スーパー白鳥13号運行記録3

このブログは超ぐうたらワンマン運転士の日常(もはや気が向いたら、という気もw)を書いたブログです。はてなダイアリーで公開していた運行記録2が今年の春になくなるため、新たに作成しました。2005年11月4日…「運行記録2」暫定開業/2005年11月14日…「運行記録2」本格開業/2019年1月13日「運行記録3」移行開業

AKB49総括13〜名言集7・卒業生誕祭編〜

 ということで急きょ名言集6から独立させて卒業生誕祭編を収録しました。
 この卒業生誕祭編こそ、AKB49が目指していた、「吉永寛子がAKB48のセンターに立つ」ために必要な「儀式」だったのかもしれませんね。


134 大切な人たちに囲まれての卒業は、もしかしたら「センターに立つ」事よりも幸せなことなのかもしれないな。良かったね、みのり。(吉永寛子/247話)
 みのりの卒業生誕祭の倍率が1000倍を超えるほどの人気になり、みのりのことだからボロボロ泣くんじゃないか、と言われるが、その中で奥平先生の姿がなかなかないことにみのりは不安を募らせる。同期のメンバーは推し変したんじゃ、と脅かすが、みのりも気が気じゃない。その中でファンから奥平先生が名古屋に行っていることを聞き、みのりは自分が卒業を言い出したことだし、と割り切って考えている様子が見えるが、自分の先生である寛子にしてみれば、みのりをせっかく応援してきたのに、と暗い気分になっていく。しかし奥平先生がリサイクルショップで交渉をしているところを見て、卒業生誕祭実行委員のメンバーが実情をばらす。サイリウムを調達したり、名古屋に出向いて花輪を注文したり。そしてみのりの卒業生誕祭は自分の卒業公演でもあり、そこでちゃんと当選できるようにと、あえて直前の公演に応募していなかったことを聞いて、みのりはファンのみんなに愛されて卒業できることに感動する。それは同時に、寛子にも伝わっていた。みのりを追いかけてきた寛子にしてみれば、みのりの卒業生誕祭は寛子にとっても理想の卒業生誕祭になる、ハズであった。


135 浦川みのりなど初めからいなかったんだよ。(安倍/249話)
 しかし城ヶ崎*1がみのりの存在感のなさが気になった形で、週刊宝春の安倍に話を持ち掛けてみのりの秘密を探り、そしてみのりが男である証拠を握ることに成功、城ヶ崎は実を脅迫して卒業生誕祭を辞退させようとする。一方で精彩を欠くようになったみのりが自分の誘いも断ったのを見て、寛子はなんだか不安な気持ちを感じるが、そこに安倍が現れる。そもそも安倍は寛子のスキャンダルを撮った当事者であり、寛子はまたその事かと真っ青になるが、今回はみのりの話と断った上で、みのりは卒業公演には現れない、みのりの「言葉」も「行い」も「存在」すら大嘘、ステージで笑い、歌い、踊りながらも、心の中ではファンやあなた方を欺き嘲笑っている亡霊、悪霊、と断じた上で、「浦川みのりなど初めからいなかった」と断じる。
 寛子は大混乱に陥るが、まさに真実なのだから仕方がない。


136 よく来た。みのりは強いね。私、もう相手が誰であろうとみのりを悪くなんて言わせない!言わせないから!(吉永寛子/250話)
 卒業生誕祭当日、みのりは遅刻して現れたうえで、まさにフラフラの状態で現れる。まさにみんなが唖然とした中、寛子だけはみのりを抱きしめ、「よく来た、みのりは強いね」とみのりを褒めた上で、「私、もう相手が誰であろうとみのりを悪くなんて言わせない!」と力強く宣言する。
 みのりはそんな寛子に対し、もし自分が男バレした時にどんなことを感じるか不安に思うが、実は寛子にも前のように「予告」があり、不安を感じながらも強気でその想いを打ち消している中でみのりが現れたので、自分がみのりを守るという意思を強く表す。
 そしてこの後の展開を見ると分かるが、今まではみのりが寛子を引っ張る形で話が展開されていたのが、ここからは寛子がみのり(実)を引っ張る形で話が展開されていく。実質的な第3代センター「浦川みのり」から第4代センター吉永寛子への交代がここから始まっていくのだ。


137 「浦川みのり」にはもう会えないということじゃないの?宮澤佐江/251話)
138 来ます!来るんです、みのりは。みのりは…(吉永寛子/251話)
 一旦は劇場に現れたみのりだが、再び城ヶ崎からの脅迫を受け、戸賀崎に手紙と2つのお守りを託して消える。それを知ったみんなは唖然としながらも、まずは会場内を探す。しかしそれでも見つからず、一体どうしたものかとなる。春子は寛子が倒れた1万円公演の千秋楽の時も戻ってきたから大丈夫、戻ってくる、と楽観的に言うが、千絵はステージに立つありがたみを分かっているから、理由も言わずに、ファンの目をかいくぐってまでいなくなるなんて、もう公演に出ない気じゃ、と悲観的になる。
 そんな中宮澤佐江がその「理由」を咎め、卒業公演をすっぽかすというのは、みんなに対する裏切り、みのりもそれを知っていて姿を消したということは、もう浦川みのりとしては会えないんじゃないか、と不安を口にする。
 そんな中唯一みのりを絶対的に信用している寛子が電話をかけながら「絶対に来る」と言うが、自分がかけてもつながらない電話に、信頼を裏切られたかのように感じて思わず泣き出してしまう。


139 許せねぇ!男だからってなんだよ!4年間死ぬ気で頑張ってきたあいつなら、捕まったってステージに立ちたい、そう願うはずだろ!(水野春子/252話)
140 私たちに迷惑をかけたくなかった。「AKBを巻き込まないように」じゃない?高橋みなみ/252話)
 そんな中、実の部屋に忍び込んでみのりの卒業公演を見ようとした雅希が、実がみのりに変装しているところを写した写真を見てしまい、慌ててAKB劇場の楽屋に入ろうとする。泣き出していた寛子はたまたま雅希のことを知っていて「みのりの妹」と認めてくれたが、雅希が「浦山」と名乗ったことに疑問を感じると、雅希が写真を震える手で渡そうとする。しびれを切らした春子が写真を奪い取ると、写真がぶちまかれてみのりが浦山実という男の女装であったことが判明して騒然とする。
 しかし柏木由紀の「だからと言って騙すだけで4年間もあんなに真剣に一生懸命やれる?」と口にしたことから、春子が机をぶっ叩いて楽屋を飛び出していこうとする。そしてそれを止められたときに口にしたのが「男だからってなんだよ? そんなの卒業公演をすっぽかす理由になんてならない!」であった。じゃあなんで逃げた、という疑問に今度は寛子が「浦山くんは私の同級生」と断った上で、週刊宝春にバレていたと話す。そこでみのりへの脅迫が持ち上がり、でも宝春が止めるわけがない、というと、今度は高橋みなみが「これは自分がしたことであり、これでAKBを傷つけたくない、そう思ったからじゃない」とみのりの想いを口にする。
 その結果、AKB内部で浦川みのりが男だったという事実はメンバーの中では一応納まった。そしてその後戸賀崎がみのりに託された手紙を見せ、そこに寛子とみのりのお守りがあるのに気付いた寛子がそれを分捕って手紙を読む。そしてみのりの言葉で書かれた実の想いを知った寛子が、みのりを劇場に連れ戻そうと開演直前にもかかわらず劇場を飛び出し、やはり手紙を読んだメンバーも相次いで劇場を飛び出して探し回る事態に発展する。


141 AKBは強い!頼れる先輩もいる、立派な後輩もいる、私だっているから…(吉永寛子/254話)
 このあたり、AKB49の本当の意味でのクライマックスである。
 一旦はみのりが見つからないと泣き出す寛子だが、ある場所に気付くと一目散にそこに向かう。果たして実がカツラを脱いだ姿で佇んでいるが、そこに寛子は「みのり」と声をかける。
 それに対し実は一旦は「寛子…」と応えるが、自分が本来つけているべきカツラは左脇に置かれていて、まさに実にとっては最も知られたくなかった秘密を寛子に知られてしまった形になった。
 しかしそれにしては寛子が全く動じた様子もなく、さらに言えば実の状態だったのにもかかわらず寛子が「みのり」と声をかけたことに混乱する。
 そんな実を強引に寛子が手を掴んで引っ張っていこうとしたので、実はその手を切り離して「公演は出られない」と寛子に泣いて謝る。
 寛子はそんな実に「宝春のことはみんなもう知ってる」と答えてAKBのメンバーにもみのりが男であることが分かっていることを伝えた上で、それでもみのりは悪い人じゃないと信じて、あなたをステージに立たせたくて、今もこの雪の中で一生懸命走り回っている」と言ってみのりをステージに戻そうとする。
 一方で脅迫を受けている実は「これ以上AKBに迷惑はかけられない、オレのせいでAKBが壊れたら」とあくまでもステージに立つのを拒否する姿勢を続ける。
 悩んだ寛子は、あえて実の前で「会いたかった」を歌い始める。いきなりの寛子の行動に唖然とした実は、強引に寛子の歌を止めさせるが、寛子は「あの(オーディションの)時みたいに、私の声は震えてる? 怯えている?」と実に聞いた後、実に厳しい口調で檄を飛ばし、そして「AKBは強い!頼れる先輩もいる、立派な後輩もいる」と言った後、「私だっているから」と実の前でエース宣言をしてみせたのだ。
 実はこの流れは手紙の中でみのり(実)が綴った「たかみなさんをはじめとする、いつまでも圧倒的カリスマ性で、超カッコイイ先輩達、私なんかが及びもつかないくらい、魅力的で頑張り屋な後輩たち、それに、AKBには吉永寛子がいます」という文言そのままである。みのり(実)は自分のリタイア後、寛子が自分の代わりにAKBを牽引すると信じていたのである。だからこそ、自分がAKBを牽引してみせる、そう言い切ってみせたのだ。


142 私の中には「みのり」がいるから。きっとみんなの中にも…(吉永寛子/255話)
143 だから、だからさ、自分の夢にくらいは素直になりなよ(吉永寛子/255話)
 実の前で寛子が「会いたかった」を歌い切った後、寛子にとってのみのりを語り始める。
 寛子にとっての「みのり」はいつもみんなの先頭に立って、どんな壁にも悠然と立ち向かっていく、一見無鉄砲なところもあるけど、実(じつ)は誰よりもファンやメンバーのことを考えていて、ステージに立つ喜びを誰よりも知っている。反目していた全兼任の時代を含めて、ずっと私の憧れ、「私の大好きな」存在であると告白する。
 もう「みのり」の存在は消えるけど、私の中には「みのり」はいるし、きっとみんなの中にも「みのり」はいると信じている。だからこそ、みのりが男だと分かる事よりも、みのりが知らないうちに消えていて、もう会えないということの方がすごく辛い、そう寛子は答える。
 そして同時に寛子は自分にとっての実も語り始める。もちろん現時点では実に対して恋愛禁止条例を課しているからすべてを語ることはできない。でも自分がアイドルをやろうという勇気をくれたという事実は伝えなければいけない、そう感じて横アリでのやり取りを実に語る。その時に実が笑わなかった、だから自分が夢を見続けることができた。無茶だと分かっていても夢に向かっていくことができたんだ、そう語り、実に「自分の夢にくらいは素直になりなよ」と優しく語りかける。
 これもみのり(実)の手紙にあった、「そもそも私がオーディションを受けたのは、夢見る彼女(寛子)を応援するためでした。でも、大勢の人と触れ合ううちに、私自身『ステージに立ちたい』そう思うようになったことも事実です。この気持ちに嘘はありません。」という言葉を読んでの話である。みのりだってこういう形でリタイアはしたくはなかったのだ。でもAKBを思うがゆえに、こういうリタイアしか選べなかった。だからこそ後のことは私に任せて、実は「浦川みのり」として最後のステージに臨んでほしい、寛子はそう考えていたのだ。
 寛子の本音を聞いた実は、しばらくの静寂ののち、自分が「浦川みのり」としてステージに戻ろうという意思を固めていく。


144 戻ってきてくれてありがとう。あと2時間だけ一緒にAKB背負ってくれ。高橋みなみ/256話)
 みのりと寛子がまず楽屋に戻り、次いでメンバーが楽屋に戻ってくる。そしてメンバーはみのりと寛子と対面する。
 みのりは寛子からもうみのりが男だとバレていると知らされている。寛子にしても実をみのりにさせてしまった責任を感じて表情が暗い。
 そしてみのりはかつらを脱いで実としてみんなに謝り倒す。戸賀崎がみのりに詰め寄り、殴られるのを覚悟した実は歯を食いしばるが、戸賀崎は実の頭に拳骨を一発見舞い、「主役の癖に公演に遅れるヤツがあるか」と一喝した後は、何事もなかったかのようにステージの準備を指示する。流れるように準備が進むのに違和感を感じた実だが、高橋みなみがカツラを実にかぶせ、「話は全部後で聞く」と言った後、「戻ってきてくれてありがとう、あと2時間だけ一緒にAKB背負ってくれ」と優しく微笑みながら実に語り掛ける。
 高橋みなみはAKBでも浦川のりを買っていた一人である。みのりが男だと分かった瞬間こそやり場のない怒りに震えたものの、みのりがオーディションを受けた理由(=実がみのりに女装した理由)が理解できると、その先はみのりを全面的に信用して、最後までみのりとしてAKBを卒業させようと尽力するのだ。それはみのりが4年間で培ってきた信用であり、高橋みなみに「人間・浦川のりを尊敬する」とまで言わしめた力であったのだ。そして寛子があの場所で言った「私の中に『みのり』はいるから。きっとみんなの中にも…」という言葉を実は思い出す。寛子の想い同様、「浦川みのり」の存在は他のAKBメンバーにも確実にいたのであった。


145 私はAKBが好きです。このステージが、ともに闘う仲間が、皆さんのことが大好きです。たとえこの先私の人生がどんな辛苦や不遇に見舞われても、今日このステージに立てた、それだけで私の人生は幸せだったといえます。浦川みのり/259話)
 「浦川みのり」最後のMC。マイクを2本持っていくというボケをかましながらも、笑顔でステージに立ち、カンペを見ながら(笑)挨拶をしようとする。しかし自分を応援してくれるファンの姿を見てくれるうちに、自分の想いを吐露したくなったみのりは、カンペをクシャクシャにして自分の言葉で「例えば、例えばですよ、AKBに男がいたらだめですか?」と切り出し始める。
 その後も「男がアイドルをやりたいというのは変ですか? きっかけも不純で、その存在がどんなに不合理で障害に満ちていても、みんなに応援され、仲間と支えあううちに、分不相応な夢を見てしまうのは驕りでしょうか?」と続ける。
 「浦川みのり」は、というより、浦山実は、この時点で初めからAKBを大スキャンダルに陥れるであろうこと、そして自分が警察に捕まるであろうことを予期して、あえて自分の口で伏線を張ろうと考えたのだ。
「きっと私は誰よりもAKBに向いていません。皆さんに可愛いって言ってもらったり、輝いてるって言ってもらえるような、そんな立場でもなければ、資格もありません。」そう言った後で、上のようにAKBへの感謝の気持ち、ファンに対する感謝の気持ちをファンの前で伝えたのだ。
 この後戸賀崎の判断で、「浦川みのり」が実の女装であったことをビデオでばらす予定でいた。しかしあえてそれを自分の口から予言することで、少なくてもそれが自分の覚悟であることを示したかったのだ。
 それと同時に舞台裏での寛子のアシストも見逃せない。「AKBに男がいたらだめですか?」というくだりで戸賀崎がみのりがここで男バレさせそうだと止めようとした時、寛子はみのりの方を見ながら戸賀崎を止めたのだ。
 寛子はみのりの次のセンターを担う以上、みのりの親友である以上、みのりのMCを目を逸らさずに見届ける責務があると感じていた。そして「みのり」も実も、自分が愛したAKBを自分で壊す馬鹿な真似はしない、そう確信していた。
 だからこそ、自分の言葉で語るみのりの想いをしっかりと受け止め、そしてみのりのDNAをみのりの近くに最もいた自分が引き継いでいく、その覚悟を持とうとみのりの最後のMCに臨んでいたような感じでした。


146 「怖い」の我慢して、よく「笑った」!! やっぱりお前は「アイドル」だよ!この先何があっても!高橋みなみ/260話)
 舞台が終わり、「浦川みのり」のステージが幕を下ろした。その直後に高橋みなみがみのりに抱きついて、こう叫ぶ。高橋みなみもそして「浦川みのり」も涙をぼろぼろ流していた。
 前にも書いた通り、舞台が終わった後、実の意向で「浦川みのり」は実の女装であったことがビデオ収録で流されることが決まっていた。本当は自分の口で語りたかったのだが、それでは混乱すると戸賀崎が気を利かせて中継が終わった後にステージにいた客だけに流すことにしていたのだ。それに対し、みのりはあえてギリギリの線で男バレの伏線をわざわざ最後のMCで引いていたのだ。
 みのりにしてもジレンマがあったことだろう、いつ男バレするかわからないまま、不安な4年間であったに違いない。それでも卒業生誕祭を抜け出しながらもちゃんと戻ってきて、そして最後まで「浦川みのり」として務め上げたことに対して、高橋みなみは最大級の賛辞を贈ったのだ。と同時に、AKBを代表して、AKBがみのりを、実を守るという意思を示したのだ。


147 「浦川みのり」はここにいた。劇場にいた。ステージに立っていた。彼女の正体が何であろうと、『ファンを幸せにしたい』その気持ちに嘘はなかったからだ。今の2時間に後悔のある者は拡散でも何でもすればいい。少なくとも私は彼女から「幸せ」しかもらっていない!(奥平先生/261話)
 「浦川みのり」が「浦山実」の女装であったことが判明し、混乱するファン。騙された、男を応援していたのかと唖然とする中、舞台に上がり込もうとするファン、スタッフに詰め寄るファンがいる中で、ステージの前に飛び込んでくる男がいた。奥平先生、「浦川みのり」の熱烈なファンであり、そして同時に吉永寛子の卒業した高校の先生でもある。
 奥平先生は最初はなんとかその場をごまかしてとりなしてしまおうと考えていたが、「あんたも騙されていたんだよ!」と詰め寄られると、こう答えてみのりを擁護する。
 みのりの熱烈なファンである奥平先生は、もちろんみのりが男だと知ってショックは受けていたとは思う。しかし、同時にみのりの説明を聞いているうちに、奥平先生は「浦川みのり」を演じていた浦山実は自分の教え子である寛子の同級生、つまりは寛子と同じ自分の教え子であったことに気づき、「全力で守らなければいけない存在」になったのだと思う。だからこその全力の擁護であり、そしてみのりは奥平先生の擁護に押される形で男バレを防ぐことができたのだ。


148 「ファンは神様」とはよく言ったものだ秋元康/最終話)
 みのりはこうして週刊宝春からも自らバラした劇場のファンからも守られ、実は平穏な日々を送る事が出来た。そして地元のコンビニで勤めるが、そこに秋元康がやってくる。秋元に実は「アフロディーテに知らせたのはあなたですね」と聞くと、秋元は「知らせただけ、動かしたのは『浦川』だ」と答え、一方で、「運営の仕事なら紹介してやれる」と聞かれ、「ただの一『吉永寛子ファン』に戻る」と実は答える。それに対し、秋元は「『ファンは神様』とはよく言ったものだ」と呟く。
 恐らくみのりの言葉に寛子への想いは残っている、秋元はそう判断していたのだ。一方で第4代センターとなった吉永寛子にも、「浦川みのり」を通して、あるいは直接的に実への気持ちを持っている。寛子自身は「立派なアイドルになる」ために実への想いを封印しているのだが、恐らくAKBで寛子の次のセンターを担えるメンバーが出て寛子が譲ることになった時、どこかで実への想いを再燃させることがあるかもしれない、そう感じていたのだ。


149 アイドルだって頑張ってんスよ。(浦山実/最終話)
 かつて第1話では自分の口から「AKB? ブスばっかじゃん!」というセリフを同級生に向けて投げかけた実だが、寛子を応援するためにAKBで4年間頑張ってきて、アイドルという職業の大変さを知り、「アイドルだって頑張ってんスよ」と答える。このAKB49最後の1コマのセリフに、実が4年間のAKB生活の中で得た収穫であり、成長が込められているのだ。


 最後に「名言集」には入らないが、1つの印象的なシーンを紹介しよう。本当はたかみな卒業編(29巻特装版)のために空けていた枠だが、せっかくの印象的なシーンだったのでここで紹介することにした。


150 『無言の6コマ』浦川みのり・吉永寛子/258話)
 これは「初日」という1曲丸ごと歌紹介的な(笑)曲の中で、メンバーやみのり達にかかわった様々な人の様子を紹介する回であるが、その中で唯一展開されたストーリーである。
(1) みのりがMCから戻ってくる。その正面に寛子が座っているのに気づく。
(2) 寛子が小さな手紙を見ながらみのりを見上げる。みのりは逆に真っ青になって立ち尽くす。
(3) みのりが寛子を直視していられずに目を逸らす。
(4) 寛子の表情、何かを考えているような様子。
(5) 寛子が満面の笑みを浮かべてみのりに微笑みかける。
(6) みのりの目から涙がこぼれかける。

 この時寛子はみのりのお守りに入っていた願い事を見たのであろう。そこには『吉永がAKBのセンターに立てますように』とあった。
 もちろんその想いがみのりと寛子の衝突を生んだ側面もある。寛子が本来の目標を上方修正して「みのりに勝ってAKBのセンターに立ちたい」と宣言して以降、みのりの公開ビンタで見かけ上険悪な仲になり、さらに自分が神を崩して寛子にセンターをプレゼントするといったことで、それではセンターを目指して頑張っている他のメンバーに失礼とばかりに寛子がみのりを引っぱたいたこともあった。
 だから3コマ目、みのりは寛子を直視できずに目を逸らしたのだ。
 しかしみのりの願い事は自分の目標ではなく、寛子のための目標であった。そしてそれは最後までぶれずに貫かれていたのだ。
 だから寛子は少し考えたのだろう。もしみのりが自分と同じ女なら、当然許すべきことではないと思ったに違いない。
 でももう「浦川みのり」は自分の同級生である「浦山実」の女装であることが分かっている。そして実は自分の最大の応援者であり、絶縁したとはいえ好きという感情はまだ残っていたのだろう。
 そしてみのり(実)が頑張って前を走ってくれたおかげで、自分がみのりの後にAKBのセンターを務められるだけの力をつけることができた。
 だからこそみのり(実)を許してあげよう、そもそもみのりの願い事も叶えられているし。そう思って笑顔を見せたのだ。
 それを見てみのりも全面的に許してくれた、そう思って涙が出てきたのだ。

*1:元ラージヘッドレコード社長。&Jewelで40億の金を使ったはいいが、GEKOKU嬢にやられた責任を取らされる形で辞めさせられた。ちなみに崎は本来「立」を使っているが、機種依存文字なので「大」の方を使っている