特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『米中もし戦わば』と『0217再稼働反対!首相官邸前抗議』、それに『#0217国会前抗議』

まだまだ朝晩は寒いですけど、陽はずいぶん長くなりました。春は歓送迎会の季節、バタバタして忙しいのは嫌だけど、寒いのはもう嫌(笑)。人間も冬眠したーい。そればっかりですが(笑)。
●通勤の途中で咲いていたんですけど、これは早咲きの桜?(笑)。




この前 街を歩いていたらこんな看板が目に留まりました。ホットヨガ教室の看板です。

 
心の安定は家族を救う
主旨に異存はありません(笑)。ボクもホット・ヨガやってみたいです。だけど、それだけ不景気や競争社会のストレスなどで心が安定していない人が多い、ってことなんでしょう。何とも複雑な気持ちになりました。
                         
それで思い出したのが、リーマンショックの半年後。ロンドンの金融街(シティ)で見たスポーツクラブの看板です。


不況退治(Recession Buster)は健康から! 2月は無料!
当時の金融街は文字通り大不況。街は文字通りがらーんとしてました。部外者のボクは呑気に散歩してたんですが、そんな時に見た、この看板の救いの無さに思わずシャッターを押したのです。シティのこの看板もホットヨガの看板も『救いの無さ』という点では全く一緒です。ボクらはそういう世界に生きているわけです(嘆息)。


     
                   

さて、話題の本の感想です。『米中もし戦わば
著者はピーター・ナヴァロ、カリフォルニア大学アーヴァイン校の経済学・公共政策学の教授。トランプによって新設された国家通商会議の委員長に任命されました。筋金入りの対中強硬派だそうですけど、民主党員みたいですね。民主党の候補として3回 下院議員や市議会議員に立候補しています。常に落選していますが(笑)。

米中もし戦わば

米中もし戦わば

ボクは自分と違う意見には1回は触れてみるよう心掛けているのですが、内心ではこの人はどんなに頭がおかしいのかと思っていました。でも読んでみたら、案外マトモなのでびっくりしました。
内容を要約してみます。
・中国のように新たに勢力を伸長する国が台頭すると、旧来 支配的な大国とは戦争が起きることが多い。
・中国は膨張する軍事費と情報のハッキングで軍事力をますます強化しており、アメリカの優位性は揺らいでいる。
アメリカのアジアの基地は沖縄、グアムなどに集中しているだけでなく防御も不十分で、攻撃にさらされたら、機能不全になるリスクは高い
・中国は南沙諸島にみられるように実力行使で領土を獲得することも厭わない国であり、軍事バランスが崩れると共に紛争の危険は一層増す。

まあ、ここまでは納得できますよね。


経済交流を密接にすれば戦争を防げると言うのは楽観的である。第1次大戦時のイギリスとドイツは経済交流は密接だったが、戦争は起きた。
・中国の弱点は中東からのシーレーンであり経済封鎖に対しては惰弱である。しかし、経済封鎖は効果が出るまで時間がかかるだけでなく、アメリカ側の経済的損失も大きい。したがって経済封鎖も抑止力としては万全ではない
アメリカと中国は戦争になっても、どちらかが一方的に勝つことはない。両者が共に傷つき大きな犠牲を払うだろう。

                         
従って、中国との戦争を避けることが何よりも重要であるというのです。マトモです(笑)。そしてナヴァロはこう、結論付けます。
戦争を防ぐのは国の力(軍事、経済、文化などの総合的国力)である。またアメリカは同盟国を守るという鉄則を貫かねばならない。軍事力も経済力も文化やヴィジョンといったソフトパワー、すべての面で国力を醸成していくのが良い。また軍事力の面では従来の空母を中心とした『エア・シー・バトル』より、潜水艦や機雷を中心にした通商破壊に重きを置くべき、また米軍基地は沖縄やグアムに集中させるのではなく、各地に分散させるべきだ』、としています。

                                 
ここまでは素人のボクでも十分納得できる筋立てです。経済は大事、外交も大事、民間交流も大事、それでも戦争が起きてしまうことは有り得ます。戦争をしないためには軍事力という裏付けも必要かもしれません。現実にスーダンルワンダの紛争、それにISやボコ・ハラムのことなどを思い起こせば、ボクもそうかなーと思います。かってベトナム戦争に反対したスーザン・ソンタグボスニアへの空爆を支持したじゃないですか。あそこではクロアチア人もセルビア人も民族浄化と称して相手の女性たちを組織的にレイプしてたんです(怒)。そういう、狂人が暴れてるときは、武器も必要でしょう。しかし、軍事力だけじゃ平和は保てない、それもまた真実です。昔の諸葛孔明の南蛮征伐じゃないけど、相手の心を責めるのが上策です(笑)。そうなると武器も経済も対話も全て必要と思わざるを得ない

                                          
更にナヴァロは経済学者らしく、アメリカの国力を高めるにはまず、経済の立て直しが必要だとするのですが、そのためには以下のようなことを論じています。
・対中貿易の不均衡の是正(防衛関税)
・企業の海外移転を防ぐための法人税の引き下げ

                            
アホかって。経済学の世界ではナヴァロは異端とされているらしいですが、経済の話は滅茶苦茶だと思います。トランプは今 国境税とか言ってますが、関税なんか上げたら、輸入品に依存してるアメリカの人や企業が困るでしょ(笑)。中国や日本から大部分の部品を輸入しているアップルなんかどうするんだよ。法人税の引き下げは企業は喜ぶでしょうけど、それで企業がアメリカに戻ってくるかと言ったら大間違いです。企業の立地は労働力の量と質、市場へのアクセス、下請けなどの産業基盤、さまざまな問題が絡む話です。法人税を下げたくらいで企業が国内へ戻ってくるんだったら、今頃タックスヘイヴンに大企業の工場が集中してる筈です(笑)。アホかって。
安全保障面では結構納得できるんですが、経済面ではアホな経済学者(笑)。経済学の世界で彼が異端として相手にされてなかったのは良くわかります。

                          
賛否は別にして、非常に読みやすいし安全保障を考える材料としては良い本だと思います。本の帯には防衛省の役人が読んでる本と書いてありましたが、日本の防衛政策に猛省を促す本でもあります。素人が考えても使い道がない高価な国産戦車とかヘリ空母とか、数が少ない戦闘機とかどうするんだよ。沖縄に集中する基地の分散だって当然ですよね。安全保障に関しては断定を避け、物事の両面から考える議論が展開されているのも好感が持てます。さらっと読めますし。ただ、著者がトランプの閣僚ということを考えると、本を購入してこいつに印税が入るのはむかつくかも。ぜひ、図書館、もしくは立ち読みでお読みください!(笑)。



ということで、今週も官邸前へ。今日の東京は春一番が吹いたんですか?とにかく暖かかった。今日の午後6時の気温は18度もありましたからね。今日は長丁場なので助かりました。主催者発表で参加者は750人。
●抗議風景







                                     
今週 東電が柏崎刈羽原発の耐震性について虚偽情報を流していたことが発覚しました。『担当部門に伝わってなかった』と弁明していますが、また、嘘をついていたと言うことです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170215/k10010876891000.html
昨年のケーブルの不正と言い、とことん懲りない連中です。こんな連中に原発なんて危ないものを扱う資格があるのでしょうか。 懲りないと言えば、東芝の件もあるのですが長くなるので、次回に回します。今日はもう一つ話題があります。
                                            
それは、『#0217国会前抗議』。正式には『南スーダン派遣中止を安倍政権に求める国会前抗議行動』。要するに『#稲田は辞めろ』、つまり嘘つきの防衛大臣稲田朋美はさっさと辞めろってことです。元SEALDsの子たちが呼び掛けました。本当は先週もあったんだけど、告知が当日だったし気温も2度、さすがに官邸前抗議とダブルヘッダーする元気がなかった(笑)。今日は勇気凛々!(笑)


                            
ボクは南スーダンにPKOを送るかどうか議論をすること自体は良いと思います。でも目的も不明確なまま、なし崩しに戦地に自衛隊を送りだしてしまった。それは酷い、と思うんです。南スーダン自衛隊を派遣することで、どれだけのコストがかかって、どれだけのメリットかあるのか、まして、どれだけの危険があるのか、説明できる人っているんですか??その責任者の稲田は自衛隊の日誌にも『戦闘があった』と書いてあるのに『衝突』と強弁する嘘つき大臣ですよ。トランプ政権のもう一人の大嘘つき、『オルタネイティヴ・ファクト』のコンウェイも顔負けです。
抗議は東京だけでなく大阪の京橋、昨日は名古屋、それに部隊が派遣される北海道でも行われました。

                           
今日の参加者は1100人だそうです。写真とツイートで様子をご紹介します。
●抗議風景









●ボクのプラカード(笑)

●TBS『報道特集』金平キャスターも来てました。さすが。

                      
こちらの参加者は主催者発表で1100人。参加者が若い(笑)。稲田が辞めなければ来週も抗議は続きます。ざけんなって。
                                

抗議集会:PKO派遣中止、稲田防衛相の辞任求め…国会前 - 毎日新聞