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吾輩は馬鹿である

2009-09-05

猿も木から落ちる

帰謬法ならぬ帰ナチ法*1であることが明らかなトリアージ騒動だが、呆れたことに「全体最適概念を用いたトリアージの説明はホロコーストに通底する」という明白な誤謬をいまだに振りかざしている人がいるらしい。

だってさあ、「トリアージ」概念の濫用を批判するためにホロコーストに言及する議論には(そもそもそれを理解しようとする気すらなく!)恐怖しちゃうのに、相続税の廃止に賛成しない人間をポル・ポト呼ばわりする国会参考人のことはなんとも思わないような人間との間で、再配分についてのまともな議論が成立するわけないじゃん。

応えるには及ばんよ - Apes! Not Monkeys!  本館

この記事の主id:apesnotmonkeys氏は、ブログ界では戦争責任にかかわる議論で名の知れたid:Apeman氏と同一人物である。同氏をはじめとする方々は、昨年夏にid:HALTAN氏を人民の敵扱いして散々リンチにかけていた経緯があるのだが、まだ性懲りもせずこんなことを言っているようなのだから呆れるほかはない。

ともあれ、同氏が「事情ををご存じない方のために」として挙げている記事群2008-08-08 - Apes! Not Monkeys! はてな別館は歪曲が甚だしいということだけは指摘させてもらおう*2。そもそも件の騒動において「トリアージ」と「ホロコースト」を結びつける議論は根本から破綻しているのだから「理解」などできなくとも、する気がなくとも当然なのである。これを非難することは、単なる言いがかりとしか言いようがない。

参考までに、私の過去記事からこの点についての議論を再度抜粋しておく。

ホロコーストトリアージの共通点はどこにあるか?「資源の希少性」と「合理主義」しかないのである。ホロコーストトリアージを関連づけている人たちは、この2点だけの共通点だけの根拠しか持っていないのである。

しかし、「資源の希少性」を「合理主義」的に処理する問題は世の中にあまりにもありふれていて、この指摘にはほとんど意味がない。そんなことを言ってしまえば、企業内の人員配置計画も、我が家の家計も、すべて「ホロコースト」と同型の論理に支えられている、と言えてしまう。「丸い」というだけの共通点を例にとって、「月」と「スッポン」を同列に並べるようなものだ。その指摘が意味を持つのは、位相幾何学の啓蒙書の中ぐらいだろう。

このような「共通点」を指摘する論法で一番重要なのは、「共通点」として問題の本質を衝いた要素を拾い上げることである。ところが、今回の問題は「人道性」という、ホロコーストにおいて最も極端に欠けていたものを度外視している。

このような論法が許容されるなら、あらゆるものを同列に並べることができるだろう。私が再三挙げてきた、「お前は人間である、ヒットラーも人間である、よってお前とヒットラーには共通点がある」という、侮辱以外に何の役にも立たない論法を使えばよいのだ。

「論法の同型性」論法の危うさ - 吾輩は馬鹿である

くれぐれも、読者諸賢がid:Apeman氏の印象誘導に引っかからないことを望むものである。確かに、同氏は南京事件をはじめとする戦争責任関連の議論において知識豊富であり、ブログ界では一目置かれてしかるべき人ではあるが、しかしながらこの件ではこの人は完全に誤っているのである。「猿も木から落ちる」というが、同氏はこの種の議論にはまったく通じていないようであるということは断言せざるを得ないのである。

*1Reductio ad Hitlerum - Wikipedia, the free encyclopedia

*2:もっとも、同記事中のApeman氏の異様な文体を見れば、同氏とHALTAN氏のどちらが加害者でどちらが被害者であるかは一目瞭然かもしれないが。

なまえなまえ 2009/09/05 23:07 ハルタン & ソカリアン!迷コンビ復っ活!!w















つーかきめぇwwww
相変わらずの粘着質だなあww まだ絡んでくるのかこのコンビはww(既にユニット化しとるw)


なんつーか・・・・・・哀れwプププw

boshiyaboshiya 2009/09/06 01:27 >異様な文体
「印象誘導」を問題とされておきながら、ここで印象誘導(もしくは印象批判)をされているのはちょっとがっかりしました。

名無し名無し 2009/09/06 08:00 そもそも
猿「再分配のさの字も言ったら門前払いにするやつがいる(ハルタンとか)」←引き合いに出した
ハル「そんなこと言ってねーよ、具体的にソース出すよ」
猿「ほかの件でこんなアホなこと言ってるやつと再分配の件で話にならん」
というやり取りなわけでこの件で猿がアホにしか見えないのは当然かと。
つーかもう何を言われても絶対に譲歩も妥協も肯定もする気はないんだな、と思う。
ハルタンが「俺はそんなこと言ってない」と言ってる件には何も反論できないから
議論できない、と苦し紛れに言ってるだけとか。
あの記事に星つけてるやつがどんだけ党派性でもの見てるかよくわかるわ。

SokalianSokalian 2009/09/06 11:55 >boshiya様

それは違います。Apeman氏の要約は都合のいい事実だけを拾い出して都合のいいように解釈したものだから私は「印象誘導」と書いたわけです。有り体に言えば、歴史修正主義者が南京否定論あたりで都合のいい事実だけを拾い出してきて都合のいいように解釈する手法と代わりがありません。一方で、Apeman氏の文体に関しては、私はApeman氏が自ら「読んでほしい」として挙げた文章の全体を見て「異様な文体」と判定したわけですが、あの文体が「異様」であることは、Apeman氏が自ら読者として対象に挙げた「事情をご存じない方」ならほとんど誰でもそう感じると思います。最初からApeman氏に肩入れしているというのでもない限り。

boshiyaboshiya 2009/09/06 21:55 >Sokalianさま
丁寧なお返事ありがとうございました。
「肩入れ」と言われれば否定し切れません。私自身、介護業界と他人ではないのも理由の一つです。が、お互いに感情論になってしまっている様に見えてしまうのが、外野としては甚だ残念ですし、また問題の深さを感じます。
かく言う私がこのコメントにて印象批判そのものを行っている無礼をお許しください。

SokalianSokalian 2009/09/07 00:39 お返事ありがとうございます。
私見ながら、あなたが介護業界に関わっていらっしゃるかとこの件は関係ないと思います。私自身、身内に介護のお世話になっている者は多くいます。ですが、「トリアージ」発言に反発することはありませんでした。

憶測ですが、福耳氏の発言に反感を覚える方は、「トリアージ」という言葉を「切り捨て」の同義語だと思っていらっしゃるのではないでしょうか。そして、福耳氏の講義は「切り捨て」を一つの方法論だとして積極的に肯定したものだと。

だとすれば、それは福耳氏の講義の趣旨を理解していないと私は申し上げます。「全体最適」の趣旨から言うと、「トリアージ」は「切り捨てられる人数を最少にするために治療対象に優先順位付けをする」ことと解釈できるからです。確かに、この過程で負傷者が没個性的な「数」として扱われることに穏やかならぬ思いをなさることは当然かと思います。しかし、闇雲に治療をした結果、多くの負傷者が見殺しにされれば「穏やかならぬ」どころではいられないことを思えば、まだこれはマシな選択であろう、というのが福耳氏の話の趣旨です。

いずれにせよ、福耳氏の話の文脈上「トリアージ」は災害救急の現場に限られた話であり、福祉とはまったく関係がないことは明らかです。何かそこに関係を見出していらっしゃるのであれば、それは誤解であると断言して差し支えないと私は思います。

感情論になっている原因については、私としてはその責はひとえに、「あたまがわるい」というような罵倒語を持ち出したり「ホロコースト」などというおぞましい例を無意味に持ち出したりした先方にあると考えていることだけは申し上げておきます。

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