旅人の手記 二冊目 - 蝉海夏人のブログ -

2014-08-18

怠惰のカルタ(2)

か カイロス(ΚΑΙΡΟΣ)

 私が「か」から始まる言葉を一つ何か言うとしたら、やっぱりこれしかないだろう。
 普段、私達が気にかける時計の針が示す客観的な時間「クロノス」に対し、個人個人それぞれが異なって感じる時間、主観的な時間のことを「カイロス」と呼ぶ。

 ……なぜなら、それは「人間の人生もしくは宇宙の進行における転換点となる短い決定的な瞬間」をあらわすものだからである。ギリシア語の「カイロス」(Kairos)はラテン語では「機会」を意味する「オカシオ」(occasio)に相当するが、パノフスキーカイロス=オカシオ図像学的表現を、両肩と両踵にそれぞれ翼をもち、走り過ぎる裸体の、禿頭ではあるが前髪だけをつけた若者として説明している。
(中略)いずれにせよ、「カイロス」は「瞬間」を意味論的核としながらも、単なる世事的な「機会」から宇宙論的な終末の「時機(とき)」までをも包括する、まことに豊穣な時間概念なのである。

谷川渥『形象と時間 クロノポリスの美学』(白水社)p.183,185


 このカイロスは、そのアトリビュートとして「剃刀」を携えて表現される。私が思うに、この剃刀は他者カイロスを切断する。カイロスとは、そもそも「切断する」という意味を示す言葉なのだ。もっというと、この世界はカイロス相克から成立しているとすらいえる。クロノスは、絶えず繰り返されるカイロスのカミソリ同士の衝突を歯止めをかけ、その調和を図り秩序を保つ概念とは、考えられないだろうか。

 え。アイオーン? なにそれ、おいしいの?


き kiss

 カイロスカイロスの癒着。

 
く 苦痛

 クロノス、と来ると思った? 甘いね。


け 研鑽

 今の私から縁遠い言葉。脆弱な思弁にまみれ、ただそのまま底で蹲っている私に、ダイモーンの光は届くまい。


こ これで終わりにしよう。

 といいつつ、またやってしまいそうな気もする。