空振り病院と川崎大師参り

今日は腰と股関節のMRIの日。おじいちゃんドクターの病院には撮影機器がないため、別の病院に行かないといけない。前回、体のダメ出しをされたとき、 「次は木曜日の朝に来てね」 とおじいちゃんドクターに言われたから来たのに、そのご本人は鹿児島から戻っている途中で、まだ診察できない、とのこと。ひぇー、そりゃないよぉ!ここに来るだけでも、しんどいのに。婦長さんと相談し、今日は診察ナシのMRIだけ、撮影後はフィルムを持っておうちに帰ってヨシ!となった。
解放されたものの、検査予約は4時間後。ポコッと空いた時間をどうしましょ。電車と歩きの時間を考えると、家に戻っても中途半端だ。時間潰しにネイルサロンに行きたいところだが、検査のためにアクセサリーは付けて来なかったし、脱ぎ着し易さ最優先の服装でイケてないから断念。検査病院は川崎大師。そうだ、イイ天気だし、大師様へ寄ってから行こう!


急いでいるときは 「次の電車、まだ来ないー!」 とか 「もっと早く走れないの?」 などと思うのに、時間が余っているときは、 「もう電車来ちゃった」 とか 「乗り継ぎ、良すぎるわ」 なんて思うんだから、勝手なモンだ。そんなことを考えている間に、川崎大師駅に到着。検査3時間前。大型連休後ということで、駅から川崎大師までの表参道はお休みの店が多く、人もまばら。

大師様へ向かっててくてく歩くのだが、既に体はミシミシ言い出し、歩くのが辛くなってきている。何てったって、30分以上の歩行禁止の体だからね。ファストフード店でもあれば座れるのに、と思いながらキョロキョロするのだが、参道にそんなお店があるはずもなく。
そんななか開いていたお店が、和菓子の 「住吉屋総本店」 の喫茶。あー、これで座れる!と迷い無くのれんをくぐった。客はもちろん、私ひとり。オーダーしたのは大大大好きな麩まんじゅうと、ミスマッチなアイスコーヒー。麩まんじゅう、すごく美味しかったぁ!香りがあって、こし餡が上品で、とってもイイお味。和むわぁ。


やっとの思いで到着。どどーん!と目の前に大本堂が現れる。どっしりとした、とても大きな本堂。この手前に献香所があるので、もちろん腰に 「これでもかー!」 というほど煙を浴びた。
本堂へ上がる階段も、今の私にとってはひと苦労。かなり長い時間、手を合わせていたと思う。痛みを堪え、真剣に願を掛けるその姿には、鬼気迫るものがあっただろうなぁ。とにかく何とかお参りできて安心。
お賽銭箱の奥では、厄除の人たちが座って待っていた。川崎大師は厄除で有名。お護摩受付所の広さを見れば、それがよく分かる。さぁ、体と相談しながら境内を散策してみようっと。


川崎大師の大山門をくぐり、どどーん!と現れる大本堂。そして同じようにどどーん!と現れるのが、この 「八角五重塔」 。建てられたのは昭和59年と新しい。webサイトによると、 『八角は最も円に近い建造物の形といわれ、「包容力」「完全性」を象徴しています』 とのこと。
写真左下の像は弘法大師。正面から見ると土台のところにわらじが下がっている石造で、お参りする時は、そのわらじに水を掛けるそうだ。遍路大師尊像ということで足腰に御利益があるそうなので、私も手を合わせてきた。足も腰も治って丈夫になりますように。



私は無宗教なので、弘法大師についても殆ど知らない。 「弘法筆を選ばず」 とか 「弘法にも筆の誤り」 という諺、 いろはを創ったと言われている、程度だ。今日は境内をゆっくりまわったので、色んなことを知ることができた。


境内にはたくさんの石碑がある。親切なことに、その殆どに寺内由緒として説明書きの立て札があるため、とても面白い。このゴロゴロした大きい石は 「力石」 。 「りきいし」 ではなく 「ちからいし」 。昔、境内で行われていた若者の力比べに使われていた石だそうだ。今の若者だったら無理だろうなぁ。
寺内由緒より・・・左のふたつは 「さし石」 と言って、これを頭の上までさしあげた。大きいほうは三六貫 (一三五キログラム) ある。右のみっつは 「おったて石」 といい、これを起こしてまっすぐに立てた。いちばん大きいものは一〇〇貫 (三七五キログラム) ある。これが出来たものは一人前とみなされた。


境内には池もある。 「つるの池」 と名付けられているそうで、池の真ん中には鶴の像。この写真だと分かり辛いかもしれないが、よく見ると空を仰いだ鶴のくちばしからぴゅーっと水が噴出している。
手前にさつきが写っているが、境内にはつつじやさつきの木がたくさんあり、いま満開でとてもキレイだった。そして鶴の奥に見えるのが藤棚。大きな藤棚だが実はコレ、1本の木から伸びた枝。凄い!こちらは満開を過ぎていたが、それでもその藤色はとても美しく輝いていた。この藤の花、よく見かける藤の花とは少し違っているなぁ、と思って近付いて見たら、八重の藤だった。


ひとつのお花がコロンと大きめで、少し離れて見るとブドウのようにも見える。池の柵に寄りかかり、華やかな藤の花に見惚れていると、いつの間にか知らないおばあちゃんが隣に立っていた。「キレイねぇ」 と言われたので 「キレイですねぇ」 と答えた。 「八重かしらね」 と言われたので 「八重のようですね」 と答えた。
時間があってのんびりしていると、こういう時間も自然に楽しめる。それから二言三言、言葉を交わしたが、それ以上の時間、ふたりでボーっと池を眺めた。しばらくすると 「ありがとね」 と言っておばあちゃんは帰っていった。


今日は陽射しが強く、とにかく暑かった。境内にたくさんあるベンチも日かげが人気で、日なたのベンチには誰も座っていなかった。その強い陽射しを浴びて風に揺れる柳がとても美しく、柳の前にある日なたのベンチに座ってみた。
風が吹く度にシャラシャラと心に優しい音を立る柳。銀座の柳は車の騒音でシャラシャラという音も消されてしまうが、ここは静かな境内。暑さに参り、紫外線を気にしながらも、そんなことはこの音の魅力には簡単に負けてしまう。それほど素敵な音だった。


おまけ写真。
このネコが乗っている車、普通は何て呼ぶんだろう。荷車とか?
うちの田舎では、この荷物運びの車を 「ねこ」 と呼ぶ。訛っているから、実際は 「ねご」 なんだけど。
「ねこの上にネコだー!」 と楽しんだのは、境内で私だけだったかもしれないな。

この時点で検査2時間前。まだまだ時間があるよー。Googleモバイルで、この近くのネイルサロンを探してみたが、ナイっぽい。うーん、こりゃ、お昼ご飯でも食べますか!ということで、西解脱門を出たところにある天ぷらの 「天福」 さんに入った。参拝の後の食事といえばお蕎麦か天ぷらでしょ、ということで今日は天ぷら屋さんをチョイス。

実はもう、お店を探せるほど体力が残っておらず、一刻も早く座って休みたかった。
選んだのは天丼の特。上・特・特上と3種類あったので真ん中の 「特」 を。そして 「ご飯は少なめで」 と言うのも忘れなかった。そしてこれが、特天丼。運んできたご主人が 「お芋、サービスね」 と言った。 「うわーい、ありがとうございます!」 と言ったものの 「ご飯、少な目の効果が・・・」 とちょっぴり思ってしまった。ご主人、ゴメンナサイ。2本の海老天、すごく胴回りが大きくて美味しかったぁ。ご飯の硬さも私好みだったし。
ご主人、ご飯少な目ってコト、忘れてたな。残さず食べちゃったけどね。

この後、無事にMRIを撮り終え、うちに帰った。実はこの帰り道がいちばん大変だったんだけど、今日はお疲れチャンなので、また後日。



川崎大師   関東厄除け三大師のひとつ。30代の女性は厄年が多いんですよねぇ。

・・・今日の重量【前日比0kg、基準日比−2.0kg】 ← 増えなかっただけでも奇跡だと思う。