Melancholia
『メランコリア』鑑賞
『ひとめあなたに』*1の映画化(うそ)
ホームビデオ風の手持ちカメラの映像に酔っちゃって、前半はトイレに行こうかどうしようか、絶不調で鑑賞。後半は多少慣れたけど、それでも疲労困憊。あのカメラワークは、あまり意味がないと思うんだけどなぁ。
究極的な世界破滅ものとしては、その映像は圧倒的。舞台を街中ではなく、田舎の一軒家(豪邸だけど)にしたのが巧みで、精神のバランスを欠いた主人公だからこそ、破滅を静寂の中で迎えるという『渚にて』*2と似た破壊力。一方で、その小さな世界は地球全土の様子の縮図であることが端的に示されている。
だからこそ、時間軸も結婚式の一日の物語にして欲しかったかなぁ。
主演のキルスティン・ ダンストは不安定な精神のキャラクターを好演。
TINTIN ET MOI
『タンタンと私』鑑賞
久々にアップリンク行ったけど、見やすい席以前に、座り心地のいい椅子を取るのは相変わらずだなぁ(笑)
作品は、『タンタンの冒険』の作者エルジェに対する、30年以上前のインタビューを元にしたドキュメンタリー映画。
エルジェって、手塚治虫と池波正太郎を足して、2をかけた感じ? 漫画家で、あそこまで記者が集まる様子はの本ではイメージしにくいなぁ。
カトリック神父でもあった編集長の後ろ盾で、ストレートなプロパガンダ漫画だった、というショッキングな事実から始まる。
タンタンに女っ気がまるでなく、ハドック船長との関係性がゲイゲイしいなぁ、とは思ってたんだけど、デビュー当時の編集長との関係や、全く(最初の)奥さんのことを話さない様子を見ていると、いろいろ考えちゃうよね。
また、タブーなんだろうけど、戦中の責任問題は語ろうとしないし、カトリックだったことから、結構右寄りの人だったんだろうなぁ。
まぁ、その辺を無視しても、彼の精神上たが如実に反映された『チベットをゆく』*1や離婚後に登場するカスタフォーレ夫人、彼の気に入っているコマの話などは非常に興味深い。
ポップアートに憧れていて、本名で抽象画を描いたものの、酷評された話など面白い(笑)
『タンタン』のファンでなくても、漫画好きなら、作家の状態と作品の内容の関連性が見て取れるのでオススメ。
パンフも小野耕世先生のコラムもあっていいんだけど、誤字多すぎ……
TUCKER&DALE VS. DEVIL
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』鑑賞
『ラバー』の記憶が生々しいけど、またもや「未体験ゾーンの映画たち 2012」に行ってきた。
ちょっと間抜けだけど、気のいい山男のタッカーとデイルは、夢のコテージを入手し、二人で休暇に。一方、彼らのそばではセックスしか頭にないような大学生たちがキャンプしていた。女子大生が溺れているのを助けた二人だったが、彼女の仲間たちは殺人鬼にさらわれたと勘違い。自分たちで救いだそうと襲いかかるが、なぜか死体の山が……
もう、カワイソすぎ(笑)
山奥でチェーンソー振り回してきたら、逃げますよ。
『13日の金曜日』*1を代表とするスプラッタージャンルをネタにしたコメディ映画。
そんなわけで、湖畔のキャンプ場・馬鹿な学生・殺人鬼という三段論法さえ頭に入ってれば、間違いなく楽しめるはず。
スプラッター版『ショーン・オブ・ザ・デッド』*2的な触れ込みだったけど、あちらよりテンポも笑いも上。多少血しぶきは多いけど、純粋にドタバタは笑える。ちょっとまとまり過ぎで優等生な感がなきにしもあらずだけど。
ラストも、いかにもスプラッターシリーズのお約束を守ってていいなぁ。
かなり面白いと思うんだけど、こういう小さい上映はもったいないなぁ。とは言っても、大きな箱にしたところでガラガラだろうけど。