1726. ぼくのわたしの賢者学 - 第1回・勉強できる人と頭のいい人
「賢い人」はなにが違うのか。
ここ最近、公私共に「賢い人」と出会う機会に恵まれました。あの人たちはどんな風に生きてきた結果、あれほど「賢い人」になりえたのか。もっと踏み込むと、どのような思考アプローチを身に付けた結果、賢くなれたのか。
自分のような凡人は近頃、そのカラクリについて、深く考えるようになりました。彼ら・彼女らのような「賢い人」に近づくためには、どのような自己改善を働けばよいのでしょうか。
「賢い人」に近づき、そうあるためには、賢い人のメカニズムを解明することが先決です。「こうすれば賢い人になる」「賢い人の条件はこうだ」という規格を満たしさえすれば、定義上、自分は賢い人になったと証明できます。
今回より数回に渡って、『「賢い人」はなにが違うのか』を酒の肴に、思考ゲームを展開していきます。謙遜などではなく、切に思っています。「賢い人」になりたい。こんな風にすれば賢い人になれるかも、と試行錯誤の末、ゆくゆくはぼくもわたしも賢者です。
今週号の『バクマン。』に出てきたこの話題。「勉強ができる人」と「頭のいい人」は違うという論調をよく耳にします。ですがこのお話、両者の境界はいつも何となく曖昧なままなんですよね。じゃあさ、どんな条件を満たせば「頭のいい人」なの?
「頭のいい人」に対する「勉強ができる人」とは、何かが過剰で何かが不足してるんです。単純に成績上位者へ嫉妬している訳ではなく、「頭がいい人」と認められない、決定的な壁があるんですよね。
何をプラスし、何をマイナスすれば、万人が認める「頭のいい人」なのか。この命題を最も簡単に解決する糸口は、「コストパフォーマンス」です。以下に具体例を示して、簡単に説明していきます。
いきなり極論になりますが、以下の二つを仮定させていただきます。
- 人間は1日に100パワーを使用できると仮定する
- その日に残存したパワーは、翌日に繰り越せない
「勉強できる人」の中には、学業に100パワー全部を注力する人がいます。一方で、50パワーで同程度の好成績を残す人もいます。このとき、後者の方が「勉強できる人」と明言できます。
「勉強できない人」なのに「頭のいい人」とはどんな存在でしょうか。それは、50パワーで好成績を収めるポテンシャルを持った人です。具体的には、バイトや部活動に100パワーを出し切って、学業にパワーを回さない・回せない人ですね。
100パワー使っても好成績を残せない人だって居ます。真に全力を注ぎながら結果が出ないなら、相性を見極めて素直に別の道を選択するのが「頭のいい人」です。例えば『NARUTO』に登場する努力の天才ロック・リーだって、実は相性の悪い忍術・幻術は切り捨て、唯一、体術だけを努力しました。相性まで考慮するとは…たいしたヤツだ!
50パワーで好成績を収めるポテンシャルを持ちながら、日々を怠惰に過ごして毎日80パワーを無駄にする人もいます。本気を出せば凄いけど、マジにならないだけ…なんて、マンガに登場しそうな天才型。一般的には「頭がいい人」とされるのでしょうか。。個人的には、こういう人は頭がわるいと思います。「できるけどやらない」は「できない」と同じです。
個々の具体例を挙げていくと、本当にキリがありません。そろそろ降参して、一度まとめたいと思います。
頭のいい人、わるい人
簡単に分類リストを書き出してみました。A→Eの順に頭が悪くなっていきます。
当初、「50Pで解決して残りは別の課題に使う」「50Pで解決できるが、課題に取り組まず全部遊ぶ」など付随ケースも考慮したのですが、組み合わせ数が一気に爆発しました。読み物としてどうかと思ったので、ここでは敢えて雑音を切り落としました。
- (A)普通は100P必要な課題を50Pで解決できる
- (B)普通は100P必要な課題を100Pで解決できる
- (C)普通は100P必要な課題を100Pで解決できなくて、別の得意分野を探す
- (D)普通は100P必要な課題を100Pで解決できなくて、しかし固執する
- (E)普通は100P必要な課題を100Pで解決できなくて、あきらめて遊ぶ
以上より「頭のいい人」とは、普通の人が全力でする課題を片手間でこなす人というイメージに集約できます。要するに要領がいいということです。冒頭に述べた頭のいい人は「コストパフォーマンス」に優れるという説、ただ一点に尽きます。
さらに続けると、要領のいい人が得意分野に全力で立ち向かうと、凡人はどうやっても追いつけません。人はその人を指して「天才」と呼びます。
逆に要領のよくない例が『自分と相性の良くないことに固執する』ことです。誰しも一日のコストは有限です。真に不向きなことを続けてもパワーの無駄使いでしかありません。時には諦め別の道を探るのも「決断力」です。
無論、不向きな分野を並のレベルに押し上げ全体を平坦化することも、時には必要です。これは、受験勉強のときによく言われる話ですね。その場合にしても、総合的なコストを考慮したいですね。
なお(E)のように、無駄だからといって腐れ、他の分野も模索せずに遊んでしまうのは愚の骨頂です。ですが、時に挫折して、モチベーションが下がって、こうなってしまう状況もあります。「頭のいい人」と「精神力のある人」はまた別というわけです。
さてここまで「頭のいい人」という表現で語り進めてきました。ですが、本エントリの定義上、「頭のいい人」と「賢い人」は明示的に書き分けています。
では、「賢い人」とはなにか? ここは出し惜しみなくいきましょう。以下に挙げる全てに長けた方だと考えます。これに関する詳細は、また後日に。
- 要領のよさを磨いている(基礎能力)
- 相性の良悪を見極めている(自己認識)
- 難題にも第一番に立ち向かう(決断力)
- 知識の引き出しが多い(応用力)
- 難題に直面しても心が折れない(精神力)
- コミュニケーション力が高い(感性)
次回は、どうすれば「要領のいい人(頭のいい人)」になれるのか。要領のよさを育てる『インテリ・トライアングル』について言及します。