2008 Olympic Games in Beijing day 1

The Jyudo Queen does not lose her dignity.


女子柔道48キロ級で、谷亮子選手は銅メダルだった。
3位決定戦後のインタビューでは、悔しい表情が浮かんでいた。
しかし、谷選手の「清さ」に私は感動した。


準決勝での不可解な判定は、しばらく議論を呼ぶだろう。
試合中、組めなかったのか、それとも、組まなかったのだろうか。
2回警告を受け、それでも二人の組合が見られなかったのは、
お互いが防御姿勢だったか、攻めに躊躇したかのどちらかだろう。
つまり、攻めの柔道ではなかった。


谷選手の進退問題は、依然ベールに包まれたままだ。
本人だけで決めることではない、と述べている。


ただ、わかっていることがある。
彼女は32歳のベテランながらにして、大言壮語だった。
「ママでも金」と言って、自分の実力を限定させなかったのかもしれない。
そして、谷選手は、5大会に渡り、日本の牽引力だった。


女王は、強く、品位に溢れている。
谷選手はそんな柔道家である。
準決勝での審判の判定に怒りをぶつけず、むしろ既にそれを受け入れていた。
他の選手たちをも褒めていた。国民の期待をわかっていた。


3位決定戦。一本勝ちを収めた顔には、笑顔はなかった。
だが、谷選手がこれまで歩んできた「道」こそ、何よりも価値がある。


Ryo2412