自由意志の定義と、その証明法の提案

【存在論】この文章をディスプレイ上で観測したあなたへ。 あなたが自動機械でなく自由意志を持った存在であることを証明してください。 また、私が自動機械かどうか検証してください。 「あなた・わたし」が人間であるかどうかはここでは気にしません。証明できませんから。


機械代表 『 チューリングマシン 』 の動作を考えてみると、

  1. テープから入力を受け取る*1
  2. 計算を行い、内部状態を変える
  3. テープに出力を書き込む*2

です。
それに対し 『 人間 』 の動作を考えてみると、

  1. 周囲の環境から入力を受け取る*3
  2. 思考を行い、内部状態を変える
  3. 周囲に対して反応を返す*4

ですよね。動作自体に大きな差は無いように思えます。


んじゃ次、チューリングマシンと人間の大きな差。
それは 『目に見えるアルゴリズムの存在』 だと思います。


チューリングマシンは『状態遷移関数の集合』によって計算を行い、人間は『自我』によって計算を行っています。
状態遷移関数の集合は記述された明確なアルゴリズムですが、自我は記述されていない、不明確なアルゴリズムだったりします。自我の存在すら危ういし。


そんなわけで、ここでは目に見えるアルゴリズムに縛られずに計算できることを 『自由意志』 と定めてみることにします。


あとは簡単ですね。
チューリングマシンも人間も、周囲に対して出力できるものは全て何らかの方法で記述・表現できないといけないんです。
その表現をテープに書き込むわけですから。


以上より『記述されていないアルゴリズム』は、周囲に対して出力できないことが分かりました (*ノ∀`)
出力できない自由意志は、そもそも相手に伝えられないですし、証明もできないですよね……。*5



あえて提案するのならば、出力無しで相手に伝えるという道があれば良いので、
例えば相手の手で 『自分は記述されたアルゴリズムに従っていない』ことを調べてもらえば良いんじゃないかと。


結局、上記質問に対する正しい回答は

貴方の手で、私が自由意志を持っていることを証明してください。

ではないかと提案してみます。*6


 

*1:入力無しもOK

*2:出力無しもOK

*3:入力無しもOK

*4:出力無しもOK

*5:悪魔の証明っぽいです

*6:今度は屏風の虎のような展開に(笑