「竪川スラップ訴訟」は何が前代未聞か?そして11月の抗議行動、集会、本人尋問へ大結集を!

竪川スラップ訴訟を共に闘おう!
今こそ江東区基金(地方公務員災害補償基金*)へ全力で声をあげよう!
「— まけてたまるか 竪川スラップ訴訟をたたかう会 —」からの呼びかけ

★1:スラップを起こした責任者へ抗議・情宣行動
11月6日(金)12時:地下鉄東西線 東陽町駅1番出口集合、江東区役所前
14時:西早稲田駅3番出口、「地方公務員災害補償基金」前
11月13日(金)12時:永田町駅4番出口、「基金」本部前
14時半:地下鉄東西線 東陽町駅1番出口集合、江東区役所前

★2:「竪川スラップ訴訟とすべての弾圧に反対する11・14集会」へご参加を!
11月14日(土)18時~秋葉原万世橋区民会館
内容:「竪川」野宿者排除の現場から、弾圧当事者の園さんから、
弁護団から(予定)。9.16国会前弾圧当事者とのパネルディスカッション
この前代未聞の弾圧訴訟は一体何なのか?みんなで考えましょう!
参考:http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/20151031

★3:最大の山場、第4回裁判――証人尋問へ!
11月19日12時半〜東京地裁地裁前アピール、13時半傍聴券配布、
14時から証人尋問@東京地裁429号法廷。
園さん本人、園さんを訴えた江東区職員、園さんとともに江東区職員の暴力を体験した仲間の証人尋問です!

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裁判をたたかう会のニュースレターの創刊にあたって――ファシズムは安倍政権だけじゃない、
前代未聞の損賠裁判に勝とう!

★終わりなき、最新型の弾圧が始まった
みなさんこんにちは!でっちあげ損害賠償請求の「竪川SLAPP訴訟」と闘うニュースレターの創刊号へようこそ!
全ての始まりは、東京の江東区役所による野宿者への暴力排除と、東京で社会運動をしている園良太さんが、2012年2月9日に江東区役所の野宿者排除に抗議して不当逮捕・長期勾留・有罪判決にされた「2.9竪川弾圧」です。あれから4年近く経ち、今までを知る方にも知らない方にも今までの流れと新たな闘いをお伝えするために創刊されました。

それは弁護士も長く社会運動をしてきた人々も「こんな裁判聞いた事ない、前代未聞の弾圧だ、今ここで止めなきゃいけない」と口を揃える事態が始まったからです。
これまで国も大企業も、労働組合の正当な争議行動や経産省前テントひろばにをつぶすために、高額の損害賠償をかけてきました。また沖縄高江の米軍ヘリパッド建設反対座り込みも「通行妨害」で訴えました。多くのジャーナリストも狙い撃ちされています。大組織が自分たちの不正をあばく言論や抗議してくる運動を「迷惑だ」とやめさせるために訴える「SLAPP訴訟」として、近年非常に問題化しています。裁判を市民への妨害や萎縮のために使うスラップ訴訟自体を問題にして行きます。

そして今回の裁判もスラップであるとともに、通常とは逆にわずか4万円を請求する「低額SLAPP訴訟」である事、すでに終わった闘いの4年も前の出来事を突然蒸し返した事が突出しています。この裁判が前代未聞で恐ろしいのは、請求の理由が「基金」や江東区が現に迷惑しているからや、今進行中の運動を止めるためですらなく、警察の言いなりになって園さんと仲間達をボロボロにさせるためだけに起こしているからです。

★許されない野宿者排除と警察弾圧、新たなスラップ訴訟
江東区役所は12年1〜2月に竪川河川敷公園の野宿者の小屋を破壊し、支援者もろとも羽交い締め・宙づりにして強制排除しました。翌日区役所で抗議した園さんらも宙づりで強制排除しており、凄まじい暴力を受けたのはこちら側です。園さんはそのまま逮捕・「威力業務妨害」で起訴・4ヶ月以上も監禁され、獄中で様々な暴行を受けました。裁判も過剰な警備法廷で傍聴者を排除しながら、東京地裁も高裁も公安検察の主張を丸呑みした「懲役1年・執行猶予3年」の有罪判決を出しました。

そして実は2012年の弾圧直後から、古木という江東区職員が通院して「園さんに首を絞められて頸椎ねんざになった」と診断書を書かせ、公務員の労災組織「地方公務員災害補償基金」に治療費4万円を払わせていました。そして判決直後の14年2月から、突然「基金」が園さんの自宅に治療費の請求書や診断証明書を送ってきました。「基金」がなぜ・どのように事実を認定したのかが一切書かれていないまさに怪文書です。私達が文書で何度抗議しても基金は送り続け、私達が4月に西早稲田の「基金」事務所に行き、請求の理由や過去の請求事例を聞いても彼らは一切答えず、警察を呼んで排除しようとしました。そして15年1月に家庭裁判所に支払い申し立てし、裁判所は東京地裁の警備法廷に裁判を移したのです。

この偽の治療費も税金、裁判費用もそれを遥かに上回る税金であり、役所の仕事としても許されないし、支払いより嫌がらせが目的である事が明確です。これを認めたら、一度不当逮捕された人は永遠に裁判を強いられ生活も運動も壊され続けます。今ここで止めましょう!

★上から言われるがままに何も考えない「ファシズム訴訟」
この訴訟は現代の「ファシズム」そのものです。江東区職員の野宿者への凄まじい暴力は地方自治体の常識を遥かに超えていました。それが今オリンピック再開発により渋谷を始め東京中の野宿者排除に広がっています。そして何よりもありえない事は、検察と江東区が逮捕、起訴、刑事裁判の時には「暴行」の話を一切出さなかった事です。暴行は刑事罰だから裁判で確実に勝てるのに、事実がないため出せなかった。故に普通なら後からこんな訴訟は誰も起こせないし、起こした側が負けることは誰にでも明確です。

ところが江東区職員はどこも痛くないのに医者に行き、偽の診断書を作り偽の治療費を請求し、「暴行」のイラストまで書いて裁判に出した(写真)。「基金」も事実検証や園さん側への聞き取り等全くやらずに損賠請求を起こし、裁判は全部弁護士に任せ一度も出て来ない。その黒野徳弥弁護士は、90年代後半に明治大学側に雇われて生活協同組合を潰した、何とSLAPP訴訟を起こす専門家です。しかも裁判所も単なる損倍の民事訴訟を「警備法廷」で行っており、それは最初から被告と支援者全員を犯罪者扱いする法廷のため、そのまま原告「基金」を勝たせてしまう危険性があります。つまり彼らは自己保身や現状維持のために、上からの命令を何も問題にする事無く権力の暴力をふるい続けているです。

哲学者のハンナ・アレントは、ナチズムは独裁者だけでなくそれに思考停止して従う末端の役人たちが作ったのだと明らかにしました。安倍政権の暴走で多くの人が危惧する「ファシズム」とは、政権の暴力と同時に、行政の末端から民間人まで社会全体が「総思考停止状態」となって暴力を振るう事です。その一つの極限が「竪川SLAPP訴訟」だからこそ、絶対に勝って止めなければならないのです。最初は分かりにくかったり個別事情にしか思えなくても、皆さんが自らの問題として反対し裁判へ結集する事を呼びかけます。

12年2月9日に園さんが「威力業務妨害」をした事実も首を絞めた事実も一切ありません。罪に問われるべきは江東区役所と「基金」が本来の役割や責任を放棄して警察権力と一体の損倍をかけてくる事です。
私達は「基金」と江東区の請求は不正で無効、1円も支払う必要なしという結論を勝ち取ります。ぜひ皆さんの力を貸して下さい、傍聴、カンパ、情報拡散、抗議行動をお願いします!

<ここまで>=====================

「私のまけたま」第1回 園良太(当該)

「まけたま」は「負けてたまるか!」の略で、
僕が12年に東京拘置所に監禁されている時、5月の一番つらい時期に紙に大きく書きなぐった言葉だった。大声を出すと拷問部屋の「保護房」にぶち込まれるので叫びを書き表し、外に手紙で送って救援会の会報のタイトルに選ばれた。この言葉が今も使われているのは、前代未聞の訴訟に対し僕にも仲間にも同じ叫びが続いているからだ。
「いつまで続くんだよ?うんざりだ」「でも、まけてたまるか!」という想いが。前者の想いで一杯にして全てを嫌にさせるのが相手の狙いであり、後者の想いでそれを打ち破るのがこの会報の狙いだ。

竪川弾圧から4年近く、原発や戦争法など大きな政治課題が続出する中でどうしても人々の記憶は薄れて行く。私達も闘いをやりきったと思った途端に裁判を再開させられた。しかも相手は江東区でなくマイナーすぎる労災組織、請求のやり方も大問題だけどとても地味でわかりにくい。4年近くの長い経過説明も必要になる。何が問題でどう伝えどう闘うか、弁護士とともに試行錯誤の日々が続いた。僕にとっては、「逮捕は不当だったけど、暴力くらいならやっちゃったんじゃないの〜?』と思う人も出るかも知れないし、広報する事は自分に「暴力人間」とレッテルが貼られるリスクとともにある。権力側はそれらを全部狙って訴訟している。

長引く裁判は本来やりたい仕事や運動を制限し、煩雑な作業をいつまでも強制する。相手は区民や都民の税金(!)を湯水のごとく使って弁護士に仕事をさせるが、こちらの活動も費用も4年間全て手弁当だ。

だが基金江東区が嘘である事は他の事例から証明出来る。「相手に首を絞められた」は、殺意を示すインパクトで他のすべてを吹き飛ばす事ができる。つまり事実の厳密な証明がなくても、自分の側の暴力を隠しながらでも訴えを起こしやすいのだ。だから権力側が悪用しやすい。また「頸椎ねんざ」は厳密な診断抜きに医者に証明書を出してもらえる代表例で、「痛い」と言えば首を触るだけでレントゲンも抜きにそう書かれる事も多い。だからヤクザなど車の「当たり屋」はよく頸椎ねんざの診断書を持って相手を脅迫するのだ。基金江東区の姿勢は全てデタラメ、手抜き、暴力なのである。

僕らはこれをわかっていながら引き下がるのも金を払うのも絶対にできない。ふざけんな警察、江東区基金!奴らに訴訟を後悔させるしかない。そのために今後は基金江東区の前で直接住民に税金の無駄使いを伝え、反撃集会も行う予定だ。「まけてたまるか」の精神がある意味一番試されるたたかいへ、あなたもぜひ合流して下さい!