米朝も中韓も協調路線へ;河野太郎の戦争外交むなしく

(1) 北朝鮮安保理事会に出席(米国務長官国連事務総長北朝鮮政府―河野太郎
(2) 文在寅大統領の訪中と和解(文在寅習近平河野太郎―日本報道)
(3) 安倍首相、「一帯一路」と連携へ 対中牽制をやめ共栄へと転換
※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

(1) 北朝鮮安保理事会に出席(米国務長官国連事務総長北朝鮮政府―河野太郎

◆米国務長官北朝鮮も対話再開に前提条件つけるな」(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/international/29266.html
➀ティラーソン長官は「前提条件なき対北朝鮮対話」の用意があると明言して、フェルトマン国連政務担当事務次長の訪朝を実現させ、更に北朝鮮安保理出席を実現させた

➁しかし、北朝鮮は和解交渉の前提条件に「韓米合同軍事演習の縮小中断、制裁緩和、人道支援再開など」をあげた

国連事務総長北朝鮮の要求に一定の理解を示し、「事務総長として訪朝したい」と述べた

➍これに猛反発したのが今月の安保理議長河野太郎だった。彼はWH補佐官や共和党タカ派などを焚き付け、自分が当番月議長であることを利用して、北朝鮮が出席する安保理事会を北朝鮮糾弾会に変えようとした。ティラーソン国務長官は河野に加担しなかったので、超タカ派の英外相を利用した。

北朝鮮安保理の月当番議長である河野太郎が和解の対話を破壊したと非難声明

北朝鮮が出席した国連安保理事会を終えたティラーソン米国務長官は「韓米合同軍事演習の縮小中断・制裁緩和・人道支援再開など、北朝鮮が掲げた対話再開の前提条件を受け入れない」=北朝鮮も対話再開には条件を付けるなと諫めて、河野太郎の扇動に乗るなと釘をさした。

⑦(TBSラジオ森本毅郎スタンバイ!」2017年12月18日放送)
この動きは対話派のティラーソン国務長官が主戦派に負けたのではなく、むしろ対話派の比重が米国内でも主流になったことを証明した。だから河野太郎が焦って米主戦派を焚き付けたのだろといわれる。

◆米政界でティラーソン長官の「条件なき対北朝鮮対話」火種活かすための動き広がる
http://japan.hani.co.kr/arti/international/29260.html
国連事務総長北朝鮮核問題の仲裁に必要なら訪朝できる」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29259.html


(2) 文在寅大統領の訪中と和解(文在寅習近平河野太郎―日本報道)

◆韓中首脳「戦争は絶対容認できない」朝鮮半島平和4原則に合意(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29248.html
文在寅大統領と習近平国家主席北朝鮮問題の解決に向けての四大原則に合意
四大原則:
朝鮮半島で戦争は絶対容認できず
朝鮮半島の非核化原則を堅持し
・問題は対話と交渉を通じて平和的に解決し
・南北間の関係改善が究極的に朝鮮半島問題を解決するのに役立つ

中韓首脳間のホットラインを構築
③首脳レベルはもちろん、多様な高官級レベルの戦略的対話を活性化する
④韓中産業協力団地の造成と投資協力基金の設置などの協力事業を再開
粒子状物質を共同で低減すると共に、新再生エネルギーや電気自動車などの未来志向的協力事業を推進

⑥中国の「一帯一路」構想に韓国が積極参加 ⑦平昌冬季五輪の成功的な開催に向けて緊密に協力

◆文大統領の訪中、儀典より「関係復元」の実利得た(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29270.html
➀前政権で始まったTHAADを巡る対立により最悪に至った韓中関係を正常な軌道に乗せる過程で、文大統領は、一部から“冷遇”されたとの声が上がる中でも、かなりの成果を収めた評価されている。

➁文大統領は3泊4日の訪中で
・易地思之(相手の立場になって考える)
・観往知来(過去を振り返ってみると、未来を知ることができる)
を強調し、習近平国家主席と中国国民の心を開くのに努力を傾け成功した。

南京大虐殺に関して「同病相憐れむの心から犠牲者たちを哀悼する」と述べ、
重慶の旧朝鮮臨時政府跡では「中国と韓国は抗日戦争で共に苦労し勝利を勝ち取った同胞」と述べた。

④その結果、THAADに関しても、「絶対に中国を不安にさせない」との説得が習政権に受け入れられ、政府間の各階層での直接対話の道が開かれ、民間企業が「一帯一路」建設に参加する道も開かれた。

⑤ただし、中国の内部ではTHAADに対する怨念と敵対心は解決されておらず、硬直した局面は習主席の理解によって打開への道がひらかれたものの、今後も注意深い対応が官民共に不可欠だ。

中韓の政府間和解と文在寅大統領国賓訪中の実現は、事前折衝において韓国側が習政権の三要求を受け入れることによって実現された。その三要求とは:
・設置済のTHAADは中国の国防体勢に脅威を与えない使用に限定し、追加配備をしない
・米韓軍事演習縮小
・韓国は日米が要求している米日韓軍事同盟に参加しない

➐これが報道されると日本側が激怒し、河野太郎が介入し、日本の報道が旧朴槿恵政権派のTVなどを焚き付けて、韓国内を騒然とさせた

➑その日韓報道が中国で報道されると、中国の共産党や国民の嫌韓意識が再び頭を持ち上げる風潮となり、習主席は国賓招待は変えないものの、韓国側からは冷遇とみられるような対応をせざるを得なくなった

文在寅大統領は中韓首脳会議の共同声明を見送り、代わりに文大統領が「易地思之」「観往知来」を繰り返し強調することで、中韓政府間を正常化させることができた。

◆中国メディア、韓中首脳会談を主要ニュースに
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29253.html
◆韓国、「歴史」でも連携意欲 文氏訪中終了 対日関係懸念の声も(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13277593.html
南京大虐殺犠牲者国家追悼式 兪正声全国政協主席がスピーチ(人民日報)
http://j.people.com.cn/n3/2017/1213/c94474-9304143.html#0-twi-1-16289-7250227817ecdff034dc9540e6c76667
南京大虐殺犠牲者国家追悼式が13日午前に南京で行われ、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が出席し、兪正声全国政協主席がスピーチを行った。新華網が伝えた。
➁「今から80年前、日本の侵略者は南京大虐殺という凄惨な事件を起こし、30万人もの同胞を殺害した。女性や子供の人権を蹂躙し、虐殺を行っただけでなく、南京も壊滅的な破壊を受け、た。日本軍のこのようなな犯罪行為は非人道的で人間の尊厳を侵害するおぞましい事件として人類の歴史に記録された」
③「南京大虐殺の凄惨な歴史は国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって世界記憶遺産に登録され、人類が永遠に忘れることのない記憶となった」
④「日本の侵略者が行った殺戮行為に対して、我々の同胞たちが助け合い、苦楽を共にしただけでなく、多くの海外の友人たちが自らの危険を顧みず援助の手を差しのべ、様々な方法で無辜の民衆を保護し、日本の侵略者たちの残虐行為を記録した」
⑤「ドイツのジョン・ラーベ、デンマークのベルンハルト・シンドバーグ、米国のジョン・マギーらがそうした人々だ。中国の人々は、彼らの何事をも恐れぬ精神と人道的な義挙を永遠に銘記するだろう」
⑥「14年もの長きにわたって苦難を味わった抗日戦争において、中国は3500万人の死傷者という重い代償を払ったが、世界反ファシズム戦争勝利に大きく寄与した」
⑦「南京大虐殺やマニラ大虐殺だけでなく、バターン死の行進や泰緬鉄道についても、中国の人々や世界各国の人々が忘れることはない」
➇「正しく歴史を認識することこそが、より良い未来を切り拓くことにつながる。我々の子孫の世代のためにも先人の話を記憶しなければならない。そして過去の歴史の悲劇を二度と繰り返さないためにも、人類にとって持続的なまたは恒久の平和を築くためのたゆまぬ努力を続けなければならない」人民日報

◆トランプの新しい国家安保戦略「中国はあらゆる分野の競争者」
http://japan.hani.co.kr/arti/international/29263.html
◆韓国野党(旧保守党)、文大統領の訪中をいっせいに批判…「朝貢外交」「外交惨事」
http://japanese.joins.com/article/599/236599.html?servcode=200§code=200
◆韓国、日韓防衛相の電話会談断る 北朝鮮ミサイル発射時(朝日)
www.asahi.com/articles/ASKDJ56F3KDJUHBI01V.html
➀米軍THAAD韓国配備で関係が冷却していた両国は10月31日、関係改善の文書を共同発表
文在寅韓国大統領は「日米韓が軍事同盟の水準に発展することは望まない」


(3) 安倍首相、「一帯一路」と連携へ 対中牽制をやめ共栄へと転換

◆安倍首相、「一帯一路」と連携へ 対中牽制をやめ共栄へと転換(共同)
https://this.kiji.is/315172162732819553
➀中国を軍事と経済で牽制するための日米印豪同盟「インド太平洋戦略」をやめる ➁代わりに、中国主導の現代版シルクロード構想「一帯一路」と「インド太平洋戦略」を連携させる