POLY LIFE MULTI SOUL


Zeppダイバーシティ東京CEROのライブ。六本木で見たフリーライブから一ヶ月が経ち、サポートメンバーによって上乗せされたリズム楽器の音がひときわ印象的だった前回を思い浮かべていたが、はじまってみるとワンマンツアーの最終日らしいじつに手堅くしっかりした演奏という感じだった。バンド全体でぎゅっと凝縮された音で、渾然としていながら引き締まった最新型CEROサウンドとして堂々と放出される。ドラム・ベースにキーボード二人分、パーカッション、ギター、ボーカル、そしてフルート、トランペットまで。音の厚みと組合せの多様さ、角銅真実と小田朋美二人の女性を含む分厚いコーラスがすばらしい。単にパワー一辺倒ではなく曲としての深み、謎、混沌、怪しさ、解決し難さを含むところが奥行き的な味わいで効いている。強力に迫力を増した「魚の骨 鳥の羽根」「Buzzle Bee Ride」「Waters」あたりが素晴らしかった。そして最後「Poly Life Multi Soul」これのライブ演奏はもはやはじまる前から良いに決まっていた。後半のハウス的四つ打ちの高揚で場内を包んで、わりとあっさり終わってしまって一旦メンバーが引っ込んで、アンコールになって演奏再開したら再び「Poly Life Multi Soul」の四つ打ちが再開して場内歓喜。全体的にわりとどの曲も律儀に最初から最後まできっちり演奏という感じだったので、もっとダンスミュージック的にずらーっと繋がっていてもいいのに、みたいなことはちょっと思ったかもしれない。