カラテ大戦争


【出典】…映画 松竹 カラテ大戦争(1978) 原作:大山倍達 梶原一騎
 
【説明】…日本空手界の興亡を担った一人の空手家が、香港のカンフー、タイのムエタイと闘う格闘アクション映画
監督:南部英夫。脚本:神波史男。そして主演は「みんなの兄貴」真樹日佐夫
 
【独断】…伝説の映画
主演が“あの”真樹日佐夫先生である。もうこの時点で何かがキテいる。
ふとしたはずみからプロレスラー相手に瀕死の重傷を負わせてしまい、空手界を追放された男、真樹日佐夫演じる大神達矢が、紆余曲折でカンフーやムエタイと闘う話だ。
導入部のナレーションでそう言っているんだが、普通「ふとしたはずみ」でプロレスラーに瀕死の重傷を負わせられるものだろうか。と思ってたら、フラフラになったプロレスラーをフルボッコにしている真樹先生のシーンが出てきて、納得。全然「ふとしたはずみ」じゃない。明らかに過剰防衛というか、分かりやすく言えばリンチである。
まぁ一々ツッコミを入れてるとキリがない映画なので、細かい部分は気にしなくてよろしい。我らが真樹先生の男の生き様が見られればそれで良い、という感じの映画である。
基本的に、90分間、真樹先生の苦み走った顔のアップと、残念なアクションだけで構成されている。
というか、当時極真会館師範代であったはずの真樹先生の空手の動作がおかしい。もの凄くクセだらけ、と言えば聞こえはいいが、ハッキリ言ってド下手である。相手のカンフーやムエタイのアクションも結構しょっぱい。
互いの流派の存亡を懸けた戦いなので、街中での不意打ちは当たり前だ。というか、基本的にカンフーもムエタイも不意打ちしかやってこない。終いには段々敵がショッカーの戦闘員のようにワラワラと奇声を発しながら襲いかかってくるようになる。それを微妙なアクションで捌く真樹先生。
バスの乗客が刺客だと察しいきなりぶん殴る真樹先生、相手が手練れだと分かると遠慮無く目を潰す真樹先生、10人以上居るムエタイ戦士(どう見ても普通のタイのオッサンたち)を次々と川に突き落とす真樹先生、ついでに野良猫までぶん殴る真樹先生、なんかもうメチャクチャである。一応、空手を広めるための遠征のはずなんたが、野試合しかしていない。
そんな真樹先生が香港やバンコクの街中を歩くシーンは、もうどう見ても人身売買しに来たただのヤクザである。
一応、オチだけ書いておくと、最後は飲んだくれてた元ムエタイ最強チャンピオンと闘い、死闘の果てに双方再起不能になる。倒れている二人から画面が引いて、「完」。



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【追記】…夏樹陽子
ヒロイン役の夏樹陽子さんは本当に美人だった。一般的な目で見たらそこだけが見所。

 
【追々記】…やはり
空手の動作が下手だった真樹先生だが、数々の証言からして喧嘩が滅法強かったというのは本当らしい。
そんな真樹先生、道場生達にブリッジをさせ、その上にかかと落としをするのが現在の日課であるという。いやぁやっぱ凄い。