冬至とチョコレート

冬至まであと1ヶ月を切ったから、もう日が暮れるのが早いのなんのって。
おまけに先週はマイナス9度とかいう最低気温の日があって、久しぶりに体感気温マイナス10度以下を体験。ああ、もう後戻りできないと実感した。ま、戻る、というか、回るのだから心配するな、ではあるわけだが。


寒いと暗いは必ずしも同じ理由からもたらされる現象ではないのだが、この時期は両方重なるので、ああ、なんだかなぁと毎度のことながら多少嘆きたいような気になる。


で、そんな時、なんか赤いものというのは吉兆とでもいうのか、なにか、頼りになるような気がするものだななど、ババくさいがしみじみよくわかるようになった。還暦の祝いには赤いちゃんちゃんこ、の、あの赤も、こういう感じと同じ脈なんだろうか、など思ってみたりもするが、そこまでいかずとも、そもそも冬至といえばかぼちゃと小豆。小豆を入れる理由は赤だと聞く。つまり、この赤は暗がりにあって一陽来復を願う「よすが」なのに違いない。そして、こういう暗くて深刻なまでに寒いところに来て、私としては、それって何かのおまじないよろしくの「こじつけ」ではなくて、感覚的に、なにやらその赤が、吉兆というか、つつがなくを願うというか、運気がもりあがって、循環を途絶えないようエンハーンスするという意図をしっかり持つものなのですよ、と受け止められたように思う。


どこまでもババくさいが、リアルにそう思ったのは、夕べ。知り合いの人とお茶会をしてチョコレートをもらったのだが、その箱がある種オーセンティックなまでに赤くて、なにかこう、ああ、と思ったのだった。これは時節のものだな、みたいな。


話は外れるが、そのチョコレートは、結果的においしかった。これはある種奇跡だとかまで思ってしまう私は人が悪い。しかし言いたくなるものはある。一般に北米で見るチョコレートというのは、まぁ、明らかにおいしいと知られた店のものでない限り、外れることはあっても当たることはまずないと思って暮らすのが吉。北米産のものは何を入れているものなのか、妙なくどい味が基調で私はこんなんだったらパンでもかじってた方が100倍もましだと思っているので、普通買わない。(しかし、少なくないアメリカ人はそれこそおいしいと感じるようだ)


高級ブランド以外で、あれ、いける、と思える確率が相応にあるのは、私見では、イギリス、ドイツ以外のヨーロッパからの輸入品。妙なところで妙に、あら、意外にいいわよ、これ、ってのがある。


でもってカナダは、とにかく、表も裏(闇?だかなんだか)も含めて、よくぞこれだけ世界中から物を持ってくるよなと感心するほど、いろんな原産地のものがあちこちにあって、その中で、私が気がつくのは(好きだからだろうが)、欧州から中東にかけての広い範囲からの菓子類の輸入か。なんなんだか、とにかくある。限りなく安っぽいものとかもあるんだけど、相応においしいと思えるものも結構ある。名の知られたアメリカ製のスナックを食べるよりは、約5000倍(当社比)ほど楽しい。が、チョコレートはやっぱりちょっと特殊で、そう簡単にはあたらない(と思う)。


昨日のチョコレートは、下さった人にはまことに申し訳ないが、そういうわけで私は赤にだけ気が行って、中身は全然期待してなくて、今日になって食べてみたら、あら?と驚く始末。箱をひっくり返して、しかし、別の問題で軽く衝撃を受ける。

18言語がだーーーっと書かれているのだが、読めるものが探せない。なにやら中東、なにやらキリリック風、ドイツ語のようだ、ポーランドチェコとかそこらへん?とか当てていくのも楽しいが、とりあえず、見慣れたものが探せず結構マジになる。丁寧に見ていってようやく英語を発見して安心なんかしている私。

最終的に原産国はクロアチアだということがわかった。新鮮だわ〜。クロアチア語の言語表記というのを私は多分生まれて初めて見たと思う。


でもって、この18の言語というのは、要するに中欧あたりの国がEUとその周辺に向かって等距離ぐらいに商売をしようとするとこうなります、というひとつの例なんだろうなぁとか思って妙に感心した。

北米とかまったく関係ない世界だ。
(じゃあなんでカナダまで届けられているのかが不明だが)。


とりあえず、おいしかったです、と後でお礼を言わないとだ。

いや、それで、そうそう、冬至付近ではやっぱり赤いものが吉に違いない。おいしさまで付いてきたもの。

まさに今


先週見たチャート。ロンドン・エコノミストスペシャルレポート(という名の年に何回かのいわゆる特集)。
ああ、今ってそういうタイミングなのだとしみじみさせられた。


アメリカの自動車台数販売台数が減少し、BRICの販売台数が追い抜こうとしているの図。


もうひとつは、1000人あたりの自動車の所有数。アメリカ、飽和でっせ、というのはアメリカ国内でも言われているけど、まさにそれ。
多少のラグがあろうとも、なんつーかこの、どんどこ売れていく可能性のある地域というのは、OECD諸国ではないわけですよと今さらながらだが改めてよくわからせられる。



http://www.economist.com/specialreports/displayStory.cfm?story_id=12544933


今日あたり、サルコジ氏がヨーロッパはヨーロッパの製造業、とりわけ車産業を守ると語っていた。金融危機とリセッションで先行きがめっちゃ暗い欧州ではあるけど、その心配の新興市場新興市場であることによって、将来の伸び代があるってのも本当なわけで、正念場でもあるけど、その正念場という受け止め方は、多分、アメリカとか日本とかと違うかな、なんてもちょっと思った。域内とその隣接地にまだ種まけます、みたいな感じがあるだろうから。

対して、アメリカは、大きな国内市場全域が同じひとつのフェーズだというのが、意外と弱点かもとか思ったりもした。だから一気に閉塞して保護主義に走るモメント懸念が消えないんだろうな、みたいな。


車産業といえばビッグ3だが、GMなんかは欧州が結構好調で、ロシア市場でそれなりのシェアがあるという話。さらに、割と前から言われてた通り、チャイナ、ロシアは大きな車が売れる、今でもSUVが売れるという事情らしくて(ブラジルは欧州、日本みたいなコンパクトカーがいいんだそうだ)、これって、まるっきりアメリカの自動車産業のターゲットじゃんか!だ。もう、思い切ってGM欧州を軸に展開するとかした方が将来性があるんじゃないのか? オペルが良いってだけじゃなくて。


先週のGM救済問題の議会証言では、上下両院の議員さんたちがいろいろいろいろ言うし、ビッグ3のこの30年間も褒められたものでは全然ないんだけど、でも、基本にあるのは北米市場がこの先、ぐ〜んと伸びるなんてことはどこのメーカーでも普通にない、という厳然たる、確率の高い予想こそが問題なんだろうと思った。しかし、あまり誰もそれを突っ込めないのは(誰か突っ込んだ?)、やっぱりそうは認めたくないんだろうなぁとか思ってみていた。

 シティの行方

HSBC:シティの資産買収、戦略に合えば検討も−グリーン会長
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aco2zCd9.x7A

新興市場、つまりアジアや中東、中南米を中心に事業を展開するという明確な戦略を持っている。これに合致しないものは買収しない」と言明。


HSBCというか、香港上海、略してホンシャンというかのこの銀行の戦略の問題もあるだろうけど、でも、もしこれが成功したりしたらシティはどうなるんざましょ・・・。ま、ないと思うけど。

中南米じゃないんだけど、メキシコなんかでもホンシャンのカードがとても便利のようだった。カナダの銀行もでばってる。このあたり、イギリス系あるいはコモンウェルス的今後の世界戦略つーのがあるんだろうななど思ってみたりもする。興味深い。