失速気味〜『バクマン。(7)』

バクマン。(7)』を読んだ。以下ネタバレ。

バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

前巻の最後の編集会議で『疑探偵TRAP』の打ち切りが討議されたが、今巻は打ち切り決定から始まる。作者が描きたいもの、読者が読みたいもの、そして編集者が描かせたい/読ませたいもの。この三者が錯綜するなかで、迷い、怒り、情熱といったものがドラマを生む。

といえばいいが、ちょっとグダグダ。なんだか観念的で、出口を探そうとして模索するところにはあまり面白味が感じられない。デスノの後期にも見られたが、作り手の独りよがりというか。まあ、最初からそういうマンガだといえばそうだったわけだが。今回の巻ではコマ割りや人物作画のクオリティが明らかに落ちている箇所も目立ち、「サイコーとシュージンは大丈夫なのか?」という以上に「大場と小畑は大丈夫なのか?」と思った。

最後は、岩瀬さん再登場で今後の波乱を感じさせるところで次巻に続くが、それはそうと亜豆美保どうなった、と。確かヒロイン…だったと思うが…気のせいか…。作者の側の思い入れはすっかり蒼樹紅の方に向かっているのがあからさま。まあそれはそれで蒼樹ファンとしては密かにうれしいのだけれども。