飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 4」感想

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉4 (MF文庫J)

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉4 (MF文庫J)


味方は二千。対する敵は二万の軍。
絶体絶命のピンチだが、それでもティグルなら…ティグルの『人たらし』スキルがあれば、この状況をなんとかしてくれる!

戦姫エレンという強力な戦力を欠いた状況で、ティグルが圧倒的な数を誇る敵軍に対してどう勝利をもぎ取るかを描く前半は非常に緊張感があり、手に汗握りながらページを捲った。ティグルの弓の力で敵将を撃ち抜き敵軍の混乱を招く戦法は、ティグルのみが使える力なのでちょっと卑怯な解決策に見えるのは気のせいかな(笑)が、敵もそれだけでは終わらず、続いての敵本隊に追い詰められかけるが、颯爽と登場したリュドミラが危機を回避。しかしリュドミラは狙っていたとしか思えないタイミングで助けに来たよね。Sっ気たっぷりなリュドミラにチクチク皮肉られながらも、しっかり彼女を落として味方につけているティグルさんの自然なタラシが凄い。
ティグルとリュドミラが共同戦線を張る一方、親友サーシャを助けるべく一時的に別れたエレンとリム。離れていても想うのはティグルのことばかりですか。特にそれをエレンに指摘されたリムの反応が可愛くて非常に宜しい。サーシャの領土に侵攻する戦姫エリサヴェータとも因縁のあるエレン…両者の対決はエレンに軍配が上がるも、エリザヴェータの不気味な力は今後増大し、エレン達を一層苦しめる展開が予想される。そしてまだ出逢ってもいないのに、エリザヴェータに意識されるティグルさん。もうずっとティグルさんのターンですわ。エリザヴェータ、サーシャの他に今回この物語に加わった意外なヒロインであるレギン。彼女の正体が『銀の流星群』だけでなくブリューヌ全土を巻き込み、ティグルたちの一発逆転要素になりそうなものだが、レギン生存を知るガヌロンがどう出てくるか。しかしレギンもティグルなんですね。ティグルに取り入ったリュドミラに睨みを利かせるエレンも混じって、女の闘いも見物。テナルディエ、ガヌロン、エリザヴェータ、ムオジネル軍。更にはテナルディエが雇っているドレカヴァクたちはテナルディエに従っているとはいえず、一番不気味な敵。ほんと周りは敵だらけ。この逆境を乗り越え、ティグルはどうやって英雄に登り詰めるのか、今後も期待大。