2008-04-10 ACL&JFL
準加盟クラブは「J参入」という博打を打つべきなのか?
⇒スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|武蔵野の桜に想う=宇都宮徹壱のJFL定点観測(2/2) JFL2008前期第5節 横河武蔵野FC対ガイナーレ鳥取
この記事の最後のほうにこんな一節が。
それよりも私が気掛かりだったのが、このクラブに漂う、何とも重苦しい空気である。試合後、ブログや掲示板に書き込まれた鳥取サポーターの言葉を拾い読みしてみると「今年がラストチャンスなのに」とか「今季ダメだったら(Jを)あきらめるしかない」といった悲壮感ばかりが横溢(おういつ)していて、いささか驚いてしまった。
確かに今季は、本拠地の移転、大量補強などでかなりの予算を投じてきたし、とりぎんバードスタジアムの使用料減免という形で鳥取市からも援助を得ている。不退転の気持ちで新たなシーズンに臨むのは、クラブ、ファン、スポンサー、行政、いずれにとっても当然のことといえよう。とはいえ、今季で昇格できなかったらJを断念するという大博打は、本当に正しい判断なのだろうか。「市民・県民のためのクラブ」が、たった1シーズンの成績次第で「J入り断念」、最悪の場合「クラブ解散」というリスクを冒すことに、果たしてどれだけの正当性があるのだろうか。(強調:SIK)スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|武蔵野の桜に想う=宇都宮徹壱のJFL定点観測(2/2) JFL2008前期第5節 横河武蔵野FC対ガイナーレ鳥取
ガイナーレ鳥取のクラブ事情を詳しく知っているわけではないので、あくまで一般論として書くわけだが、正直言って、今の準加盟クラブがJ2に参入したところで、すぐにクラブの経営が上向くとはとても思えない。
今年からJ2にはFC岐阜とロアッソ熊本がJFLから参入したわけだが、ロアッソ熊本の収支を見てみると、第2期(H17.12.1-H18.11.30)で2.47億円の収入、ちょっと会計期間が変更になった第3期(H18.12.1-H19.2.29)で1.19億円の収入。この第3期はJ2参入による会計期間の変更によるものなんだろうけど、この3か月分を単純に4倍すると、約4.7億円。昨日取り上げた愛媛FCとほぼ同額の予算規模ということになる(FC岐阜は数字を見つけられなかった)。
ちなみに公表されているJ2のクラブの予算規模の平均は2006年の数字で「11億3,900万円」。が、これには東京ヴェルディ1969(約30億円)が含まれているので、実際はもう少し少ないはず。でもこの平均から見ても、新規参入組の予算規模が平均をそうとう下回っているのは明らかだろう。
たしかにJ2に参入できれば観客も増えるしメディアの露出も増えるので、スポンサーも集めやすくはなるだろう。でも、J2で低迷を続けてしまえば観客は徐々に離れていくだろうし、スポンサーにも悪影響を与える可能性だってある。
たしかに「J2のお荷物」といわれたかつての低迷クラブの代表格だったヴァンフォーレ甲府がJ1に昇格したようなケースはあるものの、その躍進を支えた海野社長のようなすばらしい経営者がすべてのクラブにいるわけでもなければ、「はくばく」のように話のわかるスポンサーばかりでもない。
準加盟クラブにとってJ2は「約束の地」とは限らない。
たしかにJFLにいてもジリ貧じゃないのかとかプロクラブだからこそ意味があるという話もわかるが、だからといってJ2に参入できなければクラブ消滅というのは話が違うと思う。
クラブとは「選手」「監督」「スタッフ」「サポ」「スポンサー」「行政」その他諸々の人たちの集合体なわけで、どれか一つが突出してもしょうがないし、背伸びしたって結局は通用しない世界でもある。たしかにサポ的にはクラブが成長することに最大の優先順位をつけるだろうから、スタジアムの建設とか、大型補強といった投資は歓迎こそすれ厭う理由はない。
が、それがクラブ経営を圧迫するというのであれば本末転倒だ。息長く地元に応援するクラブがあるという状況のほうを僕は選びたい。繰り返しになるが、ガイナーレ鳥取の事情はわからないので、これは一般論として(というかNW北九州サポとして)の意見だ。そういう意味でこの宇都宮さんの意見に全力で同意。
Jに上がることは、確かに重要なことではある。が、それが「すべて」ではないはずだ。それよりも大事なのは、JであれJFLであれ、あるいは地域リーグであれ、愛するクラブがいつまでも自分たちの身近にあることではないだろうか。スポーツナビ | サッカー|Jリーグ|武蔵野の桜に想う=宇都宮徹壱のJFL定点観測(2/2) JFL2008前期第5節 横河武蔵野FC対ガイナーレ鳥取
なんにせよJFLも厳しいし、J2も厳しい。先は長い。
