同様のテーマを扱っているように見える『PLUTO』とほぼ同時に発売された最新刊。
- 作者: 相田裕
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/11/27
- メディア: コミック
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アンジェリカが寿命を迎える。敵の攻撃からマルコーをかばうという「条件付け」による事故が直接の引き金となったのだが、それがなくとも「条件付け」のための薬物使用が脳を蝕んでいたのだ。
最期を迎えるとき、アンジェリカは以前飼っていた犬のペロのことを思い出す。そして、マルコーはペロを探し出してきて、彼女に再会させる。アンジェリカはペロに看取られてこの世を去る。
義体にとって死とは何か。そして、フラテッロにとって「義体の死」とは何か。それは「人の死」とはどこが違うのか。または、どこが同じなのか。もし、義体であり続けることが「死を早める」ことを意味するのなら、それは「人道的な行為」なのか。今回の展開は、泣けると同時に、深く考えさせられもする。
第二期生でさえ5年から7年の寿命であることが明らかになるのだが、第一期生の寿命は明らかにそれよりも短いのだ。そんな中で、ジョゼはヘンリエッタを「使い捨て」にすることができるのだろうか。そこがこの物語の終盤の大きな鍵になると予想する。個人的には、ジョゼはヘンリエッタに対して感情移入するあまりに、組織の論理をはみ出るのではないかと考えている。
さて、表紙に典型的なように久しぶりに「萌え」色を前面に出した感がある。アニメの第二期が2008年1月からオンエアされることもあって、再度、おたく層へのアピールを強めているのだろう。クラエスとトリエラの入浴シーンまであって、前巻の「大人路線」からの揺り戻しの大きさを実感させられる。相田裕は、実に「読者層」を研究している作家だなあと思う。
次に寿命を迎えるのは…トリエラかなあ。