2012-01-20
「没後150年 歌川国芳展」―幕末の鬼才絵師
美術 | |
六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーでは、幕末の鬼才絵師・歌川国芳の展覧会を開催中。
2年近く前に、府中市美術館で開催された国芳展よりもさらにスケールアップした展覧会で、会場も混雑しており、最近の国芳ブームを感じさせる展覧会だった。
近年再評価されている国芳については、以前のエントリーでも書いたのだけれど、ちょっとおさらい。
国芳は、浮世絵の伝統にとどまらず、海外から入ってきたものや身近ないろいろなものに興味を抱き、そこから受けた刺激を、スケールの大きな想像力と描写力で、個性的な作品に仕上げた。
しかし、個性的で楽しい国芳の浮世絵は、明治・大正時代を通して、低い評価しかされなかった。
その理由は、彼の活躍した時代が、江戸時代の末期であったため、
浮世絵末期=浮世絵の衰退期
という固定観念で見られたのではないか、ということだ。
私は、「天保の改革」で遊女や役者の似顔絵が禁止されたときに彼が描いた戯画が好きなのだけれど、今回の展覧会では初期のダイナミックな浮世絵が多く展示されていて、その魅力が再確認できた。
なお、私が行ったのは前期展。
「坂田怪童丸」
まっかな坊やが、巨大な鯉と格闘している。この水しぶきがなんともダイナミック!
「宮本武蔵の鯨退治」
宮本武蔵が鯨を退治したという話は聞かないが、武蔵の強さをアピールするために、大きな鯨を退治させたとか。
「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」 (みかけはこわいが、とんだいいひとだ)
これを見ると、アンチンボルトの果物や野菜で構成した肖像画を思い出す・・・・・・
あと、彼の描いた女性は、歌麿の美人画とは違って、明るくて生き生きしているのも特徴だ。
「鏡面シリーズ 猫と遊ぶ娘」
これは団扇絵。国芳は猫好きだったそうで、猫とじゃれる娘も、いかにも日常の風景という感じがする。
最後に、前にも紹介したけど、一番ユニークな絵を。
「相馬の古内裏」
一万本の骨と闘ったという話を、巨大な骨に変換して絵を描いたとか。
現代の絵といわれても、違和感がないような・・・
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国芳展は2年前に府中美術館で開催された際に行ってきました。期待していた以上のおもしろさに感激したことを逍花さんの記事で思い出しました。発想の奇抜さやウイットに富んだ風刺に舌を巻いてしまいました。残念だったのはポストカードなどが全部売り切れてしまっていたことです。今回また開催しているとのことなのでまた近いうちに出かけてみます。今度は品切れしてなければいいのだけれど・・・・
ところで府中美術館に行った際に常設展も見てきました。その中に「牛場憲之」という人の作品があって、それが思いの外とても良くてカードを購入してきました。19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したロシアの画家『カンデインスキー』(抽象絵画の創始者で「青騎士」団を主催したことで有名)を彷彿とさせる画風でした。
さて絵画ついでに、私は絵画ではフェルメールが好きなのですが、フェルメール好きで知られる福岡伸一博士(分子生物学者)が館長を務める「フェルメール光の王国展」が銀座で始まりました。(http://www.vermeer-center-ginza.com/)参照
生涯で37点しか作品を残さなかったため、作品が世界中に分散しており、なかなかまとまってみることができない作家です。昨今のフェルメールブームで、お金持ちな日本には随分とその作品が運ばれてきて展覧会も開催されていますが、どうしても飛び飛びなので記憶も散漫になってしまいます。福岡博士のように世界中の美術館を旅して訪ねられればよいのですが、一般庶民にはなかなか無理な話です。また福岡博士が提案するように、理解を深めるにはできれば制作年代順に見るのが一番良いらしいのですが、そうなるともう不可能です。今回銀座のフェルメールセンターで展示しているのはもちろんレプリカですが、『最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示』しているとのことですから、期待してみようと思います。あと今渋谷文化村には本物が3点来ていますね。ちなみに今迄見たフェルメールの絵の中で一番好きなのは「牛乳を注ぐ女」です。
こんばんは、逍花です。
府中美術館の国芳展は、戯画の面白さや奇抜さがよくわかる展覧会だったと思います。
今回の展覧会は、どちらかというと武者絵が多いですし、規模が一回り大きいので、また違った魅力を感じられるのではないかと思います。ポストカードはあったと思いますよ。
不勉強で「牛場憲之」の絵については知らないのですが、カンディンスキーに似てるなんて、面白そうですね。
フェルメール展の情報ありがとうございます。
彼の作品は、おっしゃるように数点づづしか見れないのが残念ですね。それでも目玉作品扱いですから、まとめてみるのは夢のまた夢です。
私はルーブルで見た「レースを編む女」が一番記憶に残っています。日本と違って、混んでいなかったので1人で静かに見れてたのが大きいと思うのですが、なんとも静謐なひとときでした。
コメントありがとうございました!