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Tanglefoot Bag - さるしんごのD&D関連雑記

2015-07-28

[] マズティカの神々

マズティカのパンテオンには11の神々が居ます。善神も悪神も同じパンテオンに属しています。以下に一覧で示します。

名前ALPriestがメジャーアクセス可能なsphere(s)
KukulN(Priestは居ません)
MazticaNドルイドと同じ
QotalLGPluma, Healing, Protection, Creation
ZaltecCEHishna, Sun, Combat, Charm
AzulLEElemental, Weather
PlutoqLNElemental
TezcaCEElemental, Sun, Combat
KiltziCGCharm, Creation, Guardian, Healing, Protection
EhaCNElemental, Pluma
WatilNGPlants Healing, Creation
NulaCNAnimals, Combat, Guardian, Protection

簡単にそれぞれについて紹介します。

”太古の神々の父” ククル(Kukul, Ancient Father of the Gods)は神話の時代に死んだ神です。彼を崇める神官は居ませんが、賢者、歴史家、他の神々の神官にその名を記憶されています。切り落とされた彼の指から最初のヒューマンが生まれました。

”生命の母にして世界” マズティカ(Maztica, Mother of Life, The World)は神々の母であり、やはり神話の時代に殺されました。その身体は大陸そのものとして留まっています。彼女の神官はドルイドとほぼ変わらない能力を持ちます。都市部では信仰されていませんが、大陸のどこでも彼女への信仰は根付いています。

"羽毛のある龍" クォタル(Qotal, The Feathered Dragon)は善と健康の男神で、黄金の羽毛に包まれ極彩色のたてがみを持つゴールド・ドラゴンの姿で表されます。神話の時代の最後に、いつの日か帰るという予言を残して大陸東岸から西の海に去りました。コーデルの侵略とその後の事件を経てクォタルは帰還しその信仰も復活しました。

"戦をもたらし心臓を食らう者" ザルテク(Zaltec, Bringer of War and Eater of Hearts)は戦争と飢えと怒りの男神で、血と心臓の供物を求めます。姿は人間に似ていますが頭は獣のようで大きな顎にジャガーのような歯とガラガラヘビの牙を持つとされます。クォタルのライバルです。ネクサル帝国(Nexal Empire)で信仰されていました。

"雨を与え息を奪う者" アズール(Azul, Giver of Rain and Taker of Breath)は雨と魚類を司る男神です。溺死させた生贄を求めます。その姿は柔らかな衣をまとい無邪気に笑う子供で表されます。

"土と石の支配者" プルゥトク(Plutoq, Master of Earth and Stone)は鉱物、宝石、窯業の男神です。巨大なアースエレメンタルの姿で表されます。

"太陽と炎を統べる者" テツカ(Tezca, Ruler of Sun and Fire)は熱や陽光を司る男神です。テツカの神官は太陽が再び昇ることを願い日没時に生贄を捧げます。姿は燃える頭を持つ巨人か、顔が描かれた太陽で表されます。

”健康、成長、滋養と愛を与える者" キルッヅィ(Kiltzi, Giver of Health, Growth, Nourishment, and Love)は、成長、幸福、婚姻、愛を司る女神です。美しい女性、時には妊婦の姿で表されます。

"風の精" イーハ(Eha, Wind Sprite)は、新生児に息吹をもたらす女神で、春風や暖気も司ります。絶えず動く白煙の姿を好みます。

"草木の守護者" ワティル(Watil, Guardian of Plants)は、植物の女神で実りをもたらします。豊満な女性の姿で表されます。生贄を求めません。

"獣の守護者" ヌーラ(Nula, Guardian of Animals)は獣の女神です。彼女は手足の長い猿の姿を取ります。これまで狩人や漁師がわずかな供物をささげるだけでしたが、侵略者が家畜を連れてきたため、近年になって信仰が盛んになりました。

2015-07-24

[] "Maztica Campaign Set" の紹介

西の新大陸マズティカ(Maztica)を舞台にD&D(当時はAdvanced Dungeons & Dragons 2nd Edition)を遊ぶための基本情報が詰まった製品です。メインデザイナーはダグラス・ナイルズ。1991年にTSR社から発売されました。

http://www.oak.dti.ne.jp/~singo/img/MazticaBoxSet.jpg

カラー印刷された箱には3冊のA4大の冊子と4枚の大きなカラーマップが入っています。冊子の概要を簡単に紹介してみます。

"A Journey to the True World"

True World というのはマズティカの人々が自らの世界を指して呼ぶ名前です。

この本はマズティカ・キャンペーン・セッティングで遊ぶプレイヤーとダンジョンマスター両方のためのものです。記載されているのは、マズティカの歴史、マズティカ出身のプレイヤー・キャラクター/NPCを作成するためのルール(種族、クラス、キャラクター・キット等)、マズティカで入手可能な装備、マズティカ独自の魔術 等です(ソード・コーストからの入植者のキャラクターは従来通りに作成するということのようです)。

歴史については、神話の時代から、古代文明の時代、帝国の時代、コーデルの侵略とそれに伴う変動が順を追って事細かに記されています。35ページものボリュームがあります(とても興味深い内容ですが、ダイジェスト版が欲しくなりそうです)。

マズティカ出身者の種族については、もっとも多くみられるヒューマン以外に、ジャングルに住むハーフリングと、砂漠に住むドワーフが選択可能です。どちらについても既存種族のデータにマズティカ独自の修正が加わります。また、ハーフオークについては、より未来の年代を扱う場合のみ使用可能とされています(これには歴史上の理由があります)。

さらに、技術の進歩がフェイルーンとは異なるために個人の資質がより高い者が冒険者となるマズティカ社会の特徴を考慮し、出身地域によって能力値等にさらなる修正が加わるオプション・ルールがあります。出身のバリエーションは4地域が示されています。これはヒューマン以外の種族に対しても修正が加わります。

マズティカ出身者はクラスについても変更が多くあります。WarriorはBarbarian等の幾つかの既存キットか、追加されるイーグル・ナイト(Eagle Knight)やジャガー・ナイト(Jaguar Knight)を選択することが推奨されます。Priestについては9柱のマズティカの神々から仕える神を選択します。RogueについてはBard、Acrobat、Scoutのキット以外に、マズティカ独自の魔術を使うヒシュナシェイパー(Hishnashaper)とプルーマウィーヴァー(Plumaweaver)が選択できます。Wizardについては、マズティカにはフェイルーンのウィザードが扱うような学問としての魔術(Wizardly)の伝統がないので選択できません(なかなか大胆な変更です)。

技能の習熟(Proficiencies)については、マズティカ独自の修正や変更が加えられます。

マズティカで入手可能な装備にも特徴があります。板金鎧、鉄製の武器、クロスボウ、馬、車輪のついた乗り物などは(入植者の土地で探さない限り)ありません。地元のメインウェポンは、棒の先に幅広の板を付け板の縁に尖った黒曜石を植えた斬撃武器マカ(Maca)です。この他にスピア、ハンドアックス、ナイフ、スリング、ショートボウ等が使われます。どれも黒曜石を刃や穂先や矢じりに使っています。これらの武器については出目次第で壊れるルールがしっかりとあります。スピアをより遠く投げるための投槍器(spear caster)もありますね。鎧については、木製の盾、繊維を編んだ鎧などがあります。

マズティカ独自の魔術は、神々から教えられたものとされていますが、神聖なものというよりもどちらかといえば技術のようなもののようです。プルーマウィーヴァーや善神のクレリックが使うプルーマ(Pluma)と、ヒシュナシェイパーや邪神のクレリックが使うヒシュナ(Hishna)の2系統があります。どちらも5レベルまでの呪文が示されています。

プルーマは羽魔法(Feathermagic)とも呼ばれ、飛翔、風、鳥、弓矢などの飛び道具などに関する呪文があります。一方ヒシュナは爪魔法(Talonmagic)とも呼ばれ、爪、蛇、呪い、病、炎、幻惑などに関する呪文が揃っています。どちらの使い手でも護符(Talisman)を作ることができます。

"Maztica Alive"

ダンジョン・マスター向けの情報が書かれた冊子です(マズティカ出身のPCを作成する場合には、そのキャラクターの出身地域については適宜情報を渡してもよいと示唆されています)。この本には、大陸全体の地形と気候、国々と地域の解説、マズティカからソード・コーストまでの航路、マズティカ人の死後の世界、短いアドベンチャー、新しいモンスターが記載されています。

"Gods and Battles"

前半は大規模戦闘ルール用のデータと追加ルール、後半はマズティカの11柱の神々の紹介です(大規模戦闘ルールについては、まあ、どうでもいいのですが、神々については神話と合わせて別途紹介してみたいですね)。

2015-07-21

[] マズティカ(Maztica)― かつて西にあった大陸 ―

AD&D 2nd Edition 当時のフォーゴトン・レルムではフェイルーンの東西の大陸についてもキャンペーンセッティング製品がありました。Unapproachable East から東に陸路を旅した先にあるカラ・トゥア(Kara-Tur)はオリエンタル・アドベンチャー用のセッティングであり、ショウ(Shou)人はフェイルーンの各地の設定にも登場します。5版でもショウ人のPCについて記述があり、名前の例もしっかり出てますね。

それではフェイルーンの西は? ソード・コーストの西には Trackless Sea と呼ばれる果てしない大海が広がっています。その西にあるのは… 復活アイビア(Returned Abeir)?

惜しい。AD&D 2版の時点ですから復活アイビアはまだありません。でもその場所には大陸があり人々と神々の文明がありました。あまり知られていませんが、ソードコーストから外洋船で西に40日進むと、マズティカ(Maztica)と呼ばれる大陸があったのです。

http://www.oak.dti.ne.jp/~singo/img/route01.jpg

http://www.oak.dti.ne.jp/~singo/img/route02.jpg

マズティカはヨーロッパによる侵略を受ける直前から直後の中央アメリカをイメージしたキャンペーンセッティングで、アステカやマヤをイメージソースにしています。AD&D 2版当時にはマズティカにはソード・コーストの幾つかの国から軍隊が派遣され植民地が作られました。そしてそこを基地にして金銀財宝と未知の魔法を求めて冒険者が内陸の荒野やジャングルに送り込まれていました。なかなかエキゾチックな冒険になりそうです。

マズティカに関するサプリメント製品は、Maztica Campaign Set というPL/DM用の情報の詰まったボックスセット、1-3レベル用のアドベンチャー Fires of Zatal、4-6レベル用のアドベンチャー Endless Armies、マズティカの北の大陸 アンコローメ(Anchorome)を扱うアドベンチャー City of Gold(レベル任意)があります。このほかに征服者コーデル(Cordell)によるマズティカ侵略行とその裏にあった神々の戦いを描いた小説三部作もあるそうです。

ちなみに呪文荒廃(Spellplague)で現れた復活アイビアはSunderingでまた消えてしまいました。代わりにマズティカが戻ってきて復活マズティカ(Returned Maztica)になったかどうかはよくわかりません。でも百数十年間フェイルーン本土から切り離されていた植民地がどんなになっているかは興味がありますね。調べに行くだけでも冒険ですし。

(2015年7月24日追記) フォーゴトン・レルム年代記(原題:The Grand History of the Realms)にもマズティカについての記述があり、歴史上の事件の正確な年が分かります。固有名詞の日本語訳や表記についてはこちらも参考にすることとしました。Mazticaの表記をマズティカに改めました。