1661. 週刊少年ジャンプ - 26号

エッチな感想が書けなくなった理由は「もう若くないから」の一言に尽きます。これがホントの想像力の欠如です。

 
 表紙は銀魂。黄色い文字だけ読んでも文章が繋がらなくて「???」になりました。手間をかけた割に、すごく…地味です…。
Rootsコラボレーション
 今度は270種以上とトンデモな数。出勤時に見入っちゃうと遅刻決定なトラップ企画。乗降社駅が渋谷な人、南無です。山手線全駅に分散しなかった意図が気になります。今回がそういう方針なのか。実はジャンプフェスタでも展示されるので、そちらを見に行きます。
ジャンプ脳の鍛え方
 『自分が他の作家さんと違う部分はセリフかな』と、前説にて格好良くキメて下さった空知先生。しかし今週本編のセリフは『ストーリーを説明するだけの堅くてウソくさい台本みたいなしゃべり』が非常に多くて台無しです! 以前にボヤいてた『ジャンプ十二傑新人漫画賞』の評価の件もそうだけど、空知先生ってこうした企画モノと時事の相性が悪すぎるんですよ。生き生きとしたギャグパートの掲載時この記事をぶつければ、読者の心象は大きく違ったろうに…。
 『シリアスとギャグの使い分け』なんてのは、自分もブログ更新で心底意識してる部分です。素人のオレが意識する程度のものだから、割とみんな意識してる話ではないでしょうか。そんな”あるあるネタ”、わざわざコメンタリで取り上げるのはショボイというか…。素人のブログの記事じゃないんだから…。ああマズい、ダメ出しばかりの感想になってて暗いよ!
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所(関連)
 6月4日はコミックス最終巻の発売日だわ、SQで『四谷先生の大冒険』が掲載されるわ、ファン泣かせのXデーとなりました。応援してる人は平日真っ直中から、地獄が見えると思います。事前情報で耳にしてたけど、よりにもよって被らせないでー!(嬉しい悲鳴)

健闘枠: トリコ
特集枠: 初恋限定。

* 1 トリコ (島袋光年
分かっちゃいました! 現在のジャンプ編集部には「特殊プッシュ班(通称『突風』)」なる裏部隊が存在するのですね!。『タカヤ』『私立ポセイドン学園高等部』などを手懸けた『突風』。読者感情やアンケート結果なんてお構いなし。「大人気っぽい空気感」を作るためなら、彼らは手段を選ばない! ポセイドンで一仕事終えた翌週から、トリコのプッシュに回るという大胆不敵さ。侮れませんね、突風。

弱点は料理描写?
線が細く淡い表現が必要な『上品な料理』は島袋先生向きとは言いがたく、食事表現の下品さも相まってミスマッチです。島袋先生の品性や画力から逆算して、勝負できる土壌は『野性的な料理』に限定されると思います。異形動物の生け食い、素焼き、丸かじりなど、野蛮な食事なら豪快さは一流です。料理マンガなのに「調理シーンや料理の完成品を省いて勝負する」という矛盾が面白い作品ですね。どうせ冒険や狩猟がメインですから、芸術作品のような料理とは無縁に話を展開できそうな気もします。

不人気の主因となりうるもの
ジャンプの作品人気は『キャラ人気主導』の色が濃いので、人間vsモンスター(捨てキャラ)のバトルでは人気が伸び悩むだろうと危惧します。早々にライバルも登場するでしょうけど、「人間vs人間」が続いては作品性から逸脱するでしょう。そこんとこ、文字通りどう料理するのか、島袋先生の腕の見せ所といったところでしょうか。

設定のインフレ
第二話にして『捕獲レベル』のインフレが壮絶です。Dグレのようにレベル4でも絶望的な敵対性を見せつければ、レベルの概念も説得力を帯びるのですが。巨大恐竜クラスのガララワニを一晩で胃袋に収めてしまうのも、特異すぎるような。ルフィの「ゴム人間」のような説得性もなく、トリコが無敵だからって理由じゃ、今どきの作品にしては、すごくもの足りないですよね。

300年生きたガララワニが命の危機に無知であったという設定も、ピンとこない。じゃあキミ、生まれてすぐの頃とか、5年目とか10年目はどうだったのって話になります。無知ではなく、完全に忘却していたという表現が正解では。「大昔に欠損していた恐怖の感情が蘇った」の方が、よっぽどトリコの強大さを物語れそうなのですが。物語進行に添わないから、その線はボツったのかなぁ。

明確なゴール
「海賊王」や「火影」や「絶対クリスマスボール」など、主人公が最終目標を定めて走り出す作品は、たいへん前向きで気持ちがいいですね。この手口は作品の自由度を損なうとも言われますが、オレは逆だと思っています。1コマごとに「このシーンは人生のフルコースに繋がるのかな?」などと、『予想の幅』や『楽しみの広がり』が膨らむんですよ。

そうでなくともこの作風、既に最強に近しい主人公(人間たち)が大活躍を繰り返す単調な作品になりそうですい。壮大な目標を掲げて、これを主軸に展開するというのは、うまい切り口です。「はいはいトリコ強い強い」では終わらない、期待できる展開を望めそうだし、望みたい! 今後登場するであろうプロフェッショナルな仲間たちももちろん、ドデカい目標を持っていてほしいものです。

『医療費労働』のためにその身を献上するカリファ。下半身が裸同然で小汚いオジサンたちをお世話するソープ嬢の如き振る舞いです。「どうれ… 使い慣らしたこのブラシで、エントツの穴を隅々までゴシゴシ擦ってやろうかね?」というオジサンの声多数です(他意はない)。ますますけしからんふとももですよね。おまえなんかググってやる! イメージ検索で!

500話で魚人島到達の予想とか、まっこと甘い考えでした。シャボンディ諸島で1年以上連載が続く勢いですか。こんなにたくさんのマングローブに対して、どんだけ遅漏かと!(ニュアンス的な他意はない!) 500話の節目で『海賊王の右腕』が登場というのは、いつもながらキザだなあ。第500話を集約すると「わしは若い娘さんが……大好きでねぇ…(遅漏)」です。

天竜人、魚人、人魚、巨人、次世代の海賊ルーキーたち、そして『海賊王の一味』。ここに天竜人との顛末から『海軍本部』の大将クラスも入り乱れ、七武海・ジンベエも控えており、集めも集めての遊園地的展開です。今後の情勢は、展開次第で如何様にもひっくり返りますし、尾田先生だから一筋縄には進まないでしょう。一体いくつもの事件を引き起こし、どいつが何をしでかすのか、もう完全に予測不可能。物語はジェットコースターの如く進展する状況で、今のWJでは群を抜いた面白さを発揮しています。

イタチ戦の意味深なセリフは大抵ダブルミーニングだった素敵な構成。真実を知る前と知った後で二度楽しめる、表裏一体のシナリオって大好物でして。今イタチ戦を読み返すと大変味わい深い。今回の解答編なくしてイタチの心境を察することは不可能なのですが、当時は彼の真意をちっとも見抜けなかったと再認識できました。

素人読者のオレでもイタチの意思を見破れなかったのは悔しかったので、当事者のサスケは相当堪えたことでしょう。結果論ですが、イタチの背景が(読者にだけは)窺視できる言動を全編通して散りばめていたなら、よっぽど感動度を深めたと思えます。今回の解答編はどこか『外伝』的で、物語の主軸から乖離しています。矛盾なく筋も通ってるけど、今さら感は否めません。

ところで、サスケが介抱された現在の時系列が不明だけど、あまり時間経過はないのかな。サスケの一味が完全放置なのは、冷静に考えると滑稽で可笑しいです。最大の注目点は、サスケは今後の身の振り方。マダラと共に暁へ属してナルトと対峙するのも面白い。暁の裏側を知り尽くしてからナルトと共闘って展開でも熱い。

本編とは全く関係ないけど、大蛇丸のハンサミティなドリチン(ドリルな珍棒)を、今度はツーアングルから拝もうとは…。わざわざこのカットを取り上げた理由はナニさ! 許斐先生ばりの確信犯だよね? ええい、岸本先生得意の三カメ演出じゃないのが実に惜しいっ。

これが最終決戦かと思うと寂しい気持ちが先行し、ページをめくる行為すら惜しい気分で読んでいます。そういった心細い気持ちが、第二部から長らく積もった不信感を上回っていて、期待感とは別種の注目度を高めている状態。『次が楽しみで仕方ない』とは別種のソワソワ感が気持ちを支配してる感じです。「石丸さんの地味な活躍もこれで見納め…」と思うと切ない。

石丸を軽々押さえた大和は、阿含戦で見せた能力の伏線か、はたまた超人たるスピードの演出か。モン太vs鷹の初対決は、過去の展開例を見てもモン太に勝因がない。あっさり反撃を許すのだろうけど、これをどう乗り越えるか見物。本作の主人公・ヒル魔に関しては、怪我云々よりも父親との絡みに注目したい。かなり引っ張った伏線だものね。

高校の文化祭の時、出し物で「等身大すごろく」を作りました。オレはまさに教頭ポジションの罰ゲーム班。無茶なアイデアを量産しては無理やり実現しようと模索し、アホやった記憶が呼び覚まされます。受験のストレス発散にもなったし、すごく楽しかったなあ。本編のように、汚れたり危険だったりな罰ゲームは作れなかったけど!

落とし穴に落ちたら生卵とか、ものすごくエロスですよね。卵やらフルーツの果汁やらでウェットに汚れる様は、ものすごくセクシー! 例えチョメチョメマスから、スイカやグレープフルーツの果汁がどろどろ垂れてきても、受け止めるセクシーキャラは居ないけどさ…。そうかこのマンガ、セクシー担当が不足してるんだ。

仮面の軍勢』の成り行きを、ここまで詳細に解き明かす展開は予想外だったので、嬉しい誤算です。戦闘が長期化することなく、淡々と進展することを望みます。平子が藍染を意味深にけん制している理由も曖昧なままですし、まだまだ波乱続きの展開が期待できそう。

仮面の軍勢の8人とも一度「内なる虚」に飲まれ、浦原の研究で再起を図る流れでしょうか。この際、死神と虚の境目を崩す『崩玉』の創造に至るとか。現代で平子たちが仮面に詳しかったのも、この事件とその後のリハビリ生活(?)あっての知識だったのでしょうね。

当時の浦原は鉄斎より(力量が)格下のようで。どのような事情から現代のような関係に着地するのか、そのあたりの言及が楽しみ。彼らが現世に渡る理由は、ひよ里たちへの責任感という筋道でしょうか。「浦原商店」を構えた理由の一つに『仮面の軍勢』絡みの私情があったとか。他の現世組(夜一、一心、雨、ジン太)あたりにも言及が及ぶと嬉しいです。

先週は絶体絶命の「引き」が上手く、一週間中ずっと続きが気になりました。先週時点での、物語の大きな課題は二点ありました。一つ目は「どうやってエルーを救うか」。二つ目は「どうやってゼズゥを退かせるのか」。自分は当然、後者に注目していました。『圧倒的な敵が雑魚な主人公を見逃す言い訳』というのは、その上手い下手で、作家レベルの腕前が推し量れます。

「どうやってエルーを救うのか」。打開策は「ふれあい」のフレアでした。一般ドラマで喩えれば、敵の指をかじって窮地を逃れたレベルでしょう。能力で解決する点はジャンプらしいですが、正直インパクトに欠いた感は否めません。同様の解決策でも、表現次第で納得の描写になった気もします。ゼズゥのグローブを破ったような瞬間を目視しづらいのが主因かも。

一方で、その行為が「どうやってゼズゥを退かせるか」の理由に繋がる点は評価できます。フレアの能力者は他にも居て、ガゼルメンバーの知るところ。新たな謎を提示して、二人の旅立ちに不安を煽りました。鴉と銘打った通り「不吉」を残したのは、なかなかの幕引きだったと思います。この事件を経て、キリに重々しく圧し掛かった使命感が、読者(こちら)側までズシリと響きました。

シスターを助けに戻る善悪の作中問題は、助けたシスターからありがとうの言葉をもらった、という解答でした。誰かを助け関わり協調する「ふれあい」の行使は、本作において絶対の正義なんだ! 一連の騒動から、そんなメッセージ性を受けました。

いかに合体魔法を駆使しようと、超絶たる破壊力のメラには適わない! 圧倒的な実力差を創意工夫で挽回する、先週までの筋書きは非常に納得いったのに。最終的にはパワー対決になっちゃってない? 晴れの活性で瓜が真価を解き放つまでの友情展開は熱い。友情・努力が揃ったので、次週こそ決着でしょう! …とか思ってるとまさかの過去編が始まるのも、ジャンプの王道展開。

* 9 PSYREN-サイレン- (岩代俊明
ダブルアーツ同様、続きを待ち望んでいた今話。サイレンの死にやすさはに定評があるし、新キャラも続々登場したし、そろそろヒリューは即死ゲームオーバーでもいいよね、南無。…なんて思ってたら、生きてたぁ! 嬉しいような微妙なような…。

そりゃあ、不運気質なヒリューくんの「とんだピエロっぷり」は大好きですよ。でもね、『主要キャラは死ににくい』レッテルを貼ると、サイレンが原点の面白さを損なっちゃう。ジャンプマンガなのに難易度「ハード」だから異彩を放ってるのに、これはちょっとなあ…という気分でもあります。だけど、生きててよかったねヒリュー! 雨宮さんに抱かれてよかったねヒリュー!(意識ないけど)

アゲハのSAIは変形が凄まじく、呆気にとられ、後半はヒリューくんの件も消し飛びました。美味しいところは全部アゲハに持っていかれます。生粋の当て馬気質だなあ!

* 10 ぬらりひょんの孫 (椎橋寛)
例のイヤ顔で「つかまりにきたのが目的」と言い切っちゃう清継くん。『イヤキャラだけど憎めないバカ』という絶妙なバランス感で愛嬌よし。ラッキーマンでいくと『スーパースターマン』のポジションですよね。きっといつかどこかで役に立つキャラ! 椎橋先生は「素でバカっぽい」セリフを作るのが本当にお上手です。個人的には、旧鼠が仲間の名を人間名で叫でたシーン、あそこは実にお馬鹿で大好きでした。

牛鬼達との直接対決は、全三戦のバトル展開へスライドするのかな。馬頭丸がゆらを襲って、妖怪vs陰陽師の一戦に期待したい。着替えたばかりで乱れた浴衣。その髪は濡れたまま。操り糸で肢体の自由を奪われ、帯を断ち切られ肌を晒し、無数の糸でギチギチに縛られ「その糸は動けば動くほどいろんな場所に食い込むぜ…フヒヒ」的に攻められると予想しておきます! オレらの中ではもう完璧にゆらちゃん=お色気担当です!

雪女を意識しまくりカナが引き続きイジらしいです。リクオへの不信も相まって嫉妬の度合いが急上昇。これをキッカケに、カナはリクオへの感情を恋と認識しちゃいそうなラブコメ具合だ。牛鬼との抗争より、リクオの三角関係を観察してる方が楽しい! 蘭がコナンの正体を疑うイベント的な側面があるのかな。既に定員オーバーの気もするけど、後方の青田坊は活躍の場をもらえるのかな…。

* 11 銀魂空知英秋
夜兎族を一気に三羽も大量投入、俄然燃えてきた! 『春雨』が絡み高杉率いる鬼兵隊の登場も薄ら見えます。春雨vs万屋の因縁を一層に深めそう。春雨と本格抗争を前に、神楽にも戦う理由を作ったのは良い意味でテコ入れとして作用しそう。メインエピソードだった晴太が思いっきり蚊帳の外な件を覗けば、ここまでいい流れだと思います。

細々した感想はないので一点だけ。市民プールで拉致される本田さんを見て恋人の乙姫は「かわいそうな本田さん」とポツリ。なんて他人事な一言なんだ…。乙姫自身は一切の被害も被ってないような物の言いよう。ホントに彼らは恋人関係なのだろうか。かわいそうな本田さん。

* 13 バリハケン (鈴木信也
部の看板を「派遣編」から「覇権編」へ鞍替えすると、本作のジャンル自体が「ギャグ」から「バトル」へスイッチする仕組みが面白いです。看板が変わる視覚効果も相まって明示的な宣言のようにも思えます。さりげない演出ですが、ミスフル時代の「どっちつかず」だった欠点を打開するアイデアが垣間見え、よく研究されています!

派遣編ではギャグマンガのセンス。覇権編では友情スポコンのセンス。それぞれ鈴木先生の得意分野が、遺憾なく発揮されています。派遣編の無茶な部活動コメディも面白いけど、鈴木先生の本領は覇権編の方ですね。奇抜なイケメンを大量投入してキャラ人気でアンケートを支えると。地方予選で失明した蛇神先輩級の濃いキャラに期待します。

そしてまた、甘味系ネーミングに鈴木先生の持ち味炸裂です。リーダーの善罪「真」だけ由来が分からず悶々。彼らも仲間になったら、他校の対抗キャラ名は辛味系で間違いない!

コメディ調の展開が続く本シリーズ。なにやら同人誌を読んでる気分ですが、まさかこんな中編・長編で描いてくるとは思わず、早くもダレ気味です。「そんな人いたんだ」「そんな性格だったんだ」という初見の印象なキャラが続々登場。単に自分の読み込みが甘いと思うのですが、星野先生の脳内ではそういう人物像だったという可能性も捨てきれず…。

なんというか、パロディ編に入ってから今まで異常に居心地の悪さが目立つ展開です。星野先生が生き生きと描かれている空気感は伝わってきますので、その雰囲気だけでも楽しむことにしています。

話は変わりますが、今一番注目してるキャラはラビ。重たいモノを二つも背負って、二つ共に捨てられず。二つ共に熱くなれず。クールな振りを徹底するラビを見ていると、いつも胸が痛みます。箱舟編でひとまず回答は出たように思えたのですが、その後もずっと葛藤してるし、彼はこの先どんな選択をするのか気がかりです。いずれにしても、幸せにはなれない選択なんだろうなあ…。

「男女の人格が入れ替って」「幽霊が憑依して別人格に」「無人島に流されて」「ゲームの中に入り込んで」「性別が反転して」など、古典的でひねりのない題材シリーズ。いい意味で実直素直なところがTo Loveるらしい。ストレートだから親しみやすい。深みがないから流し読みしやすい。万人受けするエンターテイメント。

『女の子の裸がたくさん描かれてエッチ』てのは表面的なウリでしかなくて。このマンガが世間様にウケている本質は『一話から読んでなくても入っていける読解の容易さ』にあるのだろうと、改めて感じさせます。ジャンルこそ違うけど、こないだシータさんが書いてた『空の境界』の評価とは対極に位置する作品性でしょうね。

しっかし、性別逆転したら先ずはトイレにでも駆け込んでオナニーするのが普通の発想なのに(言い切った!)、リトは筋金入りのマジメ君だな。自らが女体化したらいい加減、女性への苦手意識も失せると思うけど…。ともすれば本作の重大な制約(リトの女性苦手意識)が解除される分岐点なのに、絶対そんな重い展開にならないとは確信して言えます!

「夫婦揃ってかけそばを食べたい」の原点回帰にほろり。回転で舞空術したり、城作ってたのは実は夢の中のおはなしで、一気に現実へ引き戻された気分です。道場云々より夫婦話の方が盛り上がるのに、ジャンプ的バトル展開を強いられるのは本当に惜しい。ムヒョロジと同じ道を辿っていて物悲しいです。

大将戦は復帰した風間が登板し、伍助は延長戦で戦うのかと予想していたのだけど、これを覆す展開に。伍助が二連戦しては風間の修行が生きないし、とはいえ大トリが主人公じゃないのも展開的に妙だ。物語的な打開策がいまいち思い浮かばないのですが、福島先生の手腕に期待です!

推理モノとバトルが融け合ったら頭脳戦が生まれる錬金術。格ゲーが出るくらいだし(欲しい!)定評があるのかな。個人的にはジャンプでは珍しく短期決戦でメリハリつけて描かれる点が好印象です。特にネウロ抜きのバトルとなれば、緊張感は俄然違いますね。

『笹塚&吾代の高反発ペアが共通の敵に阿吽の呼吸で立ち向かう』図式は女性ファンに待望の展開ですから、ここでネウ弥子以外の支持も広く集めていただきたいです。吾代さんの負傷は故意の作戦なのか? 笹塚さんはどう出るか? 姿が意図的に描かれていない本城さんの策略は? そして弥子は傍観役でしょうね、締めで活躍して美味しいとこ食べちゃうタイプだから。

ヴァイジャヤの武器は「種」。一体彼はどこに種を蓄積し、本来はどこから種を発射してたのか。早い話が、性差を超え、種族を超え、数え切れない数の生物を種付けしてきたという話です。種付けすると身体中が熱く火照り、まるで溶けるようにとろけてしまう。「種で殺す」なんてキザな口説き文句! 今まさに弥子が種付けされんという危機にネウロ不在! まさに電話で声だけ聞きかせるタイプの、寝取られプレイそのものですね。

連載位置後方で過去編突入という死亡フラグじみた演出に、心臓ばくばくです。ピクシーのツケは表向き改修できたように見えたんだけどなあ。スケット団三人の過去エピは、細部までカッチリ作り込んでるでしょうから、ここは一つ安心できる展開を期待します。

今までの篠原先生の趣向から行くと、ストーパー男子はブラフで雪乃が犯人と思えます。過去の刺傷事件は雪乃の犯行。罪をなすりつけられた怨恨から真治は雪乃をストーカーしてると。一方、雪乃はなんでか沙羽を妬み、あわよくば刺傷を企む病んでる系女子だとか。

兄や沙羽が本編に一切登場していないのは不自然なので、この事件をキッカケに二人は帰らぬ人となるのでしょうか。沙羽の方は転校したって推測も立つけど、兄貴は取り返しがつかない事態になったんだろう。赤マル読み切りのボッスン過去編は、川で溺れた幼少のボッスンを兄貴が救い、兄が身代わりに亡くなる筋書きでした。スイッチの過去編は、赤マルの焼き直しという意味合いなのかなと邪推しちゃいます。

* 19 (最終回)初恋限定。河下水希
それぞれ独立した恋模様の群集が、一本の大きな根幹を形成する。一話ごとにパーツを拾い上げては、一枚の巨大なパズル絵を少しずつ完成させていく。そんなオムニバス作品が、自分は大好きです。奇しくも本作はその体裁に近く、第一話から高い期待を寄せて読んできました。

残念なことに、本作はオムニバスの割に、個々のコイバナが独立しすぎていました。オムニバス構成ならではのパズル感が失せたのです。Aの恋模様がB、C、Eの恋模様に変化を与えて…といったマルチサイト演出があれば、興味のない○○の話も力を入れて読めたことでしょう。『△△の話だけ読めればいい』といった読者が増加すると、アンケート票の分散に繋がるのでは。…と、個人的は予感していました。

以下、各コイバナへの個人的な感想です。

有原あゆみと財前兄弟
 切り込み隊長として第一話を飾るも、ずいぶん隅の方へ追われた印象でした。悪意的なまでに操のプラス面が描かれない扱いには、一種の腹立たしさを覚えました。「あゆみと財前兄弟」の三角関係がコンセプトなのに、実質操は蚊帳の外という。これは本作全体に言えることですが、男女間で個性の差が大きぎると、そのカップルのコイバナにも思い入れを抱けず、興味だって失せます。あゆみ編はその弱みが尾を引きました。
別所兄妹と山本岬
 ここの恋模様が、最もオムニバス作品の長所を生かした構成でした。有原兄弟、別所兄妹、財前兄弟と、最大人数を巻き込んで、他の恋模様へ深い影響を与えた物語性に高評価です。『チョコレート爆弾』では、山本の高笑いと別所兄のトラウマ化に心底やられ、二人の恋の行方にも興味を抱けました。有原兄のプラス面が補強され魅力的だったのも、ポイント高です。
土橋りかと寺井
 短編集中連載でよかったんじゃと思うくらい、他の恋模様へ影響を与えていません。寺井のプラス面もほとんど無に等しく、興味を抱けませんでした。女性キャラだけ格好よくても、コイバナとしてはつまらなすぎる…。
江ノ本夕
 あまりの不人気から一話分しか描けなかったのですね、分かります。WJを愛読する純粋な青少年達が「なんだこのビッチ!」と映ったのでしょうか。あるいは『征服欲を満たせない女性』には関心を示さない男性の本能が拒絶反応を示した…とか?
渡瀬めぐると武居先輩
 ぶっちゃけお色気担当だったのでしょう。その割には非常に健闘したと思いますし、本作では好きな部類に入るコイバナでした。曽我部の魅力的なプラス面がしっかり描かれていたため、男女のバランスが釣り合った(恋をする説得性を満たした)のでしょう。
千倉名央と曽我部
 地味可愛い千倉は、個人的に女子キャラでイチバン好みのタイプでした。連城さんの登場で曽我部が挫折して恋が動き出すストーリーラインもまた、個人的に好みの構成展開です。昔の少女漫画によくある「ずっと○○先輩に憧れていたけど、本当に好きなのはいつも側で元気付けてくれる△△君だった(と物語終盤で気付く)」とかいうアレな展開。再燃した曽我部も、そこまで挽回の余地があったと期待していました。連載の尺がもっとあれば、その可能性もあっただけに、実に惜しい…。
江ノ本慧と楠田
 初恋限定。では鉄板で一番人気だったんでしょうね。両思いなのに『恋人になりそうでならないフェチ*1』の自分としては、連載が続く限り、この二人は恋人スレスレで悶々と悩む展開を期待ました。「両思いかもしれないけど、もし告白して違ったら今の友情関係まで台無しになる…」というスレスレのライン。恋人関係になったらできなくなる、心臓ドキドキの駆け引き。これぞ青春! 最終的には相思相愛でハッピーエンドとなり、男子キャラで最も報われた楠田でした。

リアルな女子は描けるのだけど、いかんせん男子描写が弱すぎると思います。ハッキリ言って、「頭脳明晰で容姿端麗な男子」か「バカなブサメン(変態含む)」の二極しか描けてないんですよ、河下先生。このウィークポイントを撤廃できれば、大きく化けるハズなのに。今作もその兆候を感じられたのに…。次回作こそ期待します。

* 20 (読み切り)ヘタッピマンガ研究所R(村田雄介
突然ですが、話は大きくズレます。以前『輪郭のタイプで攻めキャラと受けキャラを分類できる』という記事をまとめていました。諸事情あってボツにしましたが、この中で「輪郭が直線型の進は攻め」「曲線型のセナは受け」と分類していました。『より角ばってる方が攻め度が高まる』と結論付けた(※もちろん冗談半分です)のですが、よもや進の輪郭が定規仕込みだったとは! このままでは、機械のごとくセナが壊されちゃう!(サイテーすぎる)

村田先生もまさか、マンガ作家入門に対して腐女子脳の感想を仕込まれるとは思わないだろうなぁ…。そのくらい、この感想はサイテーすぎる!

* 21 ピューと吹く! ジャガーうすた京介
また妙な変態が生誕しちゃったよ(最高の褒め言葉)。変な新語を使いまくる変態ってのはツボです。ジュライの台詞回しとかいちいち記憶に残ります。クセになりやすいから、ジャンプ発売週はずっと使っちゃうくらい。「非モテ」なんて単語を廃らせるくらい、ハンサメンタリティ(ハンサムな精神性)溢れる作風を今後も維持していただきたいです。

 

  • 尾田先生
     この季節にBBQは良いっすねー。社会人になってから一度もやってない...。
  • 岸本先生
     この年代でパソコンを持ってない人って、実在したんだ!(大袈裟に)
  • 松井先生
     ゼリーなのに炭酸という触感がたまりません。冷蔵庫に大量保管したい。
  • うすた先生
     変なことを考えてるって自意識はあったのか! インターネットは造語の巣窟だ。

ジャンプ感想用のタグ一式をオートジェネレートするスクリプトを組んでみた。掲載順をぽいぽいインプットすればテンプレートがまるっと吐き出される仕組み。おーおー、こりゃ楽ちんだ。この調子で感想文もオートジェネレートしてくれればいいのに…。

*1:パンツが見えそうで見えないフェチみたいな。