業務日誌

2013-12-17 火曜日(晴/曇)@所沢

[]ジョイスII・オブライエン

『第三の警官』の復刊はないと睨んで、このレア本を買ったのに、ギャー! まさか実現するとは!

悔しいので着手(浅ましい)

金目的で老人を殺した男が、何故か突然、こちらとは似て非なる世界転移してしまう。そこは自転車至上主義の世界で、三人の警官が全てを管理していた。そこで彼は無実の罪を着せられ、死刑を下されるが……

かなり変な小説で、異世界に行く前から、主人公は使用人に出し抜かれないように、寝る時までぴったりくっついているというヘンテコさ。

それが異世界に行ってからは、義足同盟、自転車至上主義、主人公にアドバイスするもう一つの人格、無限小の入れ子オブジェ、時間の経過がない来世、など、珍妙なガジェットが次々出てくる。

町内だけしか存在していないかのような狭い(印象の)異世界は、『NOTHING ナッシング*1を思い出した。

さらに、途中で挟まれる、主人公が研究する哲学者奇説


その中でも一番面白いのは、運転中の振動によって原子が入れ替わってしまった自転車人間。自転車との入れ替わりの割合が大きい人間は動き続けないと倒れてしまうし、休むときは壁に寄りかからなければならないのだ!

ここだけ聞くと凄い面白いし、結構紙幅も取られてるんだけど、物語に全く関係ないんだよねw


ある種の地獄めぐり的物語なんだけど、その意味は最後で明らかになる。そもそも、濡れ衣を着せられるんだけど、殺人を犯してるのは事実じゃん、とツッコミ。


ついでに、併録されてる『スウィム・トゥー・バーズにて』も読む。

自分の小説に登場させるキャラクターをホテルに住まわせ、あまつさえ、その一人を妊娠させてしまう作家。

その息子にも小説才能があることに気づいたキャラクターたちは、彼に執筆させ、作家を作品に取り込んで支配しようとするが……

という小説を書いてる学生の物語。

『第三の警官』以上に入れ子構造は複雑化しており、一番上のレイヤーである学生の生活や執筆状況、2番目のレイヤーである作家の作品内作品のキャラクターたちの様子、さらに作家の息子の作品内作品内作品……


構造は凄いんだけど、『第三の警官』の方が読みやすくて面白いかな。