「しないの。」

「ねー、ひとつ聞いてもいーい?」
「な、なんでしょう?」
「小泉くんはー……童貞?」


「あはははは。その様子からするとー、やっぱり童貞クンなんだぁー。……じゃあさー、いまここでー卒業しちゃおーか?」
「って、ちょっと。冗談ですよね?」
「本気よー?だいじょーぶ、怖くないからー。お姉さんにまかせておけば、へーきへーき」
「あ、あの!」
「杏子!見てないで、なにか言ってくれよ!」
「え、えっと。なんというか、その……」
「理緒菜だけ、ずるい……。その、私も……祐介と……」


あらすじ

文武両道の学園のアイドル・沢野綾には「バージンロードをバージンで歩きたい」という夢があった。
幼馴染に連れていかれたライブハウスでそんな彼女に一目惚れし、告白した小泉祐介。一旦は彼女の夢のために断られたものの、清い交際なら、ということで成り行きから一緒にバンド活動をすることになった。
そんなある日、祐介は偶然から祖父の作ったモテ薬を誤飲してしまう。この薬のせいで、興奮すると強力なフェロモンを発散して周囲の女性を惹きつけてしまう体質になった祐介。しかしこの効果は肝心の綾には効果が無くて―


軽いぜ軽いぜ軽くて死ぬぜ

『リベンジ×リベンジ』や『おーぷんハート』の鯨晴久の新作…ってもこの人読んだことないのでこれが初だったり。寧ろ今回は絵師に惹かれて購入。…まさか一般向け書籍での起用とは思わなかったんだぜ。
結論からすると、ライトノベルなんだから内容軽くても全く問題無いのではあるが、これはちょっと軽すぎないか…といった感じ。
いや、エロコメで話の重さとか感動とか求めるのも読み手として間違ってるとは思うが、エロとか萌成分までライトってどういうことですか。エロいシチュエーションの数自体は結構あるものの、モテ薬とか使ってるだけに直球・かつ寸止めで雰囲気的にはコメディーの範疇を出ない。川上稔を見習r …キャラクターもメインだと壊滅的に酷い造詣も無いものの、かなりテンプレ気味でパンチ力に欠ける気がした。
殺意が沸くとか不快に感じる言動があるとか、そういった負の部分は断じて無い…のだがそういった部分を超越して最初から最後までスルー気分。「あははーっ。しないの。終わってしまいました」とか一瞬脳裏に浮かんでしまった。「○○が無いよ!」⇒「私が持ってる」、「○○ってどこだよ!」⇒「私が知ってる」等ご都合主義的展開もそれに拍車をかける。ヒロイン救出のシーンのオチとか「お前それで良いのか?」と小一時間問い詰めたい。あれはあれで笑えたのも事実ではあるが。
あ、期待の押絵はカラー、白黒とも良かったですw

■感想リンク■

4894257971しないの。 (HJ文庫)
あぶりだしざくろ
ホビージャパン 2009-01-31