飼い犬にかまれ続けて

勝手気ままにライトノベルの感想を書いています。

「冴えない彼女の育てかた」感想

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)

〈あらすじ〉
桜舞い散る通学路で運命の出会いをした……ハズの俺。
だが、相手はキャラが全く立っていないクラスメートだった!?
「ならば、俺がお前をメインヒロインにしてやる!」
丸戸史明のヒロイン育成ラブコメ、開幕!

ライトノベルばかりでエロゲーのことはサッパリです。なので「エロゲ作家さんがラノベを書いた!」と言われても先入観持たずに読めたのは良いことナノカナー?
エロゲ脳の主人公がクラスメートの冴えない女の子をプロデュース…但しギャルゲーの中で!というのは内容。いや、どんな紹介の仕方だよ、と言われてもその通りなのだから仕方ないよね。
まるでエロゲのワンシーンのような出会いをしたはずの主人公・安芸倫也と、可愛いが地味なヒロイン・加藤恵が築く関係が面白い。ギャルゲーで恵をプロデュースするという倫也のあまりに痛々しい発言に読者も引くくらいなので、当然その発言を受ける恵も引くのだが…何だかんだノリ気な彼女も随分と変わった人間。
そんな恵がヒロインのギャルゲー作りに強力を要請されたのが幼馴染にして金髪同人美少女イラストレーターの英梨々と、先輩にして売れっ子ラノベ作家の霧ヶ丘。うん。倫也はギャルゲー人生を羨む発言してるけど、これは酷い。もう十分だろ!
倫也が恵に惹かれて彼女と行動を共にすることが多いため、表紙ヒロインであるはずの英梨々の出番が少ないのは気のせい…じゃない!可憐な見た目とは正反対の性格をしている英梨々のスペック…ヒロインとしての『可能性』は高い気がするも、出番は同人ギャルゲー作りを本格的に始める次回以降に持ち越しか。
「やろうという気持ちだけでやった気になっている」倫也の執筆は、自分の仕事と重ねると思い当たることが多くて心が痛くなってくる。それでも恵との出会いからこれまでの展開を思い出してそれを突破口にしたことに倫也のこれからを期待させる。
しかしほんと最後まで読んでも、メインヒロインは英梨々じゃなくて恵なんだよなあ。早くも敗北してしまうのか…いや、もう英梨々可愛いので頑張って欲しいよ。