新しいTERRAZINE

The new TERRAZINE

パクりの話

マンガ家の描写盗用問題についての私見
パクりの何が良くないかというと、新しいモノを生み出そうという精神を冒涜する行為だからだろう。たが、パクった側も100%コピーしているわけではない。パクった上でパクったモノよりも優れたモノを生み出したのならば、それは「オリジナル」と言っていいだろう。
要は「コピーはダメ」「劣化コピーは論外」「パクるなら、パクり元を汚すな」ってことだ。大切なのは作品の本質だろう。
単なる背景を模写したらパクりなのか?構図を模倣したらパクりなのか?表現方法なら?セリフの言い回しなら?
例えば、さくらももこの『ちびまる子ちゃん』で多用される表現に「顔に縦線」がある。さくらももこがオリジナルかどうかは知らないが、『ちびまる子ちゃん』以降、この表現はマンガにおいて当たり前に使われているようになった。これはパクりか?

これがトレースであることは間違いないが、それが作品の本質になんの関係があるのか。
リンク先の竹熊健太郎氏も言われているように、「表現とは、ある部分までは既成の共通言語・慣用句・パターンのようなものにのっとっていて、そのうえで、どうオリジナルを表現するか?」だろう。本質さえオリジナルであれば、些細な部分はそれこそフリー素材のようなものでいいではないか。
ところでこういう時って、何でパクられた当事者より、全然関係ない部外者が大騒ぎするんだろう。しかもまるで「正義の味方」みたいな態度で。パクりがどうのとかより、「パクり指摘厨」の存在の方がよほど不思議だ。なぜなら彼らは何も生み出していないからだ。