2011-06-14
イングランド銀行いわく、「Google Insights for Search」は経済予測に使えるよ
雑記 | |
イングランド銀行(イギリスの中央銀行)のエコノミストが、インターネットの検索データは、経済予測のツールとして有効だという調査結果を発表した。
参考:http://www.bankofengland.co.uk/publications/quarterlybulletin/qb110206.pdf
「Google Insights for Search」*1(http://www.google.com/insights/search/)を使って、イギリスの住宅市場と労働市場について、検索キーワードの頻度との関連を調べたところ、有意な結果が得られたとのこと。
公式統計は、1ケ月から数ヶ月遅れで発表されることになるが、インターネットで検索されたキーワードの出現頻度を調査すれば、タイムリーで信頼できる経済活動の指標が得られるという長所がある。
なお同調査では、イギリスの大人の約60%が毎日インターネットを使っており、ネット上の検索データにはビジネスマンから消費者まで幅広く含まれているとしている。
次のグラフは、調査結果から引用したもの。
住宅価格の前月比は、「estate agents」(不動産業者)というキーワードの検索頻度の前月比と、みごとに連動している。
レポートを読むと、この調査のポイントは、どんなキーワードを使うかにかかかっている。 例えば、失業者数は、「仕事」とはあまり相関しないが、「JSA」(求職者手当の頭字語)とは関連する。 住宅価格の推移は、「buy house」、「sell house」といったキーワードより、「estate agents」(不動産業者)と連動する。
なお、ネット上の検索キーワードをつかった調査には、以下のような欠点や注意すべき点がある。
1.インターネットが広く利用されるようになってからのデータしかないので、長期トレンドは調べられない。
2.インターネットの利用者は、年齢や収入などのファクターと相関することに注意が必要。
3.企業の新たな設備投資などは、ネット上の検索キーワードとは関連しそうもない。
4.検索が単なる好奇心から行われている可能性もあり、これは分析する上でノイズになる可能性がある。
5.「Google Insights for Search」は、指定キーワードが検索数全体に対してどのくらいの割合を占めているかのデータを示すものであり、絶対数の推移はわからない。
しかし、トータルではネット上の検索データの利用は、経済予測に有効だという結果が得られたことと、従来型の調査は、あらかじめ意識的に収集されたデータしか使えないが、ネット上の検索ワードを使った調査は、その時に必要となるデータを遡って収集できるといったメリットもあり、イグランド銀行では当面、経済見通しに関する有益な指標の1つとしてネット検索をモニターするという。
ちなみに私も、「Google Insights for Search」を利用してみたのだが、使いこなすにはコツがいりそう。
例えば、生活保護受給者が過去最高にのぼったというニュースを見たので、「生活保護」というキーワードを入力してみたが、結果は過去最高とはならなかった。生活保護を受ける人は、ネットを利用する率が低いのかもしれない。あるいは、単に全体に占める比率が下がったに過ぎないのであって、数は増えているのかもしれない。
一方、「twitter + ツイッター」を入力すると、それなりに有効なデータが得られる感じ。
はてなダイアリーにはチャートが埋め込めなかったので、URLを張っておく。↓
今年3月に急増したのは、震災の混乱で情報源としてツイッターを活用した人が多かったのだろう。注目検索クエリ で「twitter español」が急増しているのは、なんだか不思議。
このように、インターネットとの相性などを見極める必要はあるが、キーワードをうまく設定すれば、経済予測に限らずマーケティングツールとして役に立ちそう。
*1:指定したキーワードが検索数全体に対してどのくらいの割合を占めているかのデータを示す。国や地方でフィルタリングできる。




