旅人の手記 二冊目 - 蝉海夏人のブログ -

2011-11-09

TPPについて。雑感

今、マスメディアやネットで一番ホットな話題とされている「TPP
本日も野田首相が、10日に会見を開いて参加を表明すると述べましたが、
国内世論は未だに紛糾が続いております。

それもそのはず。以下にあげるような明白な損害があるにも関わらず、
推進派は何の根拠もないまま、「これからルールを定める」といって、
内実を国民に明らかにせず、ゴリ押ししようとしているからです。

「国境措置撤廃による農産物生産等への影響試算について(品目別)」
農水省による試算)

TPPに関する問題は、
仕掛けてくる側(オバマ政権及び米国の各産業のメジャー)と
それを唯々諾々と呑み込む側(野田政権及び国内の大企業)が紡ぎ上げた、
小賢しく煩雑なレトリックに覆い隠されて、
その実相が見え難くさせられています。
ですがその正体は、
日本国経済再興より、外国企業の利益が優先される」協定であり、
その内実を、以下の記事では解説しております。

GIGAZINE」――
「「TPP」とは一体何か?国家戦略室の資料を読めば問題点がわかる」
「アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体」
「「TPP」は全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要」

またTPPの交渉範囲は、農業医療の範囲だけに留まりません。
なんと24もの分野に及びます。

サルでもわかるTPP」―― 「第1章 TPPって何?」

これでは日本は、自国内の経済活動における主導権を大幅に失うことでしょう。
それどころか、「国民主権」という日本国憲法の基盤となる概念が、
脅かされかねません。 

このような実態は、
企業や官僚の言い分がそのまま垂れ流される都市圏に住む私達だと、
自力で正しい情報を得ようとしない限り分からないものです。
けれども、今回の交渉のいかんが自分達の生活に密接に関わってくる
地方の農業畜産漁業など第一次産業に従事する人々は、
これまでずっと、その危険性を訴え続けてきました。

「毎日jp(毎日新聞」)――
「話題:「農業が崩壊する」 宮崎 TPP反対集会に3500人」

「TPP参加阻止訴え 鹿児島市で2500人参加し集会 | 鹿児島のニュース | 」

それとこのTPPへの参加が通ると、
私がblogで扱うようなポップ・カルチャーの分野にも、大きく影響が及びます。

INTERNET Watch」――
「TPPで日本の著作権は米国化するのか」

これは実に由々しき問題です。
マンガ家の赤松健さんも言及していますが、
これらの要求が通れば、
日本のポップ・カルチャーは致命的な一撃を加えられることになるでしょう。

「保護期間延長」は、優れた創作精神が広く行き渡るのを阻害します。
「非親告罪化」は、企業・政界・官僚とべったりの親米右翼が、
自分たちに都合の悪い主張をするクリエイター弾圧する、
絶好の口実となることでしょう。
また、こうした紛糾を恐れるコンテンツ産業のメジャー企業は、
クリエイターの創作活動をこれまで以上に抑圧してくるに違いありません。

ですが、これほど切迫した状態なのに、
コンテンツ産業クリエイターの側からは、
TPPについて殆ど動きがないのです。
去年、あれほど東京都青少年健全育成条例改正反対の問題で、
反対の声を高らかに唱えていたマンガ家の方々、
ちばてつや氏、松本零士氏、秋本治氏、竹宮惠子氏などは、
この問題には未だに何も言及していません。
TPPは都条例以上に、危険な動きであると思うのですが。

原発のときもそうでしたが、
何故彼らは世論・民意を汲み取ろうとしないのでしょうか。
コンテンツ産業に従事する人間にとって、
TPPの問題に触れるのはタブーなのでしょうか。
その癖、都条例のような騒ぎが起こったときには、
「大衆」文化の担い手であるかのように振舞うのですから、
実に嘆かわしいことです。


――さて。話が色々と膨らみましたが、
とにかく私は上述のような理由から、
この国民にとって百害あって一利なしTPPには、断固反対の意を表します。

最後に。
TPPについて、よく分からなくて不安に思っていて、判断を倦んでいる人へ。
少しでも不安に思うのなら、反対の意思を表明しましょう。

「訳の分からないものを『呑み込め』と、声のでかい人が無理強いしてくる」

これほどに理不尽なことがありますか。
それだけでも、拒絶する動機としては十分でしょう。

それでは、今日はこの辺で。

2011-04-21

消費税増税は内需縮小を生み出し、復興を遅らせる


このところ震災復興のため、
消費税3%増税という話が持ち上がりはじめていますね。
 
「消費税3%上げ案が浮上=期間限定、復興債償還に―政府(時事通信 4/19)」
 
「世に倦む日日 復興財源の政治 - 景気への懸念や対策が全然出ない」
 
このような「復興の財源を消費税で賄う」といった話は、
震災直後から一部で囁かれていた話ですが、
ここにきてまた持ち上がるとは、正直言って信じられませんでした。
どう考えても、これで震災による経済的損害が賄えるとは到底思えません。
 
そんなことをしたら、
被災地の人々にさらなる負担を与えることは必至のことでしょう。
国家戦略相の玄葉氏は
「被災地に負担はかけないよう、還付などの配慮を考えている」
などと言っているようですが、一体どうするつもりでしょうか。
東北3県などの広範囲に甚大な被害がでたところ以外の、
関東圏における局所的な被災地の方々はどうなるのか、
玄葉氏に問い詰めたいところです。
それともそこまで細分化した対応が、
今の政府官僚にできるとでも言いたいのでしょうか。
 
「消費税増税なら被災者への配慮可能〜玄葉氏(日テレNEWS24 4/19)」
 
それに消費税の増税は内需縮小を生むことと、
これまで散々議論されてきました。
現在はただでさえ「自粛」ムードや原発による風評被害で、
消費が冷え込みがちであるのに、
これ以上消費者層の購買意欲を萎縮させたら、どうなることでしょう。
結果として、復興に必要な経済活動を縮小させることになるのは、
必然的ではないのでしょうか。
 
そしてさらには、各種企業・自営業への打撃という面でも
大きな懸念が考えられます。
消費税はこれまでも、中小企業や自営業に大きな打撃を与えていきました。
 
「消費税・・・弱肉強食の悪魔の税か - 矢嶋武弘のページ - Yahoo!ブログ」
 
今回の増税は、確実にその追い討ちをかける結果になるでしょう。
もし企業がつぶれれば、雇用の創出が見込めなくなります。
被災してこれまでの産業を営めなくなって人や、
この震災で間接的に経済的打撃を受けて、倒産や解雇の破目にあった人は、
どこで働けばいいのでしょう?
結局、大企業の寡占を一層促進化させることになるのではありませんか。
 
消費税増税は、
中小・自営業税滞納→消費縮小→中小・自営業倒産→雇用削減→消費縮小、
という内需縮小の負の循環を生み出し、畢竟、経済活動を滞らせてしまいます。
日本の景気を悪化させての復興とは、一体誰にとっての復興なのでしょうか。
 
それでは、今夜はこの辺で。

2010-11-03

大学祭終了

三日間続いた大学祭が終了しました。
今年も大変だったけれど実に楽しく、あっという間の三日間でしたね。

私たちの主催する、講師2名をお招きしてのシンポジウムは大成功しました。
今日、「対立する米・中――、経済・軍事面での角逐を深めるアメリカと中国」
などと銘打った企画に来る学生も少なくなり、なかなか大変です。
そんななかですが、他大学の学生の方やお客様が何人かお越しになり、
講師同士の討論もあって、
全体的に互恵的なシンポを催すことができたのは、嬉しかったですね。
情勢が混迷する現在だからこそ、こうした場は必要です。
それを提供し続けることに、これからも頑張っていきたく思います。

この頃ですね、どうも日本の外交・経済情勢に
何かと波風が押し寄せております。
TPP(環太平洋経済提携)であるとか、
メドベージェフ露大統領の北方領土訪問であるとか。。。
ただ今はこれについて詳しく言及する気力がありませんので、
また詳しくはTwitterなどで発言していきたいと思います。

それでは、今日はもう疲れているのでこの辺で……。
おやすみなさい。

2010-09-15

菅・ネオファシズム政権確立

先日の民主党代表戦ですが、菅総理が結局勝利しましたね。
ある程度予想が着いていたとはいえ、
今後の我々の暮らしに不安をもたらす結果になりました。

菅氏は政権発足以来、
非常に新自由主義―ネオ・ファシズム的な政策を提案してきました。
まず参院選の争点にもなった「法人税15%引下げ・消費税5%引上げ」ですが、
今回の続投を尻押しにして、このまま強引に進めると考えられます。
彼はしきりに「ギリシャの轍を踏んではならない。そのために増税は必要」
と言っていますが、
ギリシャは2000年から2010年の間に
「法人税減税・付加価値税(消費税)増税」をして、
あの大混乱へ陥ってしまったのです。
菅氏はギリシャ危機から、一体何を学んでいるのでしょう。

「日本共産党ホームページ」
「消費税10%に増税 4人家族で16万円負担増/日本共産党は消費税増税に反対」
「菅首相は、全く的外れ/ギリシャの財政危機から何を学ぶのか?」

また菅政権になってからというもの、
連日のように日本海域で行われる米・韓との合同軍事演習や、
菅氏の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」による、
非核三原則に武器輸出三原則等々の見直し提案など、
極めてタカ派の防衛政策が実際に行われています。

「東京新聞」
「新安保懇報告書 非核三原則見直し修正:政治(TOKYO Web)」

これら急進的な軍拡の背後には、アメリカの意向があることでしょうが、
そこには対中国という観点が欠かせません。
中国は近年、軍事力をメキメキ増強させてきまして、
最近では、黄海で軍事演習を行おうとしたアメリカ
退けてしまう程の存在になりました。
これに対してアメリカは、
日本の沖縄を東アジアにおける最大の軍事拠点とし続ける腹です。
「5月末の日米合意を踏まえる」と首相会見で言った菅氏は、
何としても辺野古新基地建設をゴリ押しするに違いありません。
名護市議選で県内移設反対派が勝利したばかりですが、
まだしばらくは予断を許さない状況になりました。
今回の代表戦の結果は、
11月の沖縄知事戦にも暗雲をもたらしたと言えるでしょう。

これからしばらくの間、玉座に腰を掛け続ける菅内閣ですが、
その動向は今後とも注視していかなければなりませんね。