『にこたま』の2巻が出ていた。遅ればせながら読んだ。
- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: コミック
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まずは公式紹介から。
あっちゃんに、会社の同僚・たかのさんとの間に子供が出来たと告白したコーヘー。大口論の末、二人は一緒に問題を解決する道を選んだ!? 明るい家族計画、絶賛失敗中の最後の思春期、第三次性徴白書!!
ああ。確かに「絶賛失敗中」というべきだ。イタくても、ブザマでも、それでも生きていくのだけれども。高潔な美学を貫くのであれば、人はどこかで自ら命を絶つしかないのかもしれない。でも、それができない平凡な人間は、どんなに苦しんでも生きていくしかないのだ。
以下若干のネタバレ。
前巻よりもユーモアが少なめになっているような気もするが、この巻でも渡辺ペコの筆致は客観的に現実を観察しながらも、登場人物を突き放すことはせず、温かさを失わない。
あっちゃんはコーヘーと添い寝しながらこんなことを考える。
どんなに
くっついていても
触れていても別の
からだと
あたまと
こころを持った別の人間
なんだよね100%の信頼も
100%の恋心もそんなもの
ないんだな
だが、その直後にこの独白が続く。
明日にはよくなりますように
このフオンな痛み
そう人は孤独。でも希望は失わない。何の根拠もないけど。渡辺ペコの描く世界は、楽観的なおとぎ話でもなければ、耽美的な黙示録でもない。どこまでも等身大でどうしようもなくリアルな人間の物語だ。…それにしても、コーヘーは相変わらずイタすぎる。