2012-01-26
2011年の貿易収支は、やっぱり赤字
雑記 | |
25日に発表された貿易統計速報によれば、2011年の貿易収支は2兆4927億円の赤字だった。
私は昨年5月に「貿易収支の赤字は当面続く」という記事で、以下のことを指摘した。
・今後原発が再開できなければ、燃料輸入は更に増える可能性があること
・輸出は部品供給網が復旧すれば秋以降に回復することも考えられるが、一方で韓国などのライバル企業に仕事を奪われた企業や、海外生産を決めた企業もあり、どこまで輸出が戻るか不透明なところがあること。
・2011年暦年でも赤字になる可能性があるり、そうなれば1980年以来であること。
その後、燃料輸入は増え、世界的な景気減速の影響もあって、1980年以来の貿易赤字の計上となった。
これが一時的なことなのかどうか、まだ議論がわかれているようだ。
私自身は、以前も書いたように、日本の貿易収支は2000年代に入って黒字幅が縮小傾向にあったことから、これからも赤字になる可能性があると考えている。
昨年3月には、これまで輸出を牽引してみた輸出薄型テレビなどのデジタル家電製品が2010年実績で輸入超過に転じた。テレビは輸出が不振どころか、いまや日本メーカーが撤退している状況だ。
日本の家電製品が世界を席巻した80年代、90年代とは違う。
ただ、貿易収支が赤字となっても、所得収支が黒字で、その分の穴埋めができているので、それほど心配はしなくていいのではないかと思う。
もっとも、日本の産業構造の変化については、しっかりと直視することが必要だろう。
一昨年の記事でも書いたように、私は、日本経済は90年代までの常識が通じない「ニューノーマル」状態に入っていると考えている。
「ニューノーマル」は、米国の債券運用会社ピムコ(PIMCO)の最高経営責任者であるモハメド・エラリアン(Mohamed El-Erian)氏が提唱した概念。もはや世界経済は、リーマン・ショック以前には戻れず、以前の常識は通用しなくなっており、新しい尺度「ニューノーマル」を甘受して、資産運用戦略もそれに応じて変えざるを得ないとした。
自動車の輸出がピーク時と比べて減っているからといって、日本国内を対象にした景気刺激策を実行しても、アメリカへの輸出は増えないのだ。
ありもしないGDPギャップの解消を考えるより、今の経済状態をありのままに受け止めて政策を考えることが必要だ。
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