特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『高度衰退期(笑)を迎える日本』と『OECDの提言』、0529 再稼働反対!首相官邸前抗議

安保法制の国会論戦を見ているとやっぱり、うんざりします。安倍晋三自らが野次将軍やってるんだもんなあhttp://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015052800531。頭が悪いのは最初から判っているが、あまりにも幼稚と言うか、少しくらいはプライド、ないのかよ。
                              
国会でまともな議論が行われていないのは、最初から結果が判っているのがミエミエだからなんだろう。そこで諦めたら、奴らの思うつぼだろうけど、かといって有効な対抗手段も思いつかない。自衛官のリスクがどうとか、低レベルの答弁が行われる風景を見ていたら、戦争への道を止めようとしながら1940年に亡くなった最後の元老 西園寺公望が晩年に『(戦争を止める努力を)色々やってみたけれど、結局は人民の程度にしか いかないものだ』と言い残したエピソードを思い出しました。
                                                                         

                                   
                              


                                                                                                      

だがそういうこととは別に、はっきりしている事実があるそもそも軍事費を増やしたり、軍事活動を拡張しているような余裕は今の日本にはない。少し前に国交省が作った、このグラフを引用します。数年前にブログに載せたかもしれませんし、色んな審議会で引用されているグラフなのでご覧になった方も多いと思います。だけど内容は深刻です。
グラフは奈良時代から2100年ころまで日本の人口の増減を推測しています。江戸時代に入って平和になると急に人口が増えるが、中期以降停滞する。明治期になり、また人口は急増するが太平洋戦争でいったんダウン。高度成長期に人口は急激に増えて2004年にピークを迎える。こんどはここから急激に人口が減少する。2050年には今より1割以上少ない9500万人くらいにまで低下する。グラフは中位推計でプロットされているけれど、実際は低位推計の数字で動いているから2100年にはほぼ明治期の人口3700万人にまで日本の人口は減少するだろう。経済予測と違って人口予測はぶれないから、こうなることはほぼ決まり、少なくとも2050年くらいまでは確実でしょう。
●『国土の長期変動』中間とりまとめ(2011年2月国交省 本文: http://www.mlit.go.jp/common/000135837.pdf#search='%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E6%8E%A8%E7%A7%BB+%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E7%9C%81'


これでどんなことが起きるだろうか。まず、日本の経済は大幅に縮小する。GDP=人口×資本×生産性だからだ。日本の高度成長は単に人口が増えたから、という説もあるくらいで、基本的には人口によって国の経済規模は大きな影響を受ける。特に日本のような豊かな先進国はこれから資本が大して増えるわけではないし、生産性だって既に高いから大幅な伸びは見込めない。そうなると、よほどのイノヴェーションが起きない限り日本の経済はこのグラフの通りに推移していく可能性が高い。経済規模が小さくなると、ただでさえ厳しい財政赤字社会福祉負担は大変なことになる軍事費を増やしたり、莫大なカネを出して外国に兵隊を派遣したり、他国の軍事費を肩代わりする余裕がある筈がない。兵隊になる奴だっていないよな(笑)。これからの日本はジジイとババアがゲームコントローラーを握って、無人機で戦争をするのか。いやいや、老眼で目が見えないし、反射神経も追いつかないって。あ、ボクの事か(笑)。
日本は2004年から、まるでジェットコースターが転げ落ちるように人口が減っていく。これからは高度成長ではなく高度衰退期、なのだ(笑)。世の中に絶対、ということはないにしても、日本が縮小していくのは避けられないだろう。このまま行ったら借金まみれの高齢化大国(笑)は間違いないのだから、今のうちに『日本なんて国はとっとと解散してアメリカの51番目の州に入れてもらう』のは、それはそれで合理的なオプションの一つではあるはずだ。
それはとにかく(笑)、80年後の日本経済は現在の3分の1になる可能性はかなり、高い。



そんな 日本に対して、OECD経済協力開発機構)がこの4月にレポートを出しました。現在の日本経済を分析して、それに対する処方箋を述べている。少し異論はあるけど、ある程度筋が通った話だと思うので、概要をご紹介します。Economic Survey of Japan 2017 - OECD

1.日本は20年以上低成長が続いている。2000年代は年率1%の成長すら実現できていない。

2.国民一人あたりのGDP(所得水準)もOECD上位半数平均の9割以下の水準にまで低下した。

3.おまけに政府債務はサイアク、ギリシャどころの騒ぎではない。

4.日本の現状まとめ

5.処方箋

『主な提言』のアベノミクス云々は、債務削減のためにインフレ基調を実現しろ(第3の矢)、緊縮財政は取るな(第2の矢)、規制緩和(第3の矢)ということだろう。アベノミクスと言っても普通の経済政策は全部やるということなので、それ自体は取り立てて騒ぐ話でもない。それに人口が減るんだから女性の社会進出を図るのは議論の余地すらないだろう。外国の資本を呼び込むのも人口減を考えれば当然の発想だ。この指摘にあるようにアベノミクスで決定的に欠けているのは『低所得者に対する富の再配分』だ。OECDは先週5月21日にも『経済成長をするためには、日本は富の再配分を進めるべきである』というレポートを出している。OECDによると、職の質向上と男女格差の縮小に努めることが拡大する格差是正につながる - OECD レポート:http://www.oecd.org/japan/OECD2015-In-It-Together-Highlights-Japan.pdf
成長のためには富の再配分が必要だ。OECDでさえ認めていることがどうして日本の政治家にはわからないのか、ボクには不思議でならない。




と、言うことで、今週も官邸前
昼間は雨がぱらつくお天気。でも涼しくていいかなと思った。午後6時の気温は21度。過ごしやすい時期になってきて参加者の数も増えてきたように感じられる。普段見慣れない顔も見かけるのは少し嬉しい。参加者は官邸前に800人くらい、国会前他に600人くらい、併せて1400人くらいだろうか(主催者発表1200人)。
●抗議風景








抗議していると時折雨がチラついてきた。舗道にプラカードだけでなく、傘の花が咲く。
今週 かねてから経営危機に陥っていたフランスのアレバ社がフランスの電力公社に原発事業を売却することを検討している、と言うニュースが流れてきた。http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150526/281621/?P=1。こうなってくると世界の原発メーカーは本当に限られてくることになる。
●世界の原発メーカー&電力会社


http://globe.asahi.com/feature/100802/memo/03.html

従来 原発メーカーの顔ぶれは東芝/WH連合(WHは東芝の子会社)、日立/GE連合(両者が合弁)、三菱重工/アレバ連合、それに韓国、ロシア、中国だった。だが東芝原発事業も含めた粉飾決算で苦境に立っている東芝揺るがす不適切会計、発端は国内原子力案件か | inside Enterprise | ダイヤモンド・オンライン。GEは原発はやる気がない(イメルト会長は原発は採算がとれないと明言)米GE イメルトCEO 原発“見切り"発言の衝撃度 (写真=共同) :日本経済新聞

これでアレバがアウトということになると、先進国の原発メーカーはほぼ壊滅、ということになる。それでも原発に注力しようとしても、韓国、中国、ロシアが相手だからコスト的に大幅に不利になるし、ムリして受注しても原発が儲からない事業になることは目に見えている。もちろん西側のメーカーが全滅するから意地でも日本メーカーがやれ、となる確率がないわけじゃないが、今は外人株主だってアクティヴィストファンドだっているし、上場企業が儲からない事業に注力することは許されない環境になりつつある。これはグローバル化の良いところだ(笑)。
                                              
大変めでたい話で、日本メーカーもそれほどバカじゃないだろうから、これから裏で脱原発を着々と進めていく可能性が高いだろう(●●は既に原発部門からだいぶ人を異動させたという噂を聞く)。これからは脱原発の主な障害は地域独占の電力会社、ということになるだろう。独占企業しかり、役人しかり、とにかく市場競争にさらされてない連中というのは始末が悪い。お仲間の顔色伺ってばっかりで事実を見ようとしないからなあ
ま、そんなことでぼやくボクも愚かなんだろう。西園寺公望のように『この世の中、特に日本はそういうもの』と思わなくてはいけないんだろう。問題なのはそこから何ができるか
どうせ、
先は長いんだし。 
播磨屋トラック曰く、『打ち首獄門ぞ安倍総理!』(笑)



●国会前


●今週も子供の姿が