馬の気持ちはわからない(一口馬主遺産)

『馬の気持ちはわからない(『傍観罪で終身刑』改メ)』(http://d.hatena.ne.jp/Southend/)の移転先にして遺跡です

小島茂之師の憂鬱

ちょっと今回はJRAに意見有り。 - 小島茂之厩舎の本音(公式ブログ)
▼小倉出張馬房の問題点について、小島茂之師JRAに物申すの巻。
 具体的に挙げられているのは、抽選で割り振られる正規出張馬房のキャンセルの多さや、特別出張馬房の扱いについての融通の利かなさといった点で、そのあたりの硬直性を、

動きにくいルールの中で馬房が有効に使われない、馬が出走するチャンス、勝つチャンスをそのルールが奪っている

という簡潔な表現で指摘されています。そして、さらにそこから敷衍して、

我々厩舎関係者は出走したいところに出走できない最近のシステムにジワジワと危機を感じています。それは身近なところで今の競馬システムに厭きれている人が増えているのを実感しているから。

ほとんどの馬主さんは本業があるから『こんなに出たくても出られない損ばかりすることは辞めちゃおう』と辞められる環境の方がほとんど。

という現状認識を示し、

今のままでは、気が付いた時には馬主さんもファンも離れている、そんな状況が来てもおかしくは無い。そんな日が来る前にJRAが対処してくれる事を願わずにはいられません。

という未来予測と願望をもって文章を締められています。
 詳細についてはリンク先の記事全文を参照していただければと思いますが、とにかくこうしたファン(馬主も含め、「競馬にお金を出す立場の人」)目線から物事を見られる人がサークル内に、しかも一定の発言力を持つ立場でおられるということだけでも、怖ろしく貴重なことに思えます。冷静に考えれば客商売に携わる者として当たり前の視点なのかもしれませんが、それでもそんな感想を抱いてしまうのは、いかにこれまでがクローズド・サークルであったか、ということの証左かもしれません。
 ともあれ、小島茂師には頑張って貰いたい反面、色々な意味でご自愛いただきたいとも思います。あと、いつか師の管理馬に出資したいと思っているんですが、なかなか縁がありません。ウインの'06産に期待するか・・・・・・。


<関連データ>

種別 レース数 ゲート数 出走数 空きゲート数 関東馬 関西馬
2回小倉3歳未勝利 34 562 521 41 30 491
2回新潟3歳未勝利 30 492 477 15 467 10
▼馬房云々と少し外れるかもしれませんが、今週で終わる2回新潟と2回小倉の3歳未勝利戦について、ちょっと集計してみました。驚いたのが、大前提として小倉の方が3歳未勝利戦の番組数が多いということ。何か理由があるんでしょうか?(ちなみに3回小倉の3歳未勝利戦は33鞍、3回新潟の3歳未勝利戦は32鞍で、やっぱり小倉の方が1鞍だけですが多い)
 ちなみに先週月曜日配信でのJRA-VANデータによると、東西の現役3歳未勝利馬頭数は、

  • 関東・・・1001頭
  • 関西・・・835頭

となっていました。空きゲート数も小島茂師のご指摘どおり小倉の方に空きが目立つ一方、新潟の方はかなりタイトになってますが、レース数自体の差も含めそれもむべなるかな、という印象です。遠征馬数を比べてみても、前日輸送で十分出走可能な新潟の未勝利に関西馬はあまり行かず、出張馬房が取れないとマトモに出走できない小倉の未勝利に少なくない数の関東馬が向かう、というのは捩れ構造以外の何物でもない気がします。
 では函館の未勝利戦はどうかというと、勢い関東馬が多くなるわけですが、関西の一線級厩舎が計算できると思ってわざわざ連れてきている馬相手にはやはり分が悪い。八方塞がりという感は否めません。
 たかが一口馬主の身ではありますが、自分にしても関西馬に意識的に寄せていっていますし、まずクラブ全体の姿勢としても、期待馬は関西に、という傾向が目立つようになってきています。ましてや個人馬主においておや、といったところで、この関東デフレスパイラルはなかなか根が深そうだなぁ、と。こういう構造的な不均衡をJRA、あと関東のファンの方々がどう捉えておられるのか、ちょっとキニナルところです。