韓国の前進、日本の後退


コメ欄でbolsaespanola さんに紹介していただいた記事。


米下院‘慰安婦決議案’採択の影の主役 コトゥラー氏 (2007.08.02 - 中央日報

米下院の日本軍慰安婦決議案採択の主役は日系3世のマイケル・ホンダ議員(民主)だ。しかし彼を後押しする人がいなかったら決議案が全会一致で採択されるのは難しかったはずだ。影の主役の1人がミンディ・コトゥラー氏だ。

ワシントンの非営利研究団体アジアポリシーポイント所長のコトゥラー氏は今年1月発議されたホンダ決議案の草案を作成し、2月には下院外交委慰安婦聴聞会でオランダ出身の元慰安婦オヘルンさんの証言を主導した主人公だ。

コトゥラー氏は昨年まで慰安婦問題についてあまり知らなかった。その彼女に昨年4月、慰安婦決議案を扱っていたヘルピル下院国際関係委専門委員が連絡した。エバンス当時下院議員(民主、引退)が発議した決議案を検討してほしいという注文だった。

「研究してみると、日本は大きな罪を犯し、今でも反省していないということをはっきりと知ることができた。このため決議案は積極的に推進していかなければならないという意見を出した」。コトゥラー氏は先月31日、中央日報とのインタビューでこう語った。

コトゥラー氏は「日本側から何度も脅迫を受けたし、ワシントンの日本大使館はもちろん、彼らと一緒に働く米国人らから‘嫌がらせ’を受けたが、正しいことをしたので気にしていない」と語った。


Ms. Mindy Kotlerは、今年2月16日に下院外交委員会アジア太平洋小委員会で証言した一人でもある。日本では、CRS(米議会調査局)のラリー・ニクシュ 氏による報告書ばかりに目が奪われた感*1があるが、Ms. Kotlerが果たしてきた役割は非情に大きい。まさに草の根運動としてロビーを行ってきた韓国系アメリカ人らと共に闘ってきた、韓国メディアならでの視点である。


慰安婦:決議採択の背景にエバンス前議員の献身的努力 (2007/08/01 - 朝鮮日報

  米下院で従軍慰安婦問題に関する対日謝罪要求決議案が採択された背景には、エバンス前下院議員(民主党)による長年の献身的な努力があった。

 決議案を提出したホンダ下院議員(民主党)は30日、下院本会議で「決議案はわたしの師であり、同僚議員だったエバンス前議員のたゆまぬ努力の成果だ」と称賛した。またロスレティネン下院議員(共和党)も議事進行発言で「エバンス前議員が主導した慰安婦決議案が昨年、下院国際関係委員会(現外交委員会)を通過した」と同議員の功績に言及した。

米下院「慰安婦決議案」満場一致で可決 (2007.07.31 - 中央日報

下院全体会議はこの日午後3時13分ごろ、決議案に対する賛否を問う形式の表決を通じて決議案を通過させた。全体会議では「反対見解があるのか」という問いに誰も答えなかった。

表決に先立ってトム・ラントス下院外交委員長は決議案に対する初支持発言を通じて「どんな国でも過去を無視することはできない。ドイツは第2次大戦後過去を反省する正しい選択をしが、日本は歴史的忘却をけしかける態度を見せた」と指摘した。「日本軍の慰安婦たちが強圧なしに自発的に売春行為をした」という日本側の主張に対し「強制婦女暴行(rape)という単語の意味を知らない強弁」だと批判した。また日本の一部議員たちがワシントンポストに出した広告を通じ「慰安婦たちが当時、自発的に売春行為をした」と主張したのに対し「怒りを覚えること」とし「下院が決議案を支持してください」と言った。

決議案を発議した日系3世であるマイケル・ホンダ議員は「歴史的過ちに対する和解の初歩は傷の治癒」とし「日本政府は慰安婦の苦痛に対し、明白に公式的に謝るべきだ」と強調した。ホンダ議員は下院東アジア太平洋小委員会で証言した慰安婦出身イ・ヨンスさんらの勇気に敬意を表した。


米国下院、元慰安婦NGO、国連、韓国メディア、国外メディア・・・「正しいことをする。」「元慰安婦の勇気に敬意を表する。」という言葉で価値観が瞬時に共有できる。この圧倒的な連帯感は生まれてくる源泉を、日本政府や日本のマスコミ(とくに産経)は現実として重く受け止めるべきである。元慰安婦の言葉、下院外交委員会での下院議員の言葉、世界を動かすほどの力を持った言葉を、日本政府はおろか日本の大手マスコミ(朝日も含めて)から聞いたことはない。


慰安婦決議で新聞「猛反発」 朝日社説だけが「孤立」(2007/08/01 - J-CAST ニュース)

旧日本軍のいわゆる従軍慰安婦について、米下院が「対日謝罪要求決議案」を本会議で採択した問題で、日本の主要新聞は社説やコラムの中で「事実誤認」「おろかな選択」「有害である」などと揃って批判論を展開した。しかし、朝日新聞だけは安倍首相が談話を表明して謝罪するよう要求しており、「孤立」が際立っている。


なかでも、pr3さんのブログ『黙然日記』 古森義久氏とMMR。
で批判されてる産経・古森記者の記事はヒドイを通り越して、異次元に逝ってしまっている。


そんな悲惨な状況を呈している日本の大手マスコミにあって、沖縄タイムスの社説が心に響いた。


社説[慰安婦問題決議]よそ事とは思えない(2007年8月1日朝刊 - 沖縄タイムス

実際のところ安倍首相は慰安婦問題をどう考えているのか。もう一度、国際社会と国民に向けて意を尽くして説明する責任がある。

 沖縄戦のさなか、県内にも旧日本軍用の慰安所が設けられ、朝鮮半島出身の女性たちが兵隊の相手をさせられた。戦後、身寄りもなく県内各地を転々としながら、異郷の地で生涯を終えた女性もいる。

 軍の「関与」や「強制」の事実を否定することは、尊厳の回復を求めてきた被害者にとっては、耐え難い苦痛であり、屈辱であるだろう。

 この問題は、「集団自決(強制集団死)」をめぐる日本軍関与の記述が教科書検定で削除された問題とよく似ている。

 従軍慰安婦にせよ「集団自決」にせよ、その態様は多様である。証言者の声に耳を傾け、歴史の事実に向き合うことが求められているのだと思う。


この短い社説には、「正しいことを行え」「元慰安婦の勇気に敬意を表せよ」という日本人からのメッセージが発せられている。

関連サイト

HOUSE PASSES COMFORT WOMEN RESOLUTIONJuly 30, 2007

  • Asian Policy Point −Ms. Mindy Kotlerが主催するNPOのサイト。"THE FACTS"広告主に対する分析や、外務省の主張に対する批判などがある。
  • Japan Focus  −慰安婦関係の論文多数あり(keywordの欄に"comfort women"と入れて検索してみてください。
  • Japan Today −英語ニュース掲示板:日本国内に住む外国人 vs 英語が書けるウヨ のバトル(?)が展開している。

(バトルの一例)
U.S. House OKs sex slave resolution (Japan Focus - July 31, 2007 at 06:58 EDT)

MASSWIPE
nigelboy (Jul 31 2007 - 15:33)

(snip)

In particular, Mr. Nariaki Nakayama's comparison of sexual slavery to the outsourcing of cafeteria services will be recalled with particular disgust by virtually all concerned.


That's because you're automatically equating comfort women=sexual slavery. If you want to strictly go by the FACTS alone, "A "comfort girl" is nothing more than a prostitute or "professional camp follower" attached to the Japanese Army for the benefit of the soldiers."- United States

nigelboy
Zorro (Jul 31 2007 - 15:44)

"A "comfort girl" is nothing more than a prostitute or "professional camp follower" attached to the Japanese Army for the benefit of the soldiers."- United States


Thank you for that definition of comfort girl. It hardly changes the facts of those tricked or forced into the position, or those who were not allowed to quit. We call those "sex slaves", no matter what definition you choose for them.

瞬殺w・・・とか言ってられんかも。全然、話が噛みあってない。というか、このnigelboy氏は自論をまくしたてて、他人にいちゃもんつけて、自分の意見が通らなくてムキになってるが、他人の意見など鼻から聞く耳を持っていない。

*1:産経の古森記者が誤訳で煽った影響が大きい