右手首痛とダカールでの洗車機場ビジネスについて

今日は、9時から12時まで会計、13時から15時までがマーケティングのテストでした。

実は大学時代、会計の授業を取って不可をとった経験があり、なんとなく嫌だなぁと思いながら迎えた試験。

すんごく、量が多くてびっくりしました。
15ページの問題用紙で、前半5ページが選択式(会計の原則に関するものや、簡単な財務諸表の一部を出して、数字を計算させる)で、残り10ページが論述。
選択式も、どう考えても授業で出ていないだろうというものがあったりしてかなり手こずりましたが、後半の論述が大苦戦。やることは簡単なのですが、何せ出てくる数字の数が多くて、(ある意味試験だから当たり前かもしれないけれど)電卓は使えるけどエクセルは使えないので、試験時間の少なく見積もっても60%は電卓に費やされた気がする。最後のほうはチェック無しでひたすら電卓をたたいて結果を書き写すと言う作業。右手首が痛くなりました。
一応会計の知識を持っている自分でもこんな状態だったので、それ以外の人は惨憺たる結果だったようで、いろいろな人と話をしてみると、回答したベースで60%位。計算間違いとかそもそもの計算方法の間違いとかも考え合わせれば、クラス全体の平均点は50点を間違いなく切ると思う。
今回のMBAのコースは「一つでも試験を落とすとアウト」という建て付けになっていて、さすがに50点を切る回答に可は出さないと思うのだけれど、一方でその基準だと、近いうちにクラスのかなり多くの人が消えることになる。それはさすがに大学側としては避けたいところだと思うし。。。どうするのか、興味深いところです。

マーケティングは一転して、時間的にかなり余裕のあるケース。
ケースと言っても、「ダカールで新しく洗車機場を作ろうとしました」というのが書いてあるだけで、それに対して、1.どういうニーズがあるか、答えなさい、2.ニーズを探るために必要な情報にはどういうものがあるか答えなさい、3.どういうポジショニングを取るのが良いか答えなさい、4.事業立ち上げに際してとりうるマーケティングの内容を答えなさい、と言ったもの。まあ、普通に書けば、落第は無しな感じ。

ちなみに僕の回答は、簡単に書くとこんな感じです。
書きながら、なんだか当たり前のことばっか、と思いました。。。
1.ニーズ
法人:タクシー事業者、レンタカー事業者のコスト削減ニーズ
個人:洗車する人を雇っている場合には、その分のコスト削減、そうでない場合には、洗車を簡単に済ませたいというニーズ

2.情報
ダカールにある車の台数と、内訳(タクシー(※)、レンタカー、個人、その他)
洗車の頻度
洗車コスト
※ただし、こちらのタクシーは、一見して明らかに「洗車機に通したら、水漏れしてショートして壊れる」ものが多く見られるので、洗車機に耐えうるような車の台数が知りたい。

3.ポジショニング
設備装置産業なので、設備をまわしてナンボ。なので、安くて、手軽に利用できる、デイリーユースのサービス。

4.マーケティングとしてやること
マーケティングの試験なので、4Pでとりあえず整理。
Product
 洗車機による洗車
 簡単なチェックとメンテナンスサービス(無料)
 車内クリーニングサービス(有料)
 出張サービス(忙しい人向けに、家まで車を取りに行って、洗って返してあげるサービス)(有料)
Price
 人を使って洗うよりは安い価格
 サービス開始当初のみのオマケ(ガソリンのクーポンとか)
 10回洗車で1回サービス
 会員サービス(日本のガソリンスタンドがやってるやつと同じ)
 法人とは、長期固定契約で若干安めに
Place
 人が集まりやすくて、車のアクセスが比較的良いところ。スーパーの近くとか
Promotion
(現時点で多くの人が洗車機と言うのを知らないという前提で)
 雑誌とか看板とか、とりあえず人の目に付くところに露出
 ガソリンスタンドでチラシを配る

まあ、マーケティングの授業なのでこれでとりあえず及第点は取れるかなと思って終了。

ちなみに実際には、リサーチ次第ではあるものの、かなり難しいのではと言うのが直感での結論です。
1.洗車機場で洗うためには、洗車機使用料と洗車機場までの交通費が必要。直感的には、法人でも個人でもドライバーを抱えているところであれば、自分のところの駐車場でドライバーに余った時間に洗わせれば、普通に考えれば安くなると思うし、「車洗わなくてもいいから」と言っても、ドライバー雇い料は、(きっと拘束時間で値段が決まるから)ほとんど変わらない。クオリティも、人がやるのと洗車機がやるのとでは、体感的にはあまり変わらないと思うし、不満があったとしても、ドライバーに指示すればある程度はコントローラブルでしょう。
2.そうすると残るのは、個人でドライバーを抱えていない人々が、自分で洗う手間を省くために使うというシチュエーション。でも、車好きな人は、自分で洗うことも十分楽しいのであって、それを洗車機で、と言う人はあまりいないのでは。車にあまり興味が無くて普段からあまり洗わない人は、面倒だから洗車機を使うかもしれないですが、それだけだと採算ベースには中々乗りづらいと思う。(逆に言えば、こういう人々が膨大にいればチャンスはあるかも。でも、ドライバーをつけることがかなり浸透している文化なので、それほど多いとも思えない。。。)

じゃあ逆に、断ると言う選択肢無しで、洗車場を運営しないといけない立場に追い込まれたら、どうするか。
厳しいけれど、上記に書いたような方策を取って、新規・リピートの顧客を広げつつ、いかにローコストオペレーションを実現するか、ということに腐心することなるかなと思います。あとは、事業ドメインを単なる「洗車サービス」から「自動車購入後のトータル面倒見サービス」と言う形で拡大することを模索します。例えば現在の洗車機場の稼働率が低ければ、スペースの一部をいったん更地にしたうえで、自動車修理工場、車検、自動車保険、パーツ販売店、にするなど。競合も増えるけど、少なくとも対象市場は大きくなるので、まだやりようがある、かもしれない。