JUNS Blog

JUNS株式会社の公式ブログです。主に開発・新製品や企業活動についてのあれこれ。

オーバークロックの基本・VGA水冷化の巻




もうVANTAGEのスコアなど見飽きたと思うので12日の空いた日に埋めますが
Core-i7の速さにバスのスピードがとても大きく関係していたことは知りませんでした



いままでSkulltrailの3WaySLIを使っても限界はP25000あたりで
これはGTX280を使おうがGTX260だろうが
2WaySLIだろうが3WaySLIだろうが
全く関係のない話で
マザーボードのバス、というか規格の限界に既に到達していて
何をやろうがVANTAGE P25000以上行かなかったのです

それがCore i7 + X58 マザーで3WaySLIを組むと
簡単にVANTAGE P30000を超します



しかしこれも既に33000あたりが限界のようで
CPUやGPUのクロック、型番を変えてもさほど変化はありません

VANTAGE登場の頃はP10000ぐらいで世界記録でしたから
それも半年程度しか経ていない今年の初夏の頃の話で
こんなに簡単にP33000も取られると考えてなかったのかもしれません

いまGPUを画像処理や科学演算に使う流れがCUDAを筆頭に盛んで
東工大TSUBAMEがGTX280の塊の様なスパコンを作り
それが地球シュミレータを抜いて東洋1位、世界でも7位ですか
すごい結果を出していますが

もうPCのケースに収まっていては実力を発揮出来ないほど
GPUは速く成っているのですね

新しいGTX295というGTX260が二個入ったVGAが発表されましたが
相変わらずのサンドイッチタイプで冷却が極めて困難
水冷は金型から起こした専用の物でないと無理そう

となるとクロックはデフォルトの600MHz付近から上げられないので



上のノーマルGTX260-SLIと同じ程度になるのでしょうか

水冷でクロックアップして上げれば一枚でも



上のとおりP16000でも行ってしまうので
二枚にしたコストをどう取るかですね


CPUやGPUはノーマルとオーバークロックでは別物になるし
オーバークロックには十分に冷やして上げる仕組みが必要

F1カーでさえ水冷を採用しているのを見てもわかるとおり
この100年かけて色んな冷却方法を考えてきたけれど
数100Wを超える発熱を冷やすには水冷より効率の良い物が無い
これはまだしばらく変わらない気がします

ThermalTake様のご厚意でガス冷却を試させて頂きましたが
零下の世界には大きな魅力がありますが
色んな意味で柔軟性が水冷に比べるとかなわないんですね

ある一定の発熱まではしっかり冷やしてくれるんですが
それを少しでも超えるととたんに冷却が止まってしまう
これはペルチェでも同じ傾向がありました

昔QX6850をペルチェで3.7GHzに上げたらクーラーから煙が出てきて
急遽水冷に切り換えたところ簡単に4GHzまで上がったとき
水冷の力の深さを思い知った気がしました

そして3D能力を上げるにはCPUとVGAをつなぐバスを管理するノースチップの冷却が肝心で
ここが熱くなってくるとエラーが増えて幾らクロックを上げても速く成らなくなります

そこで最近のマザーはノースチップに大きな放熱フィンが付くようになったのですが
これがくせ者で、大きすぎて外して水冷の水枕に取り替えられない
また、ノースが水冷タイプのマザーも最初の宣伝だけで直ぐに生産をやめてしまう

その辺いろいろ苦労していますが
Core i7はCPUは熱くてもノースがそれほど熱くならない

というかノースの機能をCPUが吸収しているわけですが

それにしても既にVANTAGE P33000というバスの限界が存在するとは

いつかバスもシリアルに変わるそうですが
今のままではとても追いつきそうにない

まぁ、この辺を
誰がどう考えて商品を出してくるかが楽しみです


山中潤