諦めかけた。また3位の武末選手はまだ経験が浅いらしくこれからどんどん強くなりそうだ。昨年トップグループで勝負できなかっただけに、今年見えてきたものは大きい。また来年が楽しみだ。
ロードレースは楽しい。という話で、レース後打ち上げで西谷選手と意気投合した(つもり)。
200mのダッシュ力が一番とか山岳は誰よりも速いとかTTでは一番とか、、、自分はどれにも当てはまらないと思う。しかし我慢すべきところでひたすら耐える、勝負のタイミングを嗅ぎ取る、相手の心を読む、風を読む、、、結果として『ロードレーサー・高岡』が市民ロードレースでナンバーワンになれた。そんなところがロードレースの最大の魅力だと思う。(雨さえ降らなければ)ツールドおきなわはロードレースの魅力を100%味わえる最高の大会だと思う。
| 順位 | 選手名 | 都道府県 | チーム | タイム | タイム差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 高岡 亮寛 | 東京都 | Team 2XU | 5:20:12 (37.47km/h) | 00:00.0 |
| 2 | 武井 きょうすけ | 茨城県 | FORZA・フォルツァ! | 01:34.1 | |
| 3 | 武末 真和 | 千葉県 | オッティモ | 01:34.2 | |
| 4 | 西谷 雅史 | 神奈川県 | チーム オーベスト | 01:34.9 | |
| 5 | 白石 真悟 | 大阪府 | シマノドリンキング | 03:43.5 | |
| 6 | 岡崎 陽介 | 兵庫県 | トラクターRC | 05:07.6 | |
| 7 | 奈良 浩 | 埼玉県 | チバポンズかわぐち農園 | 06:32.0 | |
| 8 | 喜屋武 敬 | 那覇市 | TEAM KIDS | 06:33.7 | |
| 9 | 高橋 聡一 | 大阪府 | シマノドリンキング | 06:34.5 | |
| 10 | 沢本 啓太 | 東京都 | キヤノンBBTプリンス | 06:47.8 |
http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=6948
最後に
- 大会関係の全ての方、
- 勝利→露出度アップ→サポートではなく、目標に向かってがんばっている行為自体に対してサポートを決定してくれたウェアサプライヤーの2XU、
- 平日出勤前2時間60kmという水曜朝練に誘ってくれたSynergyの皆様、
- 2XUを紹介してくれ、目標達成に向けて鼓舞し続けてくれたゴローさん、
- たくさんの練習・遠征に対して理解を示してくれた妻、
皆に深謝いたします。
- 269 http://ime.nu/d.hatena.ne.jp/RoppongiExpress/
- 36 http://a.hatena.ne.jp/doroyamada/
- 24 http://blog.so-net.ne.jp/run-ran-run/2007-11-08
- 22 http://c-au5.2ch.net/test/-/bicycle/1185639478/i
- 18 http://d.hatena.ne.jp/tominoue/
- 17 http://127.0.0.1:8823/thread/http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1185639478/l50
- 16 http://blog.livedoor.jp/shinyama7591/
- 12 http://adano.jugem.jp/
- 12 http://reader.livedoor.com/reader/
- 11 http://ime.nu/d.hatena.ne.jp/RoppongiExpress/200710
優勝おめでとうございます!!
また伝説を作ってしまいましたね。
いやー凄い!!
おめでとうございます。
本当におめでとうございます。
大井埠頭でたまに見かけている(GSのユニの)方が優勝とは・・・(驚)
すごいっ!おめでとうございますぅっ!!!
そしてお疲れ様です、
美麻の活躍観ていました、信濃山形自転車倶楽部の者です。
チームのブログを観て驚きました!
来シーズンは忙しくなりそうですね、
応援しています。
陰ながら応援していました!!
優勝おめでとう御座います。
ホントお疲れ様でした!!
レースレポートを真っ先にアップできずに申し訳ございません。明日には書き上げたいと考えていますので、楽しみにしていてください。これからも宜しくお願いします。
この続きは飲み会で。
読んでいて,ロードレースの醍醐味,楽しさが強く伝わってきました!
乗り始めたばかりの僕にも,たくさんの希望や勇気をもらえた気がします!
どうもありがとうございました!!