Life of Pi



『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』鑑賞
『パイの物語』*1の映画化。

カナダ人作家のヤン・マーテルが2001年に発表し、ブッカー賞を受賞した世界的ベストセラー小説「パイの物語」を、「ブロークバック・マウンテン」「ラスト、コーション」のアン・リー監督が映画化。乗っていた貨物船が遭難し、一匹のトラとともに救命ボートで漂流することになった少年パイのたどる運命を描く。1960年インド・ポンディシェリに生まれた少年パイは、父親が経営する動物園でさまざまな動物たちと触れ合いながら育つ。パイが16歳になった年、両親はカナダへの移住を決め、一家は動物たちを貨物船に乗せてインドをたつが、洋上で嵐に遭遇し貨物船が沈没。必死で救命ボートにしがみついたパイはただ一命を取りとめるが、そこには体重200キロを超すベンガルトラがいた。

小舟に、人間、トラ、ハイエナ、シマウマ、オランウータンが乗ってるって、吉四六なぞなぞかなんかで、そんなのなかった?


それはさておき。


IMAX 3Dで鑑賞。
まず、映像は非常に美しいので、なるべく大きな画面で見ることをオススメ。宇宙と見分けがつかない太洋の表現も素晴らしく、3Dで観ても損はないんじゃないかなぁ。


原作は未読だから、どれくらい脚色・改変されているのかわからないけど、
小説でよくある「語り=騙り」の技法を、疑う隙を与えないほどの圧倒的な映像で説得力あるものとしている。また、スリリングでユーモラスで、時には神秘的な描写の数々が、「語り=騙り」=「信じること=幸せ」という等式を成立させていく。


以下、ややネタバレ。


トラと漂流するという強烈なヴィジュアルに隠れがちだけど、漂流前にもちょいちょいファンタジックな描写があるんだよね。円周率を書き続けるシーンや、泳ぎが達者なおじさんの嘘くさい体型とか。
また、この映画は聞き手が必ずいるのがポイントで、パイの脳裏に何が浮かんでるのかはわからないし、真相は誰にも証明できない。
だから、各々が信じて幸せになれるものを信じるのが、大局的な幸せにつながるのかな。

バジリコ版『氷』がけったいな値段になってて吃驚。
そんでもって、サンリオ版がお求めやすいという逆転現象!

氷

氷 (1985年) (サンリオSF文庫)

氷 (1985年) (サンリオSF文庫)