旅人の手記 二冊目 - 蝉海夏人のブログ -

2014-05-25

『コミティア30thクロニクル 第1集』読みました




先日コミティア30thクロニクル 第1集』(編・コミティア実行委員会)を読了しました。
感想を書こうと思ったのですが、大変多くの作品が収録されているため、
気になったいくつかの作品だけ言及したいと思います。
全体の感想については読書メーターの方に上げているので、こちらを参照ください。


※『作品名』(作者名/サークル名)

サンディ迷いの森の仲間たち』
内藤泰弘/鴨葱スウィッチブレイド

トライガン』で知られる内藤泰弘さんが初めて作った同人誌より。
私が初めて読んだのは、一昨年出た個人誌総集編『S.Flight』だった。

真に素晴らしいエンターテイメント作品である。
ハイセンスなデザイン、緻密な世界設定、エシカルなテーマと、
現在の氏のエッセンスは、初作品において既に顕然としている。
前にティアズマガジンで中村さんが絶賛していたが、
この作品を最初に掲載したのはベストな判断だったと思う。


メイドさんは魔女』
武内崇/竹箒)

あのTYPE-MOON武内崇氏が『月姫』発表とほぼ同時期に発表したコメディ。
率直に言って、指や手のデッサンや背景がかなり不安定。
月姫』と同時進行だったことを考慮しても、これはきびしい。
特長であるシンプルながらもキャッチーなキャラデザは良いのだが……。
内容は可もなく不可もなく。
氏の特徴である、メイド愛だけはしかと分かった。

あとオノマトペや書き文字のセリフに、内藤泰弘氏の影響を感じた。


『開けっ!』
あらゐけいいちヒマラヤイルカ

『日常』(角川書店)で有名なあらゐさんが、連載前に発行した同人誌
内容は、ほとんどが小説家志望の少女の独白で占めている。
この手のモティーフはともすれば、著者の自意識に比重がかかり過ぎて、
作品としての完成度を阻害してしまう危険性も高いのだが、
これは演出が上手く、充分に一つのエンターテイメントとして成立している。
最後のモノローグがタイトル・表紙につながっているという構成も良い。

余談だが本誌はこの作品の他にも、
同人誌を作ってみた。』双見酔/下り坂道
シマウマにはシマがある』(BELNE/アートファクトリィ)
『R.P.E』TAGRO/放送塔)など、
クリエイティブな趣味や職業をテーマにしたものが多い。


『余命100コマ』
(おーみや/Happa)

評判が良くしょっちゅうタイトルを耳にするので、気になっていた一遍
死神に余命100コマと告げられた女の子のコメディ。

一言でいってしまうと、発想の勝利といったところ。
この手のメタ的なモティーフは作者の自己満足に陥り易い危険性があるが、
本作はネタとして巧く本筋に落とし込んでいる。
マンガという表現媒体の可能性の拡張に挑戦した、秀作。


『SUMMER SONG』
(南研一/Parking)

まったく予備知識なしで読んだ。
あとがきによると著者は現在、マンガを描いていないようだ。

内容は一昔前に流行ったようなディストピアSFに、
青春の葛藤と自意識を絡ませたようなストーリー。
灰色の世界において、青年達が「物語」を求め
青臭く身勝手で純粋な意志を尖らせていくドラマツルギーは、
ポストモダン的というか脱構築的というか――、
まあこのあたりからも80〜90年代的なニオイがする。
けれども、だからこそ創作同人らしいというか、
コミティアらしさ」を感じる作品であるとも思った。
本作を最後に掲載した意図はなんとなく分かった。

2013-05-05

COMITIA104お疲れ様でした!

本日はCOMITIA104に行ってきました。
前回と前々回も行っていないので、昨年の夏(COMITIA101)以来ですね。
こうしたイベントはしばらくご無沙汰だったので、
久しぶりにうんと羽を伸ばせた気分です。

ご訪問先の各サークルでは毎度皆様ご親切に接してくださり、
感謝の念に堪えません。
購入しました同人誌の感想は、後日皆様に個々お伝えしたく存じます。

ご参加された皆様、本当にお疲れ様でした!

2012-12-30

冬コミで売り子やります

こんばんは、蝉海です。
明日のコミックマーケット83ですが、
今年もたかひろさんのスペースでお手伝いすることになりました。
サークル情報ですが、

「東ハ33b たかひろ的研究館」

です。
今回頒布する本ですが、エニックス(スクエニ)系作品の中で、
アニメ化されたもの全ての紹介・レビューとなっております。
詳しくは、たかひろさんのホームページをご覧下さい。

「たかひろ的研究館」―「日記(12月30日分)」
http://enixcomic.fan-site.net/diary/diary12c.html

以上、連絡まで。

2012-09-05

COMITIA101に行ってきました

どうも、こんにちは。蝉海 夏人です。
こっちでは、お久しぶりですね。

この間の日曜ですが、COMITIA101に一般参加してきました。
行程ですが、まず面識のある作家さんのところに挨拶に回った後、
その後おざわゆきさんのスペースと内藤泰弘さんのスペースをご訪問。
このお二人の作品は「ティアズマガジン」にも掲載されていたので
今回購入してみることにしたのですが、個人的に大収穫でした。
というわけで、今回のコミティアで特に印象に残った
このお二人の作品をそれぞれの紹介することに致します。


『凍りの掌』(おざわゆき)
作者の父が語るシベリア抑留記を、マンガにしてまとめたもの。
キャラクターの造形は独特で、どこか牧歌的な雰囲気を湛えているが、
内容は極めて過酷。
基本的には主人公の小澤昌一(作者の父)の視点で進むのだが、
時折、後から知った歴史的事実が付記され、
「シベリア抑留」という歴史的事実を多角的に掘り下げていく。
とにかくページをめくらせる力がすごく、
帰りの道中で一気に読み終えてしまった。
イデオロギーに囚われず、万人に読んで欲しい傑作。
なお当日はおざわ先生ご本人がスペースにいて、
直筆イラストを書いて貰うことができた。

『S.Flight』内藤泰弘
現在「ジャンプスクエア」で『血界戦線』を連載中である
内藤泰弘さんの同人誌短編集。
収録された諸作品の執筆時期は、1989年から1997年とかなり古い。
けれども、独特のハイセンスなキャラデザと世界観は既に完成されており、
また「異なる階級・人種による交流」「遠い場所への憧憬」
といったモティーフは、代表作『トライガン』にも通じる。
著者のファンなら、買って損はない。
また当日には内藤先生ご本人がスペースにいて、
筆者は
「『トライガン』中学の頃から読んでました」
「卒業の時の寄せ書きに
 『未来への切符は いつも白紙なんだ』と書きました」

などとミーハー丸出しな感想を先生にぶつけてしまった。猛省。


というわけで、コミティア101を満喫してきたのでありました。
イラストをくださったおざわゆき先生、話をしてくださった内藤泰弘先生、
また毎度訪問する私にいつも良くしてくださる皆様、
誠にありがとうございました。

2012-01-04

さよなら、2011年。ようこそ、2012年。


あけましておめでとうございます。蝉海夏人です。
皆様、昨年度は大変お世話になりました。
この場を借りてお礼を申し上げたく存じます。

それでは早速、昨年の振り返りと今年の抱負について述べたいと思います。


方々で言われていることですが、
2011年はまさしく激動の年でありました。
民衆による大規模なデモや、辣腕の独裁者・資本家の失墜・逝去など、
国際的にも後に大きな影響を残すような出来事が頻発し、
日本国内でも様々な出来事が起こりました。

3月11日の東日本大震災、およびそれに触発されて起きた福島原発事故は、
未曾有の被害をこの国にもたらしました。
この大災害は命や住処を奪うだけでなく、
国民の精神的秩序をも揺るがしたといえるでしょう。
このような民衆の不安は国内における社会思潮全体に、
大きな影響を与えることになりました。
ですが、マンガやアニメなどのポップ・カルチャー(大衆文化)が、
そうした民衆の不安を十分に反映していたかどうかは、
大きく疑念を抱かざるを得ません。

日本国民は、これほどの災禍を巻き起こした官僚や東京電力、
及びそのような中でもTPPや消費税増税を押し進めようと現政府に、
強い怒りと疑念を膨らませております。
ですが、ポップ・カルチャーの担い手であるクリエイター達の中に、
彼ら権力者に責任を問い質し、
現代社会の中に根付く倫理的・構造的問題を抜本的に問い質そうとする人は、
殆ど見受けられませんでした。
これでも彼らは、民意を反映しているといえるのか……。
今後もポップ・カルチャーの動きには、
批判的に注視し続けていきたいと思います。


さて。打って変わって、今度は私個人の話。
私にとっても、昨年は劇的な年であったといえます。

まず何よりも大学を退学をしたことが、
私にとって今年の中で一番大きな出来事であったといえるでしょう。
現在は再入学を目指し、日々アルバイトに励んでおりますが、
このような生活の変化は、今まで続けてきた創作・文筆活動に対しても、
再考せざるを得ませんでした。
それでは、私のこの現状を踏まえたうえで、
昨年度の活動を振り返りながら、今後における抱負をまとめたいと思います。


まずオンラインでの活動。
去年は「facebook」や「the interviews」といったSNSに加入しましたが、
芳しい成果は特に得られなかった一年でした。
むしろ一昨年よりも停滞してしまったのではないでしょうか。

どうしてこうなってしまったのかというと、
それはやはり私の「やる気」が少し衰えてきたからでしょう。
先の震災や、上述の一身上の都合もあり、
精神的にも参っていた時が多かったというのもありますが、
それは言い訳であって、本当のところは活動に行き詰まりを感じ、
意欲が減じてしまったというのが、一番大きなところです。

この低迷した状態を一番良く表しているのは、
今運営している論説ブログ「旅人の手記」です。
アクセス数は更新日で10人ちょっとくらいで、一日平均5人ほど。
コメントやトラックバックも殆どなし。
更新も隔週にしてしまいましたし、
客観的に見て発展性がほぼ見受けられない状況ですね。

そうした状態になってしまったのは、
正直私のマンガ評論に対する熱情が、
さほどではなくなってしまったというのもあります。
この一二年は、
先に述べたようなポップ・カルチャーに関する思潮の堕落もあり、
インターネットで文化論・創作論・作品論を
何時間も苦しんで執筆することの虚しさばかりが心中を占めていました。
それがここに来て、一気に噴き出てしまったような感じです。

一方で、オフラインや同人の方は少しずつですが、
発展の兆しが見え始めてきました。

コミケやオフ会などで、
ネットの知り合いの方や同人作家の方とお会いする機会が増え、
これまで紡ぎ上げていった関係が、
さらに強いつながりになっていったように思えました。
インターネットで、ああも停滞した状態に陥ってなお、
冬コミにサークル参加を申し込んでみる(落選したけれど)
などといった行動に出られたのは、
皆様のご厚意が支えになっていたからこそのことでしょう。
これからもこうした「人のつながり」を、大事にしていきたく思います。


さて。振り返りが少し長くなってしまいましたが、
ようやく今後のお話に移ることにします。

まずオンライン上の活動ですが、
論説ブログはこれ以上更新頻度を上げるのは、正直不可能です。

現在、同人誌制作(後述)以外でオフラインにおいて、
とある活動を開始することを計画しており、
そのことに昨年度は大幅に時間を費やしてきました。
ですので、ブログの更新頻度を下手に変更し、
そちらの方に影響が出るよりは、
現状のペースのままで運営していきたく思うのです。

そのかわり、記事のクォリティとボリュームは前年度よりも、
より高質なものにしていく所存です。

けれど、それでは発展性という点で限界があることは、
既に知っております。
ですから、私は別の手をいくつか既に考えております。
それは、新たなブログの作成です。

この「旅人の手記」自体元々敷居が高いもので、
読者をかなり選ぶブログとして周知されているのが現状です。
ならば、もう少し敷居を下げた内容のコンテンツを新設すれば良いのです。
そこで私は、かねてより考案していた計画を、
ついに実行することにしました。

それはmixiの日記のアーカイブを、外部ブログとして作成することです。
ようするに、ここのことですね(笑)

ここに書くのは、基本的に近況や簡単なコラムであり、
「旅人の手記」よりもくだけた話題の内容がほとんどです。
これなら、
mixiの日記のようなアピールする方法が限られるような媒体よりも、
誰でも見られる外部ブログの方が、読者を集め易いと考えられます。
現に、アクセス数は開設二日目にして1100を超えていますしね。
――単に、目新しさで来られているだけなのかもしれませんが、
このペースの半分でも、今後ともキープしていきたく思います。
また、私にかかる負担も今までと大して変わらずにすみますので。

現在、過去に書いたmixiの日記の記事を、
こちらへどんどん転載しております。
今後はmixiの日記の記事を執筆しましたら、
こっちと同時掲載となりますので、
皆さんどうかご期待頂ければと思います。

オンラインでの活動はまだまだ考えているのですが、
それについて話すと長くなるので、またの機会にします。


さて、次はオフライン。
こちらは特に、同人誌即売会へのサークル参加をしようと
計画しております。

これは一昨年辺りからずっとやりたいと考えていたのですが、
どうしても一歩踏み出すことはできずにいました。
けれども、何度かたかひろさんのところで売り子を経験し、
イベント参加の流れや同人誌の作成方法も大分掴めてきたこともあり、
ようやく冬コミのサークル参加を申し込むことにしました。
今回は残念ながら落選でしたけれども、また夏には申し込むつもりです。

また、コミティアにもサークル参加しようかと現在思案しております。
こちらはコミケとは違って、小説を執筆するつもりです。
近いところでは、コミティア100を予定しておりますね。

それと「文学フリマ」というのもあります。
こちらは、評論か文字媒体のオリジナルオンリーというイベントで、
以前から興味がありましたが、行ってみたことはまだありませんでした。
初夏と晩秋の年2回開催するようですので、
今年は一般参加してみようかと考えております。


さて。取りとめもなくつらつらと述べてまいりましたが、
オンライン・オフラインともに精力的な活動を続けていくことで、
今ある「人のつながり」をより有機的なものとして機能させ、
かつさらなる発展を積極的に狙っていこうと、今年は考えております。

それと先に「旅人の手記」の節で述べましたが、
この一年ほど、私はオフラインにおいて同人活動とは違い、
もう一つのプランをずっと立てて参りました。
こちらについては、まだ詳細を申し上げる訳にはいきませんので、
時期を見て皆様にお伝えすることに致します。

それでは、蝉海夏人の今後の活動にご期待下さい。
本年度も、どうか宜しくお願い申し上げます。