2012-01-27
内部告発は密告奨励か?
雑記 | |
内部告発という行為は、日本ではネガティブに受け取られがちだ。
よく知らせてくれたと感謝されるよりも、組織への裏切りと見なされ、内部告発を行った人が社内で冷遇されるというのも、よく聞く話。
最近では、巨額の損失隠しを行ってきたオリンパスが、社内のコンプライアンス通報窓口に、上司に関する告発をした社員を不正配転したことが話題になっている。これに対して、東京弁護士会は「人権侵害」だと認定し、状況を改善するよう警告したと発表した。
ライバルを蹴落とすなど個人的なメリットのために告発を行うのはよろしくないと思うが、悪いことをしたわけでもない告発者の側が不当に扱われ、悪事を知りながら、同じ釜の飯を食ったもの同士の仲間意識でそれを隠してきた人のほうが役員になるような組織は、良くない。
最終的には、被害が拡大して、存続の危機を迎えかねない。
こうした内部告発に対する認識は、コンプライアンス重視が叫ばれてから少しずつ変わってきているのかと思っていたが、大阪の橋下市長が、市職員からの内部告発を受け付けたことについての新聞報道を読むと、そうでもないらしい。
(以下、引用)
大阪市の橋下徹市長が、市職員からの内部告発などをメールや手紙で受け付け始めたところ、多くの「通報」が寄せられていることが市への取材で分かった。橋下市長は自分のメールアドレスを全職員に公開、「(通常の)ラインでは上がってこない貴重な情報がどんどんくる」と独自の情報収集術に胸を張る。しかし、「密告奨励」とも取れる手法で、「職場がギスギスし始めた」との声が出ているほか、専門家も「職員同士の連帯を損なう」と指摘している。
この記事では専門家の指摘として「職員同士の連帯を損なう」ということが書かれているが、わざわざこうした指摘を紹介するからには、新聞社としてのスタンスもここにあらわれていると解釈するのが妥当だろう。
私は、内部告発を、「密告奨励」とか「職場がギスギスする」という視点で語るのは、認識が古いと考える。
多くの通報が寄せられているのは、真面目に仕事をしてる職員から見ると、いろいろと問題のある組織だということではないだろうか。
内部告発がすぐに賞罰につながれば問題は出てくるだろうが、課題は、事実関係をしっかり調査し、真偽を見極めるプロセスをいかに構築するか、という点にあるだろう。



